348 / 480
青年期 284
しおりを挟む
…そして翌日。
「…団長。今、『エルーナ公爵』と名乗る人が来てるんだけど…」
「エルーナって言うと…公爵?が、なんで?」
「さあ?どうする?」
朝食後に暇つぶしとして報告書を読んでいるとドアがノックされ、女性団員が報告して来るので俺が思い出すように聞き返すと女性団員は不思議そうに返して対応を尋ねてきた。
「うーん…俺が行く。もしかしたら魔法協会絡みかも知れないし」
「分かった。じゃあ任せたから」
「…はぁ…」
俺が少し考えてそう返すと女性団員は了承して戻って行き、俺はなんで先生が居ない時にちょうど…と面倒くさく思いながら門まで用件の確認に行く事に。
ーーー
「…すみませんが公爵が直接この拠点に何用ですか?」
「ゼルハイト卿…いや、クライン辺境伯か。話すのは初めてだな」
「はあ…」
「魔法協会の『代表者』が移動するという報告があったので挨拶に来たまでだ」
門の外に俺が着くと馬車の中から男性が降りて来たので用件を尋ねると男性は挨拶した後に用件を告げる。
「ああ、やはりそうでしたか」
「アンネリーゼ・マーリン様は支部にいらっしゃるのか?」
俺が予想した通りだったので安心しながら呟くと男性が少女の在否確認をした。
「どうでしょう?一応案内しますが…ご存知の通り拠点内には許可の無い者は入れませんので護衛の人達には外で待機していただく事になります。よろしいですか?」
「ああ。構わん」
「ではこちらです」
俺には分からないので曖昧に答えて逆に確認し返すと男性は頷いて了承し、男性を拠点内に入れて魔法協会の支部の建物まで案内する。
「なぜマーリン様がこのような場所に移動なさったのだ?クライン辺境伯なら何か理由を聞いてないのか?」
「ココに来た時に本部や総本山より安全だ、と話していたのは聞きましたが…」
「なるほど。やはり手紙にあった通り帝国の魔の手から逃げるために一時的に避難する…というのは本当だったのか」
男性の確認に俺が情報を一部だけ話して誤魔化すようにすると男性は納得したように返す。
「…ココから先が魔法協会側の区画になります」
「…あれ?団長さん?珍しい」
「何かあったんですか?」
俺が説明しながら敷地内を歩いて支部の建物へと向かうと近くを散歩していた協会員の魔法使い達が珍しそうに話しかけてきた。
「偉い方の公爵様が代表者に挨拶に来たんだと」
「公爵閣下が!?」
「これは失礼しました!」
「いい。もう王族では無いのだ、楽にせよ」
俺の返答に協会員達が道を空けるように横に寄って胸に手を当てながら会釈すると、男性は堅苦しい対応を拒否るように言う。
「とりあえず代表者は今居る?」
「はい。確かマーリン様ならまだ大魔導師様と一緒に部屋に居ると思います」
「先生も?まあいいや。ありがとう」
「では私達はこれで」
俺が確認すると協会員の一人が答えるので俺は疑問に思いつつも流してお礼を言うと協会員達は男性に会釈して歩いて行く。
「…ほう…支部というよりも宮殿のような大きさだな」
「華やかさが無いのでどちらかといえば館に近いと思いますが」
…四階建ての横にもデカい建物を見て男性が意外そうに呟き、俺は見た目に関して若干訂正するように返す。
「しかしタワーでは無いのだな」
「あくまで『支部』ですからね。協会員も500名ぐらいしか居ませんし…一応地面を掘って地下に空間を広げてはいますけど」
「そうか、そうだな」
本部の城を思い出すような感じで言う男性に俺がそこまでの大きさが必要ない事を告げると納得したような反応をする。
「…だが支部だと考えたら、コレではいささか大き過ぎるような気もしてくるが…」
「…まあ自分はこの建物の設計に関わっていないので…そこはなんとも…」
男性が建物の中に入って周りを見渡しながら疑問のように呟き、俺は微妙な顔をしながら何とも言えないような感じで告げた。
「…今大丈夫ですか?」
「…どうぞ」
二階の少女の居る部屋のドアをノックして確認すると直ぐに入室許可が降りる。
