子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 343

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…その翌日。


少女にタクシーをお願いされたので、目隠しと耳栓をさせてブランケットのような薄手の布で簀巻きにし…


魔法協会の本部がある国ではなく、総本山である国へと分身に運ばせた。


「…ありがとうございます。本当にあっという間なのですね」

「俺はどこで待っとけば良い?そこらの宿屋とか?」


目的地である首都の近くに降りた後に少女の拘束を解くと周りを見た後に時計で時間を確認し、驚いたようにお礼言うので分身の俺は帰りの事を考えて尋ねる。


「来賓室をご用意致しますので、その部屋でお待ち下さい」

「お、やったね」


少女の返答に分身の俺はちょっと嬉しく思いながら返して後ろをついて行く。


「…お待ちしておりました、マーリン様。どうぞこちらへ」


…デカい館だか宮殿だかの建物に着くと中に入って直ぐに協会員であろう男が出迎えて頭を下げ、案内役を買って出た。


「この方は客人なので後で来賓室へ」

「かしこまりました」


廊下を歩いてる最中に少女が分身の俺を指して指示を出すと男は了承の返事をする。


「…こちらの部屋でございます」

「ごくろうさまです」


男が部屋の前で止まってドアを開けると少女が労いの言葉をかけて中に入り、分身の俺はどんな室内なのか気になってちょっと覗いてみる事に。


「…やっと来たか、アンネリーゼ」

「…あなたは…!」


…中々に広い会議室のような室内にしっかりとした作りの長いテーブルに腰掛けた20代後半ぐらいの見た目の女性が声をかけると少女は驚いたような反応をした。


「ん?なんだ…?最後に会った時よりもだいぶ若く見えるが…もしかして彼女の孫?」

「メイディア…なぜあなたがココに…!?」


女性は怪訝そうな顔をした後に不思議そうに尋ねると少女は驚きながらも警戒したように真っ白な杖を取り出して構える。


「あはは!『なぜ』だって?封印を解いたからに決まってるじゃない。ふふふ…アレから何年経った?引き継ぎの危機感が薄れるほどに時間が経ってるんでしょう?」

「…他の人達はどこ?」

「真っ先に聞く疑問がソレ?相変わらずと言うか…みんな眠ってるだけよ。隣の部屋で」


今のところまだ危害は加えてない。と、女性は真剣な表情の少女をからかうかのように返す。


「…要求は?」

「決まってるじゃない、『代表者』の座よ。あなたが代表者って事は他に適任が居ないんでしょう?じゃあ私が再び代表者に戻ってあげる」

「断る、と言えば?」


少女の問いに女性は魔法協会のトップの立場を望み、少女が駆け引きするように聞く。


「面白い。随分と言うようになったな、アンネリーゼ。どれほど強くなったか…私に見せてくれよ」


すると女性は面白そうに笑った後に挑発的な笑顔に変わってテーブルから降りた。


「…ごめん、誰?」


少女と女性が一触即発の今にもバトりそうな雰囲気の中、今まで空気を読んで黙っていた分身の俺が雰囲気を変えるように少女に疑問を尋ねる。


「彼女は『メイディア』。今から120年ほど前の魔法協会の代表者でした」

「120年前?めちゃくちゃ昔の人間じゃん」

「…男が出来たのか?私が封印されている間に?」


少女の簡単な説明に分身の俺が軽く驚きながら返すと女性も驚いたような反応をした。


「違います。私とゼルハイト様はそのような関係では…」

「ふーん…そう」

「あ!」


少女が否定すると女性はニヤニヤと笑って近づいて来て…


急にどこからか取り出したレイピアで分身の俺の胸を素早く突く。


「ん?」

「…なるほど。こいつは只者じゃなさそうだ」


どうせ刺さらないしここで避けたらより面倒な事になりそうなので微動だにせず受けると、女性は力を入れても皮膚に全く刺さらない様子を見て表情を変える。


「何を!」

「おっと。不公平を正そうと思ったんだが…流石はアンネリーゼが側に置くだけはある」


少女が杖を向けると女性は直ぐに距離を取って離れ、ニヤニヤ笑って弄るように言いながら分身の俺を見た。


「とりあえずアンネリーゼ、情報を。しばらくは大人しくしててあげるから」

「…分かりました。彼女を書庫へと案内して下さい。あと、世話や補佐係として情報担当を数名彼女の側に」

「はい。ただちに」


女性の要求に少女はため息を吐いて分身の俺の後ろにいる案内役に指示を出す。


「ふふ…期待してるよ」


女性は少女を見て笑うと部屋から案内役について行くように部屋から出る。


「…なんだったんだ?」

「彼女は遥か昔に『魔女』と呼ばれたランダの末裔、封印される前に『最後の生き残り』と聞いていたのでおそらく今も最後の一人だと思います」

「へー、魔女の末裔ねぇ…封印ってのは?」

「…その…彼女は強い人と戦うのが好きでして…生きがいともいえるその楽しみも、当時の魔法協会でも飛び抜けた戦力を有していたがゆえに相手が見つからず…」


分身の俺の疑問に少女が紹介するように言うので、分身の俺が意外に思いながら呟いて尋ねると少女は少し言いづらそうな感じで話し始める。


「なるほど。相手を見つけるために時を超えた、と」

「…相手を見つけるために世界中に向けて宣戦布告しました」

「…え?」

「『私を倒せると思う者は挑め。さもなくば村や町が焼き払われるだろう』と」


分身の俺が理解して呟くも少女は肯定せずに話を進め、予想外の事を告げた。
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