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「そりゃあ、英雄とか呼ばれてるぐらいだし?」
「…ここまでの力があればあらゆる所から引く手数多だろう?なのに何故彼はフリーなんだ?」
「さあね。偉くなると責任とかが出てくるから面倒なんじゃないの?」
「…全くもって惜しい事だ…俺にこの力があれば…」
「まあ正直あんたが持ってても意味無いと思うけど。今まで無名だった奴がなんで急に英雄と呼ばれるようになったのか…もうちょっと考えてみたら?」
歩いてる最中に王子が藤原のスキルの良い面しか見ていない勘違い発言をしてくるので、俺は少しイラッときてキツい言葉で返した。
「どうかしたのか?」
「別に。今のを本人が聞いたら怒るだろうな、と思ってね」
「…なるほど。次からは気をつけよう」
王子の問いに俺が不機嫌を隠さずに嫌味を言うとソレで察したのか反省したように言う。
「…とりあえずココらへんでいっか」
「完成された『魔法農法』ならば場所は問わないだろうな…」
町から少し歩いた場所にある平原地帯を見て俺が言うと王子は伸びきった草を見ながら呟く。
「範囲はどれくらいが良い?」
「そうだな…5ヘクタール分の穀物があれば余るほどに十分だと思う」
「500mって相当だな…まあいいか」
俺は魔導兵を60体召喚して雨を降らす部隊と土の柵を作る部隊、そして畑を耕す部隊に分けて魔法を詠唱させる。
「多分雨靴履いた方が良いよ。はい、傘」
「そうしよう。助かる」
魔法の力で空に雲がどんどん出来て集まってくるので俺は雨靴に履き替えながら王子にもう一つの雨靴と傘を差し出す。
「…しかし、こうも簡単に応用魔法が使える兵をどうやって集めたんだ?」
「そりゃ王子の部下に教わったからね。俺の兵は力が無い分頭が良いみたいだし」
「…ソレは答えになっていないと思うが…まあいい。コレだけ有能な兵を集める事が出来るのならば魔法農法を完成させたと言うのも頷ける」
土砂降りのように大量の雨が降り注ぐ中での王子の疑問に俺がそう返すも微妙な顔でツッコまれた後に納得された。
「…こりゃ20ヘクタール分ぐらいは雨降ったかな?」
5分経っても一向に勢いの弱まらない雨に俺はちょっと予想外だったのでポツリと呟く。
「雨が降らずに干ばつで苦しんでいる中での豪雨だ。領民からすれば恵みの雨だろうな」
「え?こっちしか降らせてないけど…町にも降らせた方が良かった?」
「天候の範囲の固定化まで成功しているのか!?まさに神の所業…出来るのならば、是非ともお願いしよう」
「はいよ」
王子の言葉に確認すると驚かれて頼まれたので俺は軽く返事して兵達に雨雲を動かすよう魔法を詠唱させた。
ーーーーーー
「……コレが我々の研究が行き着く先か…」
「いやー、便利だよね。魔法農法って」
5ヘクタール分の大量の小麦畑に同じ面積分の芋畑、そして10ヘクタール分の果樹園を見て王子が呟くので俺はその研究を褒める。
「…僅か一時間ほどでコレとはな…成功例を見ると俄然やる気が漲るものだ」
「今回は楽するために種芋とか挿し木を使ったから品質はまだ良い方だと思う…良かったね」
「…トルツ王国王位継承順第四位、イスマイル・シュタッツ・トルツより国民を代表し心より感謝申し上げます」
王子はやる気を出して喜んだかと思えばおもむろに地面に片膝を着くと頭を下げながら堅苦しくお礼を言い始めた。
「…ここまでの力があればあらゆる所から引く手数多だろう?なのに何故彼はフリーなんだ?」
「さあね。偉くなると責任とかが出てくるから面倒なんじゃないの?」
「…全くもって惜しい事だ…俺にこの力があれば…」
「まあ正直あんたが持ってても意味無いと思うけど。今まで無名だった奴がなんで急に英雄と呼ばれるようになったのか…もうちょっと考えてみたら?」
歩いてる最中に王子が藤原のスキルの良い面しか見ていない勘違い発言をしてくるので、俺は少しイラッときてキツい言葉で返した。
「どうかしたのか?」
「別に。今のを本人が聞いたら怒るだろうな、と思ってね」
「…なるほど。次からは気をつけよう」
王子の問いに俺が不機嫌を隠さずに嫌味を言うとソレで察したのか反省したように言う。
「…とりあえずココらへんでいっか」
「完成された『魔法農法』ならば場所は問わないだろうな…」
町から少し歩いた場所にある平原地帯を見て俺が言うと王子は伸びきった草を見ながら呟く。
「範囲はどれくらいが良い?」
「そうだな…5ヘクタール分の穀物があれば余るほどに十分だと思う」
「500mって相当だな…まあいいか」
俺は魔導兵を60体召喚して雨を降らす部隊と土の柵を作る部隊、そして畑を耕す部隊に分けて魔法を詠唱させる。
「多分雨靴履いた方が良いよ。はい、傘」
「そうしよう。助かる」
魔法の力で空に雲がどんどん出来て集まってくるので俺は雨靴に履き替えながら王子にもう一つの雨靴と傘を差し出す。
「…しかし、こうも簡単に応用魔法が使える兵をどうやって集めたんだ?」
「そりゃ王子の部下に教わったからね。俺の兵は力が無い分頭が良いみたいだし」
「…ソレは答えになっていないと思うが…まあいい。コレだけ有能な兵を集める事が出来るのならば魔法農法を完成させたと言うのも頷ける」
土砂降りのように大量の雨が降り注ぐ中での王子の疑問に俺がそう返すも微妙な顔でツッコまれた後に納得された。
「…こりゃ20ヘクタール分ぐらいは雨降ったかな?」
5分経っても一向に勢いの弱まらない雨に俺はちょっと予想外だったのでポツリと呟く。
「雨が降らずに干ばつで苦しんでいる中での豪雨だ。領民からすれば恵みの雨だろうな」
「え?こっちしか降らせてないけど…町にも降らせた方が良かった?」
「天候の範囲の固定化まで成功しているのか!?まさに神の所業…出来るのならば、是非ともお願いしよう」
「はいよ」
王子の言葉に確認すると驚かれて頼まれたので俺は軽く返事して兵達に雨雲を動かすよう魔法を詠唱させた。
ーーーーーー
「……コレが我々の研究が行き着く先か…」
「いやー、便利だよね。魔法農法って」
5ヘクタール分の大量の小麦畑に同じ面積分の芋畑、そして10ヘクタール分の果樹園を見て王子が呟くので俺はその研究を褒める。
「…僅か一時間ほどでコレとはな…成功例を見ると俄然やる気が漲るものだ」
「今回は楽するために種芋とか挿し木を使ったから品質はまだ良い方だと思う…良かったね」
「…トルツ王国王位継承順第四位、イスマイル・シュタッツ・トルツより国民を代表し心より感謝申し上げます」
王子はやる気を出して喜んだかと思えばおもむろに地面に片膝を着くと頭を下げながら堅苦しくお礼を言い始めた。
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