「失礼しまーす」
「…あれ?坊ちゃん?」
「え?ゼルハイト様?」
「お久しぶりです、マーリン様。この度は大公国が帝国からの侵攻にさらされるという厄災に遭われたようで…」
俺が挨拶しながら入るとお姉さんと少女が軽く驚いて不思議そうな顔をし、後から入って来た男性が胸に手を当てながら挨拶と気遣うような事を言い始めた。
「…なんかエルーナ公爵が代表者に挨拶したいって言うから連れて来た」
「「なるほど」」
男性の挨拶が終わるまで待ってから俺がわざわざココに来た用件を告げるとお姉さんと少女の納得したような呟きが被る。
「では自分は外で待っていますので」
「感謝する」
「では私も…」
俺はその場に居ても仕方ないと思って退室する事を話すと男性がお礼を言い、何故かお姉さんもついて来た。
「…珍しいですね、公爵がこの拠点…というか支部に来るなんて」
「全くだ。王都にも魔法協会の支部はあるから普段はソコに行ってるハズなのに」
「まあでもマーリン様に挨拶したくなる気持ちは分かりますけど…なんせ忙しいお方なので滅多に会えないですし」
「へー、そうなんだ。確かに忙しいのは分かるけど…あんまりアポが取れないぐらい忙しいってのは初耳だ」
お姉さんの発言に俺が同意しながら言うとお姉さんは男性の行動に理解を示すので、俺は意外に思いながら返す。
「…団長。今、『エルーナ公爵』と名乗る人が来てるんだけど…」
「エルーナって言うと…公爵?が、なんで?」
「さあ?どうする?」
朝食後に暇つぶしとして報告書を読んでいるとドアがノックされ、女性団員が報告して来るので俺が思い出すように聞き返すと女性団員は不思議そうに返して対応を尋ねてきた。
「うーん…俺が行く。もしかしたら魔法協会絡みかも知れないし」
「分かった。じゃあ任せたから」
「…はぁ…」
俺が少し考えてそう返すと女性団員は了承して戻って行き、俺はなんで先生が居ない時にちょうど…と面倒くさく思いながら門まで用件の確認に行く事に。
ーーー
「…すみませんが公爵が直接この拠点に何用ですか?」
「ゼルハイト卿…いや、クライン辺境伯か。話すのは初めてだな」
「はあ…」
「魔法協会の『代表者』が移動するという報告があったので挨拶に来たまでだ」
門の外に俺が着くと馬車の中から男性が降りて来たので用件を尋ねると男性は挨拶した後に用件を告げる。
「ああ、やはりそうでしたか」
「アンネリーゼ・マーリン様は支部にいらっしゃるのか?」
俺が予想した通りだったので安心しながら呟くと男性が少女の在否確認をした。
「どうでしょう?一応案内しますが…ご存知の通り拠点内には許可の無い者は入れませんので護衛の人達には外で待機していただく事になります。よろしいですか?」
「ああ。構わん」
「ではこちらです」
俺には分からないので曖昧に答えて逆に確認し返すと男性は頷いて了承し、男性を拠点内に入れて魔法協会の支部の建物まで案内する。
「なぜマーリン様がこのような場所に移動なさったのだ?クライン辺境伯なら何か理由を聞いてないのか?」
「ココに来た時に本部や総本山より安全だ、と話していたのは聞きましたが…」
「なるほど。やはり手紙にあった通り帝国の魔の手から逃げるために一時的に避難する…というのは本当だったのか」
男性の確認に俺が情報を一部だけ話して誤魔化すようにすると男性は納得したように返す。
「…ココから先が魔法協会側の区画になります」
「…あれ?団長さん?珍しい」
「何かあったんですか?」
俺が説明しながら敷地内を歩いて支部の建物へと向かうと近くを散歩していた協会員の魔法使い達が珍しそうに話しかけてきた。
「偉い方の公爵様が代表者に挨拶に来たんだと」
「公爵閣下が!?」
「これは失礼しました!」
「いい。もう王族では無いのだ、楽にせよ」
俺の返答に協会員達が道を空けるように横に寄って胸に手を当てながら会釈すると、男性は堅苦しい対応を拒否るように言う。
「とりあえず代表者は今居る?」
「はい。確かマーリン様ならまだ大魔導師様と一緒に部屋に居ると思います」
