クラスまるごと異世界転移

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「んじゃ決闘の神とか？」

「ただのスキル名じゃねーか。灰村じゃねーんだから誤解しか生まれねぇよ」

「確かに…別に藤は喧嘩が強いわけでもねーしな」

「移動神とか？」

「パシリでイジメだろ！それ！」


…俺らで藤原の二つ名を考えるもなかなか良いアイディアが浮かんでこない。


「じゃあ…」

「いや、もうやめよーぜこの話。なんか悲しくなるわ…それより海、他になんかねーのか？簡単に畑に栄養をまく方法とか」


佐藤が別の名前を考えて呟くと藤原がゲンナリした様子で話を打ち切って話題を変えるように俺に振る。


「ああ、あるぜ。あの木を燃やして灰にすれば栄養に出来る」

「…マジかよ。予想の斜め上の方法だな」

「んな方法もあんのかよ…」

「火と木の魔法を使えばあっという間に燃え尽きるから、その灰を畑を耕すように火と土と風で爆発させて一緒に盛り上げ…土と風でひっくり返しながら混ぜる。後は火水土風雷の魔法で温度調節しながら全体に馴染ませれば終わり」


俺は実際に兵達に魔法を使わせてやり方を見せながら言葉で分かりやすくなるように気をつけながら説明した。


「…もう言うだけ野暮かもしんねーけどよ…燃やしてから肥料にするまで5分もかからねーのはやっぱおかしいって」

「普通枯れ木でもあんな直ぐに燃え尽きねーだろ。魔法の力ってマジで俺らの頭じゃ理解が追いつかねーな」


柴田と藤原は実際に見ているのに信じられないようにため息を吐いて呆れたように呟く。


「ま、普通なら金を取るんだけど、今回は説明だったから初回サービスで無料にしとくわ」

「あ、ありがと…にしても魔法で農業って思った以上にとんでもない効率でヤバくない？」

「だろうな。どっかの国はソレが分かってたから研究してたんだろ？」

「そう考えると先見の明やべーな。その王子ってのは」

「俺らは実際に見て体験したから身に染みて分かったけど、その王子は資料とか紙の上での判断だろ？もはや予知能力じゃねーの？」


佐藤の確認に俺がそう返すと藤原と柴田はどっかの国の王子をえらい評価したように言う。


「おっとそうだ。言い忘れてた…植物の成長促進には一応クールタイムが存在するぜ？今回みたいに栄養に回す用の木とかなら関係ねーけど」


俺はふと思い出した重要な事を言った後に一応補足する。


「だろーな。そんくらいの制限は無いとマジで神の所業だし」

「で？クールタイムはどれくらいだ？数日か？十数時間か？」

「一回毎に5分」

「「マジで神の所業じゃねーか！！」」


柴田が納得したように呟いて藤原が予想しながら聞いてくるので俺は手のひらを向けながら答えたら二人に力一杯ツッコまれた。


「え、じゃあ普通にやっても20分ぐらいってこと！？」

「まあ野菜とか果物とか穀物とかの種類によるけど最低20分で最高30分ぐらいかな？もしかしたら30分以上かかるのもあるかもしれんけど」

「十分すぎる！」

「2、30分で種から実が食えるとか妄想レベルでやべーやつ！」


驚く佐藤の発言に俺が予防線を張りながら返すとまたしても柴田と藤原がツッコむ。