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「さっき聖域の旗ってのを買いに来たんだけど、とっくに売り切れてたって言われてね」
「…そういう事か。交渉のついでにこの書類を持って来た…と」
「そういう事。だからその旗を売ってくれない?」
「ふむ…確かに勢いで買ってはみたものの、俺には使い用も使い道も無い」
俺が用件を言うと王子は書類をテーブルの上に置いて考え始める。
「あの旗をウミハラ殿に譲る事には異論も問題も無いが…せっかくの機会だ。タダで、というワケにはいかんなぁ」
「ま、そうなるわな…じゃ、110万でどう?」
王子のニヤリと悪そうな笑顔での言葉に俺は定価の1割増しの値段を提示した。
「金の話では無い。実は是非ともウミハラ殿にお願いしたい事があるのだが…」
「お願い?」
「ウミハラ殿は『ラフィ・マクシール』というアイシェをご存知か?」
「あー、アレね」
「!やはりツテが!?どうにかして、手に入れる事は出来ないだろうか!?一度は飲んでみたいのだ!」
…なんか知らんが、コッチの王子もアッチの王子と同じくワインが欲しいらしい。
「この前ワウシャープで飲んだアイシェの銘柄を思い出すに、ドロウィンの王族とも繋がりがあるウミハラ殿にならツテがあると踏んでいたが…!頼む!モニクァに流すよう、なんとか便宜を図ってくれ!」
「そうしたら旗を売ってくれるワケね?」
「ああ!場合によっては値引きしてもいい!」
「マジで?」
「約束しよう!このヒルミィ、二言は無い!」
長々と喋る王子に確認すると予想外の提案をしてくるので再度確認したら王子は胸を張って宣言する。
「ちょうど良かったね。まだ残ってるよ」
「…は?」
俺が兵にクーラーボックスを持って来るよう指示をしながら言うと王子は間の抜けたような声を出す。
「ノンアルのヤツは残念ながら在庫切れ、欲しかったらまた後日って事で。んで、ソレが料金表」
「…料金表?…まさか…!その、中に…!?」
兵からクーラーボックスを受け取りながら説明し、兵に紙を渡させると…
王子は紙とクーラーボックスを交互に見て何かに思い至ったかのように驚く。
「一応『ド・ロゼリーシェ』も少しは残ってるよ。どうする?」
「……なんと…本物なのか?ソレが全部、この紙に書かれている銘柄だと…?」
「ごめん。さっき売ったから欠品もあるや」
俺の確認に王子が驚愕しながら疑うように呟くので、俺はさっきの事を思い出して一言断りを入れた。
「……と、とりあえず『ラフィ・マクシール』の白の20年物を」
「はいよ。他には?」
「…赤の20年物と、40年物。白の40年物も欲しいのだが…」
「おー、一本で200万はするのに結構いくねぇ」
アッチの王子と同じような豪快な大人買いに俺は円換算で計算しながら弄るように言う。
「…本当に、本物なのか?…ラベルを見る限り本物のようだが…いやしかし、俺様とて噂で聞く程度のもので本物は未だ見た事が無いからな…」
あまりに簡単に手に入るから疑わしいのか…王子は怪しむようにテーブルの上に置かれた瓶を手に取り、ラベルを見ながら呟いた。
「…そういう事か。交渉のついでにこの書類を持って来た…と」
「そういう事。だからその旗を売ってくれない?」
「ふむ…確かに勢いで買ってはみたものの、俺には使い用も使い道も無い」
俺が用件を言うと王子は書類をテーブルの上に置いて考え始める。
「あの旗をウミハラ殿に譲る事には異論も問題も無いが…せっかくの機会だ。タダで、というワケにはいかんなぁ」
「ま、そうなるわな…じゃ、110万でどう?」
王子のニヤリと悪そうな笑顔での言葉に俺は定価の1割増しの値段を提示した。
「金の話では無い。実は是非ともウミハラ殿にお願いしたい事があるのだが…」
「お願い?」
「ウミハラ殿は『ラフィ・マクシール』というアイシェをご存知か?」
「あー、アレね」
「!やはりツテが!?どうにかして、手に入れる事は出来ないだろうか!?一度は飲んでみたいのだ!」
…なんか知らんが、コッチの王子もアッチの王子と同じくワインが欲しいらしい。
「この前ワウシャープで飲んだアイシェの銘柄を思い出すに、ドロウィンの王族とも繋がりがあるウミハラ殿にならツテがあると踏んでいたが…!頼む!モニクァに流すよう、なんとか便宜を図ってくれ!」
「そうしたら旗を売ってくれるワケね?」
「ああ!場合によっては値引きしてもいい!」
「マジで?」
「約束しよう!このヒルミィ、二言は無い!」
長々と喋る王子に確認すると予想外の提案をしてくるので再度確認したら王子は胸を張って宣言する。
「ちょうど良かったね。まだ残ってるよ」
「…は?」
俺が兵にクーラーボックスを持って来るよう指示をしながら言うと王子は間の抜けたような声を出す。
「ノンアルのヤツは残念ながら在庫切れ、欲しかったらまた後日って事で。んで、ソレが料金表」
「…料金表?…まさか…!その、中に…!?」
兵からクーラーボックスを受け取りながら説明し、兵に紙を渡させると…
王子は紙とクーラーボックスを交互に見て何かに思い至ったかのように驚く。
「一応『ド・ロゼリーシェ』も少しは残ってるよ。どうする?」
「……なんと…本物なのか?ソレが全部、この紙に書かれている銘柄だと…?」
「ごめん。さっき売ったから欠品もあるや」
俺の確認に王子が驚愕しながら疑うように呟くので、俺はさっきの事を思い出して一言断りを入れた。
「……と、とりあえず『ラフィ・マクシール』の白の20年物を」
「はいよ。他には?」
「…赤の20年物と、40年物。白の40年物も欲しいのだが…」
「おー、一本で200万はするのに結構いくねぇ」
アッチの王子と同じような豪快な大人買いに俺は円換算で計算しながら弄るように言う。
「…本当に、本物なのか?…ラベルを見る限り本物のようだが…いやしかし、俺様とて噂で聞く程度のもので本物は未だ見た事が無いからな…」
あまりに簡単に手に入るから疑わしいのか…王子は怪しむようにテーブルの上に置かれた瓶を手に取り、ラベルを見ながら呟いた。
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