子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 342

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「…あの…ゼルハイト様、お伺いしたい事があるのですが…」

「なに?」


昼食が終わった後に同席してた魔法協会のトップである少女が尋ねてくるので俺は片付けながら内容を聞く。


「クライン大魔導師から聞いた『魔石の合成』というのは本当なのですか?」

「先生が言った事が信じられないんなら俺に確認する必要ある?先生から聞いた報告が全てだよ」


少女の確認に俺は嘘を掘り下げられないためにあえて突き放すように冷たく返す。


「…つまり、『真実』だと。そのような事が…」

「いやーびっくりだよね。俺もびっくりした」

「…長い歴史と膨大な知識や情報を保管、管理している魔法協会でさえ聞いた事すら無かったとんでもない事をやっておいてそんな軽く…?」


少女が驚いたように呟くので俺も軽いノリで同意すると女性がなんとも言えない顔で呟く。


「…あの合成した魔石は偶然と聞きましたが…もう成功する見込みは無いのでしょうか?」

「やろうと思えばいくつでも増やせるよ。『やろうと思えば』ね」

「なんと…!!」


少女の確認に俺が軽い感じで気分次第である事を強調して答えると少女が驚愕する。


「流石にやり方は教えられないから。先生から聞いたか分からないけど…理由は理解出来るでしょ?」

「はい。クライン大魔導師の報告から方法についてはおおよその予想はついています。ただし現実的に可能かどうかは度外視の予想になりますが」

「…どういう事だい?」

「魔石の質が上がれば魔物の強さも増す…半端に試して上手くいかなければ大変な事態になるでしょう?」

「…なるほど」


俺が先に断りを入れて確認すると少女は肯定して返し、女性の不思議そうな問いにお姉さんが説明すると女性も納得した。


「まあでも魔石なんて普通のやつがいっぱいあれば十分でしょ。混ざったヤツなんて必要なくない?」

「「そんな事はありません!」」


俺の適当な感じでの発言に少女とお姉さんが同時に力いっぱい否定してくる。


「二種類の質を持つ魔石ならば二つ使わずとも済むので消費量の削減になります!」

「魔石はどんな物でも使い道が無数に存在しますので数が少なくて困る事はあっても多くて困る事は絶対にありえません!」

「そ、そう…?」


少女とお姉さんの熱のこもった反論に俺は若干気圧されながら返す。


「特に質の良い魔石ならばどの研究にも必要となりますから数は多ければ多いほど助かります」

「このような新しい魔石が発見されれば今まで机上の空論で終わっていたような理論がもしかしたら現実的に可能になるかもしれませんし…坊ちゃんが協会に魔石を納品すればするほど協会だけじゃなく、人類の進歩にも莫大な貢献をする形になるんですよ!」

「あー、はいはい、分かった分かった」

「…本当に理解してるのかい…?それよりもこの二人がここまで、とは…」


熱く語ってくるような二人に俺が適当に流して返すと女性は呆れたように呟いた後に少女やお姉さんを見ながら驚いた。


…それから三日後。


ついに隣国ライツの王位継承の騒動が終わり、順当に第一王子が即位したらしい。


「…ライツも王が変わったか…」

「そう言えば誰が王位を継ぐか…で争ってたんでしたっけ?」

「そうそう。で、ソレに巻き込まれないように王女達が一時的に逃げて来てた」


報告書を読んでの俺の呟きに紙に何かを書き込んでいるお姉さんが不思議そうに確認するので俺は肯定しながら軽く説明する。


「じゃあもうそろそろ帰国するのでは?」

「多分帰るんじゃない?もう表立って巻き込まれる事は無いだろうし」

「…新しい王様が暗君じゃないと良いんですが…」

「全くだ。まあ流石に協定破りなんてしないだろうから俺らにはあんま関係無いと思う」


お姉さんの予想に賛同すると心配したように呟くので俺も同意しながら楽観的な想定を話した。


「…私達の国も…次はどなたになるんでしょう?」

「さあ?後ろ盾の大きさで言えば第一王子だけど…今はドードルと戦争中だし、ソバルツともいつ戦争に発展してもおかしくない状況だし、ライツも…って事で国防が重要になってる現状から第二王子が選ばれてもおかしくない」

「つまりお互いに拮抗している、と」

「そういう事だね」


お姉さんは少し考えるように尋ね、俺が適当な感じで予想を話すと難しそうな顔で返すので肯定する。


「…俺らからしたら国防も内政も大事だからどっちの王子が王になっても一長一短なんだよなぁ…」

「どちらかと言えばまだ第一王子の方が良いのでは?私達は多分ライツと戦う事になっても国に支援は求めずとも問題無いですし」


俺が頭の中で第一、第二のどっちかが王になった時の事を想定して呟くとお姉さんは『猟兵隊』だけで防衛の戦力が十分な事を想定してるような事を言う。


「『俺らは』そうだけど他のところはどうかな?特に東の方なんてトラトラットとの同盟が解消されて一転して攻めて来られたらヤバいと思うけど」

「…そうですね。あちらは訓練だけで実戦を経験してる兵も少ないでしょうし…それにウィロー伯爵から奪…譲渡されたおかげで今や坊ちゃんが穀倉地帯のほとんどを手に入れてる形ですから、そんな私達を基準にされて国からの支援を渋られると他の所は厳しいかもしれません」


俺は肯定しながらも他に目を向けるように言うとお姉さんが考えを改めるかのように返し…


「侯爵や辺境伯は俺が支援できるけど、そんな事になったら絶対怒るでしょ。下手したら改善要求のために納税拒否したりしそう」

「…ああ、確かに」


俺が笑って最悪の事態を想定して予想を話すとお姉さんは微妙な顔で納得する。
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