クラスまるごと異世界転移

八神

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「おい、どーする?一人9000だぜ?しかもアレ名前的にぜってー呪いの装備だって。解呪もしねーと使えねーのに…」

「でもどうせいつかは鑑定も解呪もすんだろ?じゃあ今の内にやってた方がいーんじゃねーの?後から値上がりするかもしれんし…海、どう思う?」

「俺も柴に賛成する。これ以上の値上がりはキツいからな」

「…分かったよ…ほらよ」

「…確かに。おそらく鑑定が終わるのは明日だろうから受け取りは明後日になるだろう」


三人で相談した結果、鑑定をする事にしたので金を出し合うとお爺さんが金を確認した後に時間がかかる事を告げる。


「…鑑定で3100って解呪じゃ5000くらい取られそーだな」

「これでクソみたいな性能だったら落ち込むわ~」

「いやー、流石にそれはねーだろ」


呪いの装備である事を前提に話しながら俺らは帰宅した。


…二日後、鑑定済みの装備を受け取るとやっぱり呪いの装備だったので俺らは教会へと向かう。


「すみませーん。解呪をお願いしたいんだけど」

「はい。少々お待ちください」


神父に装備品を渡してお願いすると一旦奥へと引っ込んで行く。


「…長くね?」

「なんかあったのか?」

「さあ?」

「…お待たせいたしました」


15分ほどして戻ってきた神父はなにやら難しそうな顔をしている。


「えーと、解呪には一つにつき金貨8000枚の寄付金を納めてもらう事になりますが…どうしましょう?」

「はっ…8000ときたか…」

「まあ普通に金足んねーわな」


神父の苦笑いしながら困ったかのような問いに藤原は呆れたように言い、柴田も諦めたかのようにため息を吐いた。


「もう解呪は諦めよーぜ。一人24000ってどう考えても無理だろ」

「あーあ、あん時に無駄遣いせずに貯めとけばなー」

「俺が足りない分出すからお前ら有り金全部出せ」

「「マジで!?」」

「いや海、やめとけって!俺らもうそんな持ってねーからやべー額だぞ!?」

「…とりあえず俺が出せる分」

「柴お前……んじゃ、俺も」


諦めた様子の二人に俺が金を出すよう提案すると藤原が説得するように止めて来たが、柴田が金を出すのでため息を吐いて有り金を全て出した。


「…はい、確かに…ありがとうございます。大司教様達をお呼びしないといけませんので、解呪が終わり次第私共からご連絡を差し上げます」

「お願いします」


金を数えた神父の言葉に俺は適当に返してから教会を出る。


「…わりーな、海。ほとんど出させちまって」

「貯金って大事なんだな…すまん、海」

「しゃーねーよ。お前らは出せる分しか出せねーんだから」

「…あーあ、抜け殻を渡した時に金を要求すりゃ良かったぜ。そうすりゃ今みたいに一文無しになる事もなかっただろうし…」

「なんなら王子にでも金たかりに行くか?佐藤に頼めば少しぐらい貰えそーじゃね?」


藤原の発言を聞いて柴田が冗談のようにヤバイ事を言い始めた。


「そーだな。ダメ元で行ってみっか」

「マジで?いや冗談だって」

「流石に王子に金をたかるのはやべーって。人としても…なあ?」


俺がその意見に賛成すると柴田と藤原は焦ったように止める。
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