クラスまるごと異世界転移

八神

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…翌日。


ワインの補充をするために城へと向かって歩いているとスマホに着信が。


「もしもし?」

「お、海原か?」

「おう。なんだ?」

「今もまだ帝都に居るのか?」

「いや、今は王都だな。ドロウィンの」

「ドロウィン?」


駒込からの問いに俺が現在の居場所を教えると不思議そうに聞き返してくる。


「佐藤とか清水とかの女子達もこの国に居るぞ。灰村ともこの国で会ったしな」

「ほー、結構クラスの奴が集まってるんだな。…ならちょうど良いかもしれん」


俺が軽く説明すると駒込は意外そうに返すと少し考えたように言う。


「なんかあったのか?」

「俺今グナランとかいう村にいるんだが、そこで高木って女子と会ってな」

「高木?」

「ああ、なんか生活が大変らしい。お前らのとこでなんとか面倒みれないか?」


俺の問いに駒込は話の経緯を話すとお人好しのような事を言い確認してきた。


「俺は構わねーけど、柴達がなんて言うかだな」

「じゃあ電話してみるか。また後からかけ直す」

「オッケー。じゃ」


流石に居候とは言え同居人の許可が必要だ、って事を言うと駒込が確認してくれるらしいので俺は通話を切る。


「おや?ウミハラ殿。久しぶりですな」

「そうか?」

「ウミハラ殿、お疲れ様です」

「おう、お疲れー」

「お、兄ちゃん。久しぶりだな」


巡回の兵士達と話しながら裏庭を通って城の中へと入ると料理長が声をかけてきた。


「…言うほど久しぶりか?さっきそこの兵にも言われたけどよ」

「そりゃ毎日のように来てた頃と比べたら間隔が空いてるんだから『久しぶり』と言いたくもなるってもんだ」

「そんなもんかね」

「そんなもんだ」


料理長と適当に話しながら俺は厨房へと向かう。


「ところで何しに来たんだ?遊びにか?」

「まあそんなとこ。ワインを補充するついでに」

「そうか。そういやあの姉ちゃんが色々な果物を使って新しいアイシェを作る研究をしてるぞ。暇な時にでも見に行ったらどうだ?」

「へー、じゃあ今度見に行ってみるか」


料理長の問いに俺が用件を伝えるとあのお姉さんの近況を話してくるので次の機会にでも顔を出してみる事にした。


「んじゃ、ワインは貰ってくよ。人手は5体いれば良い?」

「ああ、いつも助かるぜ!ありがとな」

「おっと、電話だ」


俺が兵達を召喚して作業させ、残りの兵を料理長に預けるとスマホに着信が。
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