クラスまるごと異世界転移

八神

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「…ん?佐藤からだ。もしもし?」


野郎三人でベルトスクロールのアクションゲームをやってると藤原のスマホに着信が。


「…俺は別にいいけどよ、海に聞かねーとな。…なんか王様達が視察したいから送って欲しいんだと」

「視察?どこに?」

「ドリードとか言う町だってよ」

「ドリードねぇ……オッケー」

「オッケーだと。…おう、マジで?オッケーオッケー」


藤原の確認にどこの町か思い出しながら了承すると少し話しをして電話を切った。


「移動拠点に着いたらワン切りするって。あと報酬は俺とお前で5000だと」

「5000…?おめーらのスキルは金策出来るから便利だな。俺のなんて日常生活じゃ何の役にも立たんのに…」

「じゃあ交換しよーぜ」
「ヤダ」


藤原がスマホを置いて報告すると柴田が羨ましいそうに言うので藤原はスキルのチェンジを申し出るも柴田は即答で拒否る。



…そんなこんな藤原と俺のスキルの連携で毎日のように王様御一行を色んな町や村に送ること三日。


佐藤から電話があってガライアの土地が用意出来たとのことで俺は深山を連れて王都へと向かった。


そして教会で貴族や王子、兵士に冒険者を含む傷病者達を深山のスキルで治してから城に向かう。


「お、兄ちゃんついにその嬢ちゃんと付き合う事になったのか?」

「違ぇよ。そういう挨拶に来たわけじゃねーし」

「あ、はは…」


いつもの通り裏庭から入るといつものごとく料理長が来ていつものような弄り方をしてくるので、俺がいつもと同じく適当にあしらうと深山は困ったように笑う。


「神と女神でお似合いだと思うけどな」

「そんなあだ名だか二つ名だかでお似合いって言われてもな…」

「…女神…?」


料理長の言葉に俺が呆れたように返すと深山は良く分かってないかのように呟いた。


「気にすんな。で?5体でいいの?」

「今回も10人欲しいな。そろそろラフィ・マクシール用のブドウが作れる頃だ」

「んじゃ10体ね」

「感謝するぜ!」


深山をごまかしてからの問いに料理長が前と同じ数の兵を要求するので俺は前と同じく、普通の兵5体と魔導兵5体の計10体を料理長に預けて佐藤の部屋へと向かう。


「おお、海原殿に深山殿ではないか」


城の廊下を歩いていると元暗殺者の男が前から歩いて来る。


「お、ココに居るって事は王子に報告?」

「ああ。ガライアやシュトッセンの事について少し、な」

「へー」

「近い内にソローへ行きたいのだが、送ってくれないか?」

「ソローってったらワウシャープの近くの国だっけ?覚えてたら藤にも聞いてみるよ」

「頼む」


男と少し話した後に手を振って別れ、再び佐藤の部屋へと向かった。
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