子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 304

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…その後、特に何も起きる事が無くスムーズに第九階層を進み…


そのままダンジョンの最深層である最下層へと降りる。


「あ」「お」


最下層に降りて直ぐに女の子が魔物を発見したらしい声を出し、ほぼ同時に分身の俺も魔物を発見して呟く。


「アルケニーとは珍しい」

「コッチはミノタウロスなんだけど…」


分身の俺が意外に思いながら魔物の名前を伝えると女の子は嫌そうな感じで名前を呟き、狙撃銃を取り出して弾をリロードした。


「…流石にミノタウロスにはソレじゃないと無理か」


分身の俺は女の子から少し離れて棒立ちのまま魔物の出した糸にグルグル巻きにされながら弄るように言う。


「ん。しかも頭狙っても弾かれる可能性が高いから心臓狙わないといけない」

「牛頭だからな。天然の兜みたいなもんよ」

「…暇ならちょっと手伝っ…やっぱいい」


女の子の肯定しての説明に分身の俺が適当な感じで肯定すると、女の子は分身の俺を使おうとしてコッチを向くも…


魔物に組み付かれたまま頭を齧られてる様子を見ると諦めたように言い、再度スコープを覗く。


「なんでそんな捕食されてる最中に余裕で喋れるの?アルケニーって確か牙から獲物を弱らせる毒が出るんじゃなかった?」

「体内に入らなければ平気平気」

「…口から入ってない?」


女の子はスコープを覗いてズシン、ズシンとゆっくり近づいて来る魔物を見ながら分身の俺に話しかけてくるので、楽観的に返すとコッチを見た後に引き金から手を離して分身の俺を指差して確認する。


「そりゃ頭から滴り落ちてんだからこの状態で喋ってたら口ん中ぐらい普通に入るよ」

「ええー…」


分身の俺が肯定して返すと女の子はドン引きした様子で呟き、気を取り直したように狙撃銃を構え直してもう大分近づいて来てる魔物に狙いを定めた。


「ブモオォ!!…ブッ…!」


…魔物が間合いに入って直ぐに威嚇して吠えながら斧を両手持ちで振り被ると同時に女の子は発砲し、魔物の胸の辺りに拳大より少し広い穴が空いて後ろ向きに倒れる。


「…わーお」

「…ふうっ…」


ソレを間近で見て、まるで俺の貫手を貫通させたみたいだ…と思いながら呟くと女の子は目を瞑りながら深呼吸するように息を吸って吐く。


「ちょっとオーバーキルじゃねぇか?」

「…しょうがない。アレの次に威力のある一発弾でも一撃じゃ死なないんだもん」

「あー…まあ勿体無い気もするが、そこまで威力を微調整出来る弾って無いからな…」


貫通させずとも核を潰すだけで倒せるのに…と思いながら聞くと女の子はソレを理解した上で一番強い弾を使った理由を話し…


分身の俺は納得しながら呟いてまだ身体に組みついて頭に噛み付いたままの魔物を少し引き剥がし、心臓潰しを決めて倒した。



「…ん?またアルケニーだ」


分身の俺が魔物を発見すると女の子は自動小銃を構えて脚を狙って撃ち、倒れた魔物の頭に拳銃の弾を撃ち込む。


「いやー、アルケニーってコレ一発で死ぬから楽」

「そりゃ耐久的には中級の中でも最低だからな。ってかアサルトライフル撃ってたから正確には一発じゃないだろ、っていうツッコミ待ちか?」


女の子は魔物素材として落ちた毛をスルーして先に進むよう歩いて拳銃を触りながら戦った感想を言うので分身の俺が拾いながら確認するように返す。


「『急所に当たれば』だから」

「急所、ねぇ…厳密には…やっぱやめとこ」


女の子の強調に分身の俺は脳や核である魔石ならそりゃ脆いが…と思いながら呟いて『急所とはなんたるか』について語ろうとしたが…釈迦に説法を二度目は鬱陶しがられそうなのでやめる事に。


「…お。こりゃまたラッキーだ」

「またアルケニー?アルケニーってレアな魔物じゃなかった?」

「どうやら今日は運良くアルケニーが大量発生してる日みたいだな。はたしてどっちの日頃の行いの良さか」


魔物を発見した後に分身の俺が喜びながら呟くと女の子はちょっと嫌そうな顔で尋ね、分身の俺は軽く説明して冗談を言う。


「…ミノタウロスとアルケニーが出て来てアルケニーの大量発生ってイベントが起きてるって事はもうブルボアが出る確率ゼロじゃん」

「まあ可能性が限りなくゼロに近い事は確かだと思う。帰るまでのタイミングにいきなり異界化する事もあるかもしれんから完全にゼロでは無いが」


女の子の拗ねたそうな発言に分身の俺は肯定しつつも万が一の展開を想定して話す。


「小数点以下ならもうゼロでも良くない?」

「確率とかの話ならそれでもいいんじゃね?ただ心構えはしとけよ、ってだけで」

「『備え』と『期待』はまた別でしょ。めんどくさいなぁ…」


女の子がだるそうに聞くので分身の俺が肯定的に返しつつも釘を刺すと女の子はため息を吐いて呟く。


「まあアルケニーは俺が狩って行くからソッチはただ見てるだけでいいよ」

「ミノタウロスが来たらどうすんの?」

「さっきみたいに倒せよ」

「えー…その時は私がアルケニー倒すからソッチがミノタウロス倒してよ」


分身の俺の適当な感じの発言に女の子が確認してくるのでツッコミを入れるように返すと女の子は拒否るように不満そうな顔になった。


「別にそれでもいいぞ」

「じゃあソレで。次はお願いね」


分身の俺が普通に了承すると女の子は嬉しそうに話を締める。
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