クラスまるごと異世界転移

八神

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…更に数日後。


「ぐわ~…やっぱ遠いわ~…」

「そりゃそうよ。だから言ったじゃねーか」

「…にしても久しぶりだな。二ヶ月ぶりぐらいか?」

「もう少し前じゃね?」

「違ぇよ。俺ら三人…このメンツでダンジョンに来る事が、だよ」

「ああ…そっちね」


柴田の発言に藤原が訂正するように言うも捉え方が違ったらしく続く言葉に納得する。


「俺なんか前は女だらけでうっはうはだったのに…今はこんな野郎ばっかりで…」

「おめーなぁ…じゃあ別のパーティ探しゃ良かったじゃねーか」


柴田が俺と藤原を見てため息を吐きながら言うので藤原は呆れたように返した。


「ねーんだよ。前みたいに女だらけで仲の良いパーティは」

「…はあ?」

「意味分からん」


ダンジョンの中を歩きながら柴田が意味不明な事を言い出す。


「女ってこえーぞ。女の敵は女…ってのは良く言ったもんだぜ」

「ソレは分かる」


柴田の発言に藤原は腕を組んでしみじみと深く頷いて賛同した。


「でも最初のパーティは仲良かったんだろ?じゃあどこも一緒じゃねーの?」

「最初んとこは三人とも幼馴染だったからっぽいな。他の女パーティんとこは中々の地獄だったわ」


報酬やドロップアイテムを巡っての言い争いや陰口が凄かったし…と柴田は俺の問いに嫌そうな顔をしながら言う。


「夢がねーな…俺んとこは多くて半々までだったけど…それで良かったのか」

「ハーレムなんて言ってられるのは女の良い面しか見てないからよ。つっても最初のパーティはまさにハーレムを体現したような環境だったけどな」


…あの頃に戻りたい…と柴田はため息と共に呟く。


「聞く限りでは解散する要素が見たらねーけどな。なんで解散したん?」

「一人が彼氏にプロポーズされてな。『家に入って家庭を守って欲しい』って言われたから冒険者は辞めるんだと」

「一人だけじゃねーか」

「その言葉を聞いた他の二人が彼氏に将来の事を聞いたらやっぱりプロポーズされたんだと…みんな結婚して家庭に入るから自動的にパーティは解散よ」

「…そりゃしゃーねーな」

「だな。止める事ができねーし」


柴田の話を聞いて俺と藤原は解散した理由に納得する。


…そんなこんな雑談しながら敵を避けつつ奥に進む事、数時間。


ようやくこの前リッチを倒した場所へと到着した。


「いやー、思ったより早く着いたな」

「そだな。やっぱり雑魚と戦わないと楽やわ~」

「…アレか?」


嬉しそうに盛り上がっている二人はさておいて俺は祭壇の上にある黒っぽい紫色に光る魔方陣を指差して聞く。


「そーそー、アレアレ」

「なんでもあの魔方陣、リッチを倒した時に稀にしか現れないらしいぜ?」

「マジで?」

「マジマジ。世界中でリッチが乱獲されてっけどあの魔方陣が出てきたのってたった数カ所だけみたいだし」

「へー」


藤原の説明に俺は魔法陣を見ながら『ホントかよ…』と疑いながら相槌を打った。
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