子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 284

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…そして翌日。


「…団長。今、『エルーナ公爵』と名乗る人が来てるんだけど…」

「エルーナって言うと…公爵?が、なんで?」

「さあ?どうする?」


朝食後に暇つぶしとして報告書を読んでいるとドアがノックされ、女性団員が報告して来るので俺が思い出すように聞き返すと女性団員は不思議そうに返して対応を尋ねてきた。


「うーん…俺が行く。もしかしたら魔法協会絡みかも知れないし」

「分かった。じゃあ任せたから」

「…はぁ…」


俺が少し考えてそう返すと女性団員は了承して戻って行き、俺はなんで先生が居ない時にちょうど…と面倒くさく思いながら門まで用件の確認に行く事に。


ーーー


「…すみませんが公爵が直接この拠点に何用ですか?」

「ゼルハイト卿…いや、クライン辺境伯か。話すのは初めてだな」

「はあ…」

「魔法協会の『代表者』が移動するという報告があったので挨拶に来たまでだ」


門の外に俺が着くと馬車の中から男性が降りて来たので用件を尋ねると男性は挨拶した後に用件を告げる。


「ああ、やはりそうでしたか」

「アンネリーゼ・マーリン様は支部にいらっしゃるのか?」


俺が予想した通りだったので安心しながら呟くと男性が少女の在否確認をした。


「どうでしょう?一応案内しますが…ご存知の通り拠点内には許可の無い者は入れませんので護衛の人達には外で待機していただく事になります。よろしいですか?」

「ああ。構わん」

「ではこちらです」


俺には分からないので曖昧に答えて逆に確認し返すと男性は頷いて了承し、男性を拠点内に入れて魔法協会の支部の建物まで案内する。


「なぜマーリン様がこのような場所に移動なさったのだ?クライン辺境伯なら何か理由を聞いてないのか?」

「ココに来た時に本部や総本山より安全だ、と話していたのは聞きましたが…」

「なるほど。やはり手紙にあった通り帝国の魔の手から逃げるために一時的に避難する…というのは本当だったのか」


男性の確認に俺が情報を一部だけ話して誤魔化すようにすると男性は納得したように返す。


「…ココから先が魔法協会側の区画になります」

「…あれ?団長さん?珍しい」

「何かあったんですか?」


俺が説明しながら敷地内を歩いて支部の建物へと向かうと近くを散歩していた協会員の魔法使い達が珍しそうに話しかけてきた。


「偉い方の公爵様が代表者に挨拶に来たんだと」

「公爵閣下が!?」

「これは失礼しました!」

「いい。もう王族では無いのだ、楽にせよ」


俺の返答に協会員達が道を空けるように横に寄って胸に手を当てながら会釈すると、男性は堅苦しい対応を拒否るように言う。


「とりあえず代表者は今居る?」

「はい。確かマーリン様ならまだ大魔導師様と一緒に部屋に居ると思います」

「先生も?まあいいや。ありがとう」

「では私達はこれで」


俺が確認すると協会員の一人が答えるので俺は疑問に思いつつも流してお礼を言うと協会員達は男性に会釈して歩いて行く。


「…ほう…支部というよりも宮殿のような大きさだな」

「華やかさが無いのでどちらかといえば館に近いと思いますが」


…四階建ての横にもデカい建物を見て男性が意外そうに呟き、俺は見た目に関して若干訂正するように返す。


「しかしタワーでは無いのだな」

「あくまで『支部』ですからね。協会員も500名ぐらいしか居ませんし…一応地面を掘って地下に空間を広げてはいますけど」

「そうか、そうだな」


本部の城を思い出すような感じで言う男性に俺がそこまでの大きさが必要ない事を告げると納得したような反応をする。


「…だが支部だと考えたら、コレではいささか大き過ぎるような気もしてくるが…」

「…まあ自分はこの建物の設計に関わっていないので…そこはなんとも…」


男性が建物の中に入って周りを見渡しながら疑問のように呟き、俺は微妙な顔をしながら何とも言えないような感じで告げた。


「…今大丈夫ですか?」

「…どうぞ」


二階の少女の居る部屋のドアをノックして確認すると直ぐに入室許可が降りる。


「失礼しまーす」

「…あれ?坊ちゃん?」

「え?ゼルハイト様?」

「お久しぶりです、マーリン様。この度は大公国が帝国からの侵攻にさらされるという厄災に遭われたようで…」


俺が挨拶しながら入るとお姉さんと少女が軽く驚いて不思議そうな顔をし、後から入って来た男性が胸に手を当てながら挨拶と気遣うような事を言い始めた。


「…なんかエルーナ公爵が代表者に挨拶したいって言うから連れて来た」

「「なるほど」」


男性の挨拶が終わるまで待ってから俺がわざわざココに来た用件を告げるとお姉さんと少女の納得したような呟きが被る。


「では自分は外で待っていますので」

「感謝する」

「では私も…」


俺はその場に居ても仕方ないと思って退室する事を話すと男性がお礼を言い、何故かお姉さんもついて来た。


「…珍しいですね、公爵がこの拠点…というか支部に来るなんて」

「全くだ。王都にも魔法協会の支部はあるから普段はソコに行ってるハズなのに」

「まあでもマーリン様に挨拶したくなる気持ちは分かりますけど…なんせ忙しいお方なので滅多に会えないですし」

「へー、そうなんだ。確かに忙しいのは分かるけど…あんまりアポが取れないぐらい忙しいってのは初耳だ」


お姉さんの発言に俺が同意しながら言うとお姉さんは男性の行動に理解を示すので、俺は意外に思いながら返す。
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