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「とまあ…暗殺に至った経緯の説明はこんなものでいいか?」
「ああ。後は証拠となる物を見せてくれたら無罪放免を約束しよう」
「証拠か…いっぱいあるぞ。そら」
男の確認に王子が頷いて約束を取り付けると男はどこからか紙の束を取り出してテーブルの上へと置く。
「コレが契約書だ。ちゃんと印もサインもあるだろう?それからコレは英雄暗殺に関わる計画に賛同した貴族達の家名、コレは使者の投獄や証拠隠滅に賛同した貴族達。そして…」
男は王子に紙を差し出しながら内容を説明する。
「…凄いな。良くもこんなに調べられたものだ」
「これでも俺の本業は諜報だ。暗殺は特技みたいなものよ」
「…約束通り、この証拠をもって無罪放免としよう。 今までの罪については問わない…が、これからの新しい罪については別だ。分かったな?」
「ああ、それで良い」
あっちの国の悪事の証拠を手に入れた事で王子は男に無罪放免を言い渡した。
「…これで信用できただろう?」
「そーだな、ここまでやられちゃあな」
「俺も別にいいぜ。どうする?海」
「まあ女子達に迷惑かけたり危害を加えないんなら良いかな」
話が終わると男が確認してくるので柴田が了承すると藤原も同意するので俺は釘を刺すように条件を付ける。
「よし!これからよろしく頼むぞ!」
「おっと…その前に。一応形式上の落とし前はつけてもらうぜ?」
「…あー、なるほどね」
「…そういう事か」
男が嬉しそうに挨拶をすると藤原が思い出したように言い、俺と柴田は一瞬何言ってるか理解出来なかったが…少し考えると分かったので納得したように呟いた。
…翌日。
「うむ、美味い」
「良かったな。聖女の手料理なんてそうそう食べられるもんじゃねーぞ」
「もう、藤君そんなこと言わなくても良いって」
「でも海原の料理を食べたいから来たんでしょ?私達の料理じゃ足下にも及ばないと思うけど…」
朝食を食べて嬉しそうに褒める男に藤原が弄るように返すと深山が恥ずかしがるように言って住吉が何故か申し訳なさげに言う。
「そんな事は無いぞ。確かに海原殿の料理は感動するほどに美味いが、この料理も家庭的な安心するような味で素晴らしく美味い」
「ホント?」
「誓って嘘は無い」
「良かった」
「うん!」
「ホントだね」
男が否定して評価するように褒めると斉藤が確認すると男は断言するように言い、女子達は喜ぶ。
「まあもし『不味い』なんて抜かしてたら速攻で家から叩き出してたけどな」
「そりゃ海の料理と比べたら…だけどコレは口が裂けても不味いとは言えんわな」
『うむ。妾達が丹精込めて作った料理が不味かろうハズも無い』
俺の言葉に柴田と永江がメシを食べながら同意する。
「流石に普通に美味い料理を不味いって言える奴はいねーだろ。比べたとしてもせいぜいが『劣ってる』ぐらいだし」
「…褒めてくれるのは嬉しいんだけど、そろそろ恥ずかしいからやめて」
「うん」
「…そうだね」
俺らが男に釘を刺していると女子達に話を打ち切られてしまった。
「ああ。後は証拠となる物を見せてくれたら無罪放免を約束しよう」
「証拠か…いっぱいあるぞ。そら」
男の確認に王子が頷いて約束を取り付けると男はどこからか紙の束を取り出してテーブルの上へと置く。
「コレが契約書だ。ちゃんと印もサインもあるだろう?それからコレは英雄暗殺に関わる計画に賛同した貴族達の家名、コレは使者の投獄や証拠隠滅に賛同した貴族達。そして…」
男は王子に紙を差し出しながら内容を説明する。
「…凄いな。良くもこんなに調べられたものだ」
「これでも俺の本業は諜報だ。暗殺は特技みたいなものよ」
「…約束通り、この証拠をもって無罪放免としよう。 今までの罪については問わない…が、これからの新しい罪については別だ。分かったな?」
「ああ、それで良い」
あっちの国の悪事の証拠を手に入れた事で王子は男に無罪放免を言い渡した。
「…これで信用できただろう?」
「そーだな、ここまでやられちゃあな」
「俺も別にいいぜ。どうする?海」
「まあ女子達に迷惑かけたり危害を加えないんなら良いかな」
話が終わると男が確認してくるので柴田が了承すると藤原も同意するので俺は釘を刺すように条件を付ける。
「よし!これからよろしく頼むぞ!」
「おっと…その前に。一応形式上の落とし前はつけてもらうぜ?」
「…あー、なるほどね」
「…そういう事か」
男が嬉しそうに挨拶をすると藤原が思い出したように言い、俺と柴田は一瞬何言ってるか理解出来なかったが…少し考えると分かったので納得したように呟いた。
…翌日。
「うむ、美味い」
「良かったな。聖女の手料理なんてそうそう食べられるもんじゃねーぞ」
「もう、藤君そんなこと言わなくても良いって」
「でも海原の料理を食べたいから来たんでしょ?私達の料理じゃ足下にも及ばないと思うけど…」
朝食を食べて嬉しそうに褒める男に藤原が弄るように返すと深山が恥ずかしがるように言って住吉が何故か申し訳なさげに言う。
「そんな事は無いぞ。確かに海原殿の料理は感動するほどに美味いが、この料理も家庭的な安心するような味で素晴らしく美味い」
「ホント?」
「誓って嘘は無い」
「良かった」
「うん!」
「ホントだね」
男が否定して評価するように褒めると斉藤が確認すると男は断言するように言い、女子達は喜ぶ。
「まあもし『不味い』なんて抜かしてたら速攻で家から叩き出してたけどな」
「そりゃ海の料理と比べたら…だけどコレは口が裂けても不味いとは言えんわな」
『うむ。妾達が丹精込めて作った料理が不味かろうハズも無い』
俺の言葉に柴田と永江がメシを食べながら同意する。
「流石に普通に美味い料理を不味いって言える奴はいねーだろ。比べたとしてもせいぜいが『劣ってる』ぐらいだし」
「…褒めてくれるのは嬉しいんだけど、そろそろ恥ずかしいからやめて」
「うん」
「…そうだね」
俺らが男に釘を刺していると女子達に話を打ち切られてしまった。
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