クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
148 / 556

148

しおりを挟む
「んじゃ、畑を耕す方法から行くぜ?」

「お願いします先生」

「先生、なるべく分かりやすくお願いします。先生」

「…おい。まあいい…ホントは見せながらが一番だったんだが…火の魔法と風の魔法で畑を爆発させて風と土の魔法でひっくり返したわけだ」


俺の確認に柴田と藤原が弄るようにボケてくるので一言だけツッコんでから方法を説明する。


「爆発させるだけなら火だけで十分じゃね?」

「一応土にも空気を混ぜないといけないらしくてな。爆発させる時と返す時にソレを同時にやってる」

「へー…ってか火と土だけかと思ったら風も使ってるんだ」


藤原の疑問に俺が理由を話すと佐藤が納得した後に意外そうに呟いた。


「そうそう。魔法農法って基本的に複数の属性を使ってやるから人材を揃えるのが非常に難しくてな」

「確かに。複数の属性魔法を同時撃ち、なんて離れ技が出来んのは世界でも数人しか居ねーしな」

「しかも応用魔法とかいうのが使えないといけないんだろ?そりゃ難しいわ。ってか無理くね?」


俺の返答に藤原と柴田が納得しながら同意する。


「むう…畑を耕すのに必要な属性が三つかぁ…」

「んで、土の塩抜きだけど…コレは実際に見せた方がはえーか。っとその前に…佐藤、ココに水路を作っていいか?」

「え?あ、うん」


佐藤が難しそうな顔をして呟くのをスルーして俺は次の説明に移ろうとした所で作業を楽にするために許可を取った。


「水路って普通ならそう簡単に作れるもんじゃねーけど…どーせ魔法でパパッとやるんだろ?」

「その方が楽だからな。ちなみに水路を作るのは火と土と風と水の魔法が必要になる」


柴田の問いに俺は適当に返して豆知識のように説明しながら兵に魔法を使わせる。


すると地面が線を引くように爆発していって凹んだ通路に川の水が一気に流れ出し、畑の近くに水路が完成した。


「…5分もかからずこんな大きな水路を引くとは…彼はとてつもなく凄まじい技術をお持ちのようですな。お嬢様」

「もう海原が凄いのかこんな方法を生み出すどっかの国の研究が凄いのか分からなくなってきた…」


執事のおじさんが驚愕しながら言うも佐藤はついてこれないのか呆れたように呟く。 


「つーか海、今のに風の魔法必要か?」

「土埃とか細かいヤツを飛ばさないと水が汚れるだろ?」

「あー、そっか。確かに」


藤原の疑問に俺が理由を話すとすんなり納得してくれる。


「で、水の魔法と風の魔法で水路から大量の水を運んで畑にぶっかけ、土と水の魔法で畑の土に浸透させるわけだ。そんで次に火と雷の魔法で温度差を出して塩を分離させて…」

「待て待て!そんな複雑なのか!?おめーそんなのをチョロっと簡単にやってたの!?」

「言うほど簡単じゃねーってさっき言っただろーが」

「いくらなんでも難し過ぎんだろ!逆になんでおめーはこんな高度で工程の多い複雑な作業をパパッと簡単に出来んだよ!天才かなんかか!?」


俺が説明を再開するも藤原が途中で割って入ってくるのでそうツッコむと柴田も良く分からん事を言ってきた。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

二重異世界行ったり来たりの付与魔術師 ~不幸な過去を変えるため、伝説のダンジョンを攻略して神様の武芸試合で成り上がる~

けろ壱
ファンタジー
佐倉三月(さくらみづき、28歳男)は二重の異世界転移に巻き込まれる。 あるときは伝説のダンジョンを攻略する使命を背負った勇者として。 中世ファンタジー世界を舞台に、エルフの美女二人と深き迷宮の彼方を目指す。 あるときは落ちぶれた女神を救うため、神々の奉納試合を戦う戦士として。 和風な神の世界を舞台に、数多の神々との戦いを勝ち抜いて成り上がる。 授かったスキルはかなり特殊なチート付与魔法。 様々な能力を自分だけでなく、他の人や物に与えることができる。 やがて二つの異世界転移は、現実世界で恋人を失った過去に繋がっていると判明。 各異世界でのクリア条件を満たせば過去を変えられるらしい。 恋人を取り戻し、希望の未来を掴むため──。 和洋の異世界と現実世界を股に掛ける過去改変二重異世界物語。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

処理中です...