クラスまるごと異世界転移

八神

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…そこから日が沈むまではとりあえず歩いて野営をしての翌日。



「うーん…次に拠点に出来そうな所ってどこだ?」

「分からん。アッチみたいに平野で周りに魔獣が少ねートコが理想だけど…」

「地図が大陸の形と端の方の一部しか書かれてねーから役に立たねーしな」


兵達に片付けをさせていると柴田と藤原が地図を見ながら話し合うので…


俺も地図を見ながら既に俺らが越した山までしか地形が書かれてない事に言及する。


「そーいやあの森も地図に書かれて無かったな」

「そもそも何十年前の地図だろ?地形とかもはや当てにならなくね?」

「…だったらとりあえずあの拠点から見て北の方角に直進する方が良さげかもな」


藤原の発言に俺がそう返すと柴田は大陸の中心部に向かう事を提案した。


「って事はあっち側か?」

「斜めに向かってって大丈夫なのか?そのままあっちに行った方が良くね?」

「まあどこでも良いだろ。とりあえず拠点が作れそうならソレで良いし」

「ソレもそうか」

「だな」


藤原が北西の方を指差して聞いてくるので俺がまっすぐ北の方を指差すと、柴田は適当な目的を話すので俺と藤原は賛同して馬車に乗り込む。


「とりあえず山は当然として林とか森は馬車では無理かもしれんぞ」

「分かってるって」

「山も山道とか整備されてたら馬車でも行けるんだろうがなぁ…」


馬車を走らせてからの俺の説明に柴田が肯定して返すと藤原は考えるように呟く。



…そして平原地帯を旗を設置した馬車で北に進む事、3日後。



「…うへー、こっからは山岳地帯か。右も左も山ばっかだぜ」

「こっからは歩いて登山だな。迂回するって手もあるけど」

「迂回するとしたら右か左か…どっちかだな」

「そのまま山、登るか」


平原の先にある山岳地帯へと差し掛かったので俺らは馬車を降りて山を登る事に。


「…はー、靴がクッション仕様じゃなかったら脚、ぶっ壊れてんな」

「冒険者用の靴の技術力に感謝だな」

「つっても流石に長時間はキツイからな…山越えにどれぐらいかかるか…おっ!なんか果物発見」


昼食後の坂道を登っている最中に俺が疲れながら言うと柴田も賛同し、藤原は時間を予想しながら周りの森のような場所にある木を見ながら指を差す。


「マジだ!…さくらんぼか?」

「まあとりあえず採るか」

「よし!辺りを探せぇ!まだあるはずだ!」

「…隊長!アッチにあります!」

「隊長!アッチにも!」


俺が魔導兵を召喚すると藤原が変なテンションでボケて叫び、柴田が乗っかって報告すると何故か藤原も俺に報告してくる。


「うむ、ごくろう」

「アッチにも!」

「アッチにも!」

「うむ!」


…俺らは登山の疲れから出た変なテンションのまま暗い赤色をしたさくらんぼのような木の実を大量に採ってから先へと進んだ。
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