クラスまるごと異世界転移

八神

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「…まあいいや、とりあえず暇ならダンジョン行こうぜ」

「ああ?どこ行くんだよ」

「確かこっからちょっと離れた渓谷んとこに洞窟があったはずだけど…」

「んじゃソコ行くか。危なくなったら逃げりゃあ良いし」

「…へいへい。一応斉藤達に言ってから行くか」


気持ちを切り替えたような藤原の提案に柴田が場所を思い出すように言うので、俺は暇つぶしには丁度良いか…と付き合う事に。


「俺が言ってくるから柴と海は準備しといて」

「はいよ。そのダンジョンって遠いのか?」

「馬車で半日…かかるかかからないかぐらいじゃね?」


俺は柴田に距離と時間を聞いて兵達に馬車に荷物を載せさせた。




ーーーーーー




そして馬車に乗る事、数時間。


「…ココか。結構かかったな」

「なんでも『暴蟲の巣穴』って呼ばれてるらしいな」

「マジで?そんな物騒な名前だったっけ?」


俺が馬車を降りて洞窟の前に立つと藤原がギルドかどっかから聞いたんであろう情報を言い柴田が首をかしげる。


「あれ?違ったっけ?…もしかしたら俺が言ってるのは別の洞窟かもしれん」

「どっちだよ」

「この洞窟はそんなに危険度は高くないって話だったような…まあ、入ってみりゃ分かんだろ」


危なくなったら逃げりゃいいし。と柴田が先陣を切って洞窟の中に入って行く。


「うわ、中は真っ暗じゃん。何も見えねぇ」

「こういう時のための松明よ」

「おっ!柴、良いもん持ってんな。ソレ高いやつじゃん」


俺が中の暗さに驚くと柴田が気を利かせて松明を点けてくれたので明るくなり周りが見えるようになった。


「わざわざ素材を持って行って作って貰ったからそんなに金はかからなかったぜ」

「普通のとなんか違うのか?」

「おうよ。高い照明アイテムは暗視スコープみたいに自分たちだけ周りが見えるから敵に気づかれにくい…っていうチート効果があんのよ」


…俺は柴田に聞いたのに何故か藤原が得意げに説明を始めた。


「へー、ゲームでも欲しい効果だな」

「いやゲームだったらエンカウントしないと面白くないだろ」

「「確かに」」

「おわっ!?」


藤原のツッコミに俺と柴田が賛同すると幽霊だか亡霊のようなのが急に目の前に現れた。


が、藤原のスキルで俺の兵と一緒に隔離してそのまま進みエンカウントをスルー。


「…虫の巣ってよりは亡霊の住処だな」

「そーだな。ゾンビのような魔獣もいるし」

「獣のゾンビ化は分かるにしても、人型のゾンビはなんだ?死体からか?それともそういう状態異常か?」

「んなもん考えてもしょーがなくね?」

「そりゃそーだ」


…柴田のスキルで範囲攻撃を縛り、藤原のスキルで俺の兵を使って隔離…もしくは遠ざけたりしながら魔獣達を避け、階段を降りたりしながら俺たちはダンジョンを奥へ奥へとどんどん進んでいく。
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