クラスまるごと異世界転移

八神

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「まー多分アイツなんか狙いがあったと思うけど…ヤンキーの考える事は分からんからな。もしかしたらただの脊髄反射かもしれん」

「狙い?」

「ただの習性じゃねーの?」


俺が野菜とかを選びながら思った事を話すと藤原と柴田は野菜から目を離して聞いてくる。


「話の流れが不自然だったんだよ。俺の気のせいかもしれんけど」

「不自然、ねぇ…まーだとしたら無理やり喧嘩する方向に持っていったって事になるのか?」

「つー事は……どういう事だ?アイツもそこらのバカみたいに名声目当てってこと?」

「可能性はあるな。ただ名声を欲しがる目的までは分かんねーけど」

「ヤンキーが名声ねぇ…俺はただの習性だと思うけどな」

「だよな。ヤンキーって喧嘩できればそれで良い、みたいなやべー人種だし」


灰村の考えを予想しながら話し合うも結局俺ら普通の一般人にはヤンキーの考えなんて分からないまま買い物を終えた。



「あ」

「お」

「なんか珍しいね。海原達とこんなところで会うなんて」

「そーいやそーだな」


店からの帰宅途中に同じく教会からの帰宅途中だった斉藤達と遭遇、そのまま合流して一緒に帰る事に。


「おっと、そうだ。住吉、例のアレはなんとかなりそうだぜ」

「え!ホント!?」

「灰村次第だけどな。なんか知らんがアイツが探しに行ってくれんだと」

「…灰村が?」


俺が思い出したように言うと住吉は喜んで聞いて来るので灰村の事をオブラートに包んで話すと意外そうに確認してくる。


「あー、そっか。だから灰村に…頼んだわけね」

「あー…だからか。なんで死霊王?って思ったら住吉のおそろの件か」


女子達にあの状況を話すと絶対にややこしくなるのが分かってるので柴田も藤原も言葉を選びながら納得する。


「へー、そんな事があったんだ。そういや灰村くん王都に行くって言ってたけど…それが関係してる?」

「さあな。俺らにヤンキーの考えなんて分かんねーし」

「つーか王都に何しに行く気だ?佐藤にでも会いに行くのか?」

「さあ?とりあえず王都に行くってしか聞いてないけど」

「ふーん。ま、俺らには関係ねーか」


どうやら深山達も何も聞いてないらしいので柴田が興味無さげに呟く。


「じゃあ灰村君が帰って来るのが楽しみだね!」

「そだね。理恵やミミ達とお揃いだもん、灰村早く帰って来ないかなー?」

「いやー、難しいんじゃね?今はもうリッチが居るダンジョンってこの国にはねーし」

「え。そうなの?」

「ああ。また新しく出て来ねー限りは別の国に探しに行くしかねーな」


斉藤と住吉が盛り上がる中、藤原が時間がかかりそうだと言うと深山が確認して柴田が頷く。


「ええー…なんかガッカリ」

「ま、気長に待つしかねぇな。『果報は寝て待て』って言うだろ」

「そーだけどさー」


テンションが下がったような住吉の言葉に俺がフォローするも納得がいかないような様子で返す。
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