「先生も?まあいいや。ありがとう」
「では私達はこれで」
俺が確認すると協会員の一人が答えるので俺は疑問に思いつつも流してお礼を言うと協会員達は男性に会釈して歩いて行く。
「…ほう…支部というよりも宮殿のような大きさだな」
「華やかさが無いのでどちらかといえば館に近いと思いますが」
…四階建ての横にもデカい建物を見て男性が意外そうに呟き、俺は見た目に関して若干訂正するように返す。
「しかしタワーでは無いのだな」
「あくまで『支部』ですからね。協会員も500名ぐらいしか居ませんし…一応地面を掘って地下に空間を広げてはいますけど」
「そうか、そうだな」
本部の城を思い出すような感じで言う男性に俺がそこまでの大きさが必要ない事を告げると納得したような反応をする。
「…だが支部だと考えたら、コレではいささか大き過ぎるような気もしてくるが…」
「…まあ自分はこの建物の設計に関わっていないので…そこはなんとも…」
男性が建物の中に入って周りを見渡しながら疑問のように呟き、俺は微妙な顔をしながら何とも言えないような感じで告げた。
「…今大丈夫ですか?」
「…どうぞ」
二階の少女の居る部屋のドアをノックして確認すると直ぐに入室許可が降りる。
「失礼しまーす」
「…あれ?坊ちゃん?」
「え?ゼルハイト様?」
「お久しぶりです、マーリン様。この度は大公国が帝国からの侵攻にさらされるという厄災に遭われたようで…」
俺が挨拶しながら入るとお姉さんと少女が軽く驚いて不思議そうな顔をし、後から入って来た男性が胸に手を当てながら挨拶と気遣うような事を言い始めた。
「…なんかエルーナ公爵が代表者に挨拶したいって言うから連れて来た」
「「なるほど」」
男性の挨拶が終わるまで待ってから俺がわざわざココに来た用件を告げるとお姉さんと少女の納得したような呟きが被る。
「では自分は外で待っていますので」
「感謝する」
「では私も…」
俺はその場に居ても仕方ないと思って退室する事を話すと男性がお礼を言い、何故かお姉さんもついて来た。
「…珍しいですね、公爵がこの拠点…というか支部に来るなんて」
「全くだ。王都にも魔法協会の支部はあるから普段はソコに行ってるハズなのに」
「まあでもマーリン様に挨拶したくなる気持ちは分かりますけど…なんせ忙しいお方なので滅多に会えないですし」
「へー、そうなんだ。確かに忙しいのは分かるけど…あんまりアポが取れないぐらい忙しいってのは初耳だ」
お姉さんの発言に俺が同意しながら言うとお姉さんは男性の行動に理解を示すので、俺は意外に思いながら返す。
183
あなたにおすすめの小説
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
無自覚人たらしマシュマロ令嬢、王宮で崇拝される ――見た目はぽっちゃり、中身は只者じゃない !
恋せよ恋
ファンタジー
富豪にして美食家、オラニエ侯爵家の長女ステファニー。
もっちり体型から「マシュマロ令嬢」と陰口を叩かれる彼女だが、
本人は今日もご機嫌に美味しいものを食べている。
――ただし、この令嬢、人のオーラが色で見える。
その力をひけらかすこともなく、ただ「気になるから」と忠告した結果、
不正商会が摘発され、運気が上がり、気づけば周囲には信奉者が増えていく。
十五歳で王妃に乞われ、王宮へ『なんでも顧問』として迎えられたステファニー。
美食を愛し、人を疑わず、誰にでも礼を尽くすその姿勢は、
いつの間にか貴族たちの心を掴み、王子たちまで惹きつけていく。
これは、
見た目はぽっちゃり、されど中身は只者ではないマシュマロ令嬢が、
無自覚のまま王宮を掌握していく、もっちり系・人たらし王宮譚。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 エール📣いいね❤️励みになります!
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる