172 / 556
172
しおりを挟む
「おめーらに『カッコいい』って言うノリで言ったんだけどその通りだな。やっぱ冗談で言うべきじゃねーわ」
「ソレで嫌われないだけ良かったな」
「その程度で嫌う女子居るか?…いや、居そうだな」
俺が柴田に同意しつつ反省しながら家に入ると何故か二人もついて来た。
「…お前ら運動してたんじゃねぇの?」
「いやー…良く考えたらスクワットは意味ねーな、って」
「まだ腕立てとか腹筋の方がマシな気がしてな」
「あっそ。頑張れよ」
「おいおいつれねーな…海もやろーぜ?誰が一番多く出来るか勝負しねぇか?」
「…言っとくが俺は腕立てなら200回は出来る男だぞ?後悔すんなよ」
藤原の誘いに乗って俺も筋トレの勝負に参戦する。
「んじゃ、行くぜ?ドン!」
「回数は、自分、で、数え、ろよ!」
「おう!」
「ぬおおお!」
「うおおお!」
柴田の合図と共に俺らは一斉に腕立て伏せをし始めたが…
回数の勝負なのに意味不明に藤原がスピードを上げて素早く動くのでソレを見た俺と柴田もつられて動きを早くした。
「やば、い…155、15…6!」
「う、腕が…!160…16…1ぃ!」
「はっはっは!甘いなお前ら。俺は既に200を超えてるぜ」
途中でガクンとスピードが落ちて苦しそうに腕立て伏せをしている柴田と藤原を横目に、俺は魔導兵の雷の魔法で強制的に身体を動かしてスピードを落とす事なく回数を稼いで行く。
「…ぐ…17…8…!…ダメだ」
「18…5…!…ダメだ…」
「だらしねーな。見よこの完璧な動き…300を超えても止まらねーぜ?」
「…ふぅ。海、おめーぜってー何かしてんだろ!じゃなきゃおかし過ぎるわ!」
「ドーピングでもしてんじゃねーか!?」
「まあ、惜しいな…あ、やべ…腕が動かなくなった」
柴田と藤原が腕立てを止めて息を整えてから追及してくるので俺は350回で止めると…
おそらく筋肉痛の影響で腕が自分の意思では動かせなくなっていた。
「「は?」」
「魔法で無理やり動かしたからその反動だな。痛みはねーが5分ぐらい動かんかも」
「いや完全にインチキじゃねーか!そこまでして勝ちたいか!?普通よ!」
「負けず嫌いもそこまで行くとすげーわ!腕が動かせなくなるまでやるって相当だぞ!」
俺の適当な説明に藤原と柴田がツッコむように食ってかかる。
…その夜。
「…ねえ、海君。農家の人達からお金をぼったくろうとしたってホント?」
「は?んな事した覚えはねーけど?」
夕飯後に三人でゲームをしていると深山が言いづらそうに確認してくるので俺は即否定した。
「でも農家の人達が嘆いてたよ?『あんな大金とてもじゃないけど払えない』って」
「だったらほっとけば良いんじゃね?別に金を強制的に要求したワケじゃねーし」
「なに?農家の奴ら深山達の優しさにつけ込んで海をタダで利用しようとしてんの?頭おかしくね?」
「金がねーなら自分達でなんとかすりゃあ良いのにな。教会に行って神頼みしてもどうにもならんだろ」
深山と俺の会話を聞いて藤原と柴田も俺に同意したような事を言う。
「ソレで嫌われないだけ良かったな」
「その程度で嫌う女子居るか?…いや、居そうだな」
俺が柴田に同意しつつ反省しながら家に入ると何故か二人もついて来た。
「…お前ら運動してたんじゃねぇの?」
「いやー…良く考えたらスクワットは意味ねーな、って」
「まだ腕立てとか腹筋の方がマシな気がしてな」
「あっそ。頑張れよ」
「おいおいつれねーな…海もやろーぜ?誰が一番多く出来るか勝負しねぇか?」
「…言っとくが俺は腕立てなら200回は出来る男だぞ?後悔すんなよ」
藤原の誘いに乗って俺も筋トレの勝負に参戦する。
「んじゃ、行くぜ?ドン!」
「回数は、自分、で、数え、ろよ!」
「おう!」
「ぬおおお!」
「うおおお!」
柴田の合図と共に俺らは一斉に腕立て伏せをし始めたが…
回数の勝負なのに意味不明に藤原がスピードを上げて素早く動くのでソレを見た俺と柴田もつられて動きを早くした。
「やば、い…155、15…6!」
「う、腕が…!160…16…1ぃ!」
「はっはっは!甘いなお前ら。俺は既に200を超えてるぜ」
途中でガクンとスピードが落ちて苦しそうに腕立て伏せをしている柴田と藤原を横目に、俺は魔導兵の雷の魔法で強制的に身体を動かしてスピードを落とす事なく回数を稼いで行く。
「…ぐ…17…8…!…ダメだ」
「18…5…!…ダメだ…」
「だらしねーな。見よこの完璧な動き…300を超えても止まらねーぜ?」
「…ふぅ。海、おめーぜってー何かしてんだろ!じゃなきゃおかし過ぎるわ!」
「ドーピングでもしてんじゃねーか!?」
「まあ、惜しいな…あ、やべ…腕が動かなくなった」
柴田と藤原が腕立てを止めて息を整えてから追及してくるので俺は350回で止めると…
おそらく筋肉痛の影響で腕が自分の意思では動かせなくなっていた。
「「は?」」
「魔法で無理やり動かしたからその反動だな。痛みはねーが5分ぐらい動かんかも」
「いや完全にインチキじゃねーか!そこまでして勝ちたいか!?普通よ!」
「負けず嫌いもそこまで行くとすげーわ!腕が動かせなくなるまでやるって相当だぞ!」
俺の適当な説明に藤原と柴田がツッコむように食ってかかる。
…その夜。
「…ねえ、海君。農家の人達からお金をぼったくろうとしたってホント?」
「は?んな事した覚えはねーけど?」
夕飯後に三人でゲームをしていると深山が言いづらそうに確認してくるので俺は即否定した。
「でも農家の人達が嘆いてたよ?『あんな大金とてもじゃないけど払えない』って」
「だったらほっとけば良いんじゃね?別に金を強制的に要求したワケじゃねーし」
「なに?農家の奴ら深山達の優しさにつけ込んで海をタダで利用しようとしてんの?頭おかしくね?」
「金がねーなら自分達でなんとかすりゃあ良いのにな。教会に行って神頼みしてもどうにもならんだろ」
深山と俺の会話を聞いて藤原と柴田も俺に同意したような事を言う。
10
あなたにおすすめの小説
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
二重異世界行ったり来たりの付与魔術師 ~不幸な過去を変えるため、伝説のダンジョンを攻略して神様の武芸試合で成り上がる~
けろ壱
ファンタジー
佐倉三月(さくらみづき、28歳男)は二重の異世界転移に巻き込まれる。
あるときは伝説のダンジョンを攻略する使命を背負った勇者として。
中世ファンタジー世界を舞台に、エルフの美女二人と深き迷宮の彼方を目指す。
あるときは落ちぶれた女神を救うため、神々の奉納試合を戦う戦士として。
和風な神の世界を舞台に、数多の神々との戦いを勝ち抜いて成り上がる。
授かったスキルはかなり特殊なチート付与魔法。
様々な能力を自分だけでなく、他の人や物に与えることができる。
やがて二つの異世界転移は、現実世界で恋人を失った過去に繋がっていると判明。
各異世界でのクリア条件を満たせば過去を変えられるらしい。
恋人を取り戻し、希望の未来を掴むため──。
和洋の異世界と現実世界を股に掛ける過去改変二重異世界物語。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる