クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
365 / 556

365

しおりを挟む
「なんかあの大陸、ダンジョン扱いになってるらしく…ダンジョンマップが使えるんだと」

「…なるほど…魔獣がはびこっているのなら…確かに」

「まあ俺らがソレに気づいたのは新しく拠点を作った後だから、結局ココまで無理やり直進して行ったんだけど」


俺の報告に王子が納得したように呟くので俺は笑い話のように言う。


「…直進って…ああ、なるほど。だからあんなに魔鉱石を…」

「いやー、やっぱ登山って大変。整備されてねー山は出来るなら二度と登りたくないものだね」

「…と言う事は…ココを迂回して進む方が良い?」

「まあ遠回りになるけど『急がば回れ』って言うし、そのルートの方が安全だと思う」


俺が実体験の苦労話を軽くすると王子は西側の山を迂回するルートを見つけて聞くので肯定した。



…その後、『魔鉱石』改め『魔結晶』による炉や水槽の強化実験の確認が終わったので…


王子達や佐藤達と一緒にあの拠点へと戻る事に。


「…うーわ、アレから一週間ぐらいで二つ目の拠点って…」

「いや、アレから二週間ぐらいは経ってね?」

「いや、10日ぐらいでしょ。多分」


なぜかついて来た清水がテントの周りを見ながらヒき気味に呟くのを藤原が訂正すると、更に佐藤が訂正する。


「いやしかし凄いな…あの新大陸にこうも易々と拠点を築くとは…」

「完全に同意ですな」

「…しかも、新種の魔鉱石や魔結晶の発見まで…」

「なぬっ!?なんだそれは!」


ちょうど良いタイミングでアッチの家にやって来ていたモニクァの第二王子の呟きにドロウィンの第一王子が頷き、ワウシャープの第三王子の言葉に驚きながら反応した。


「新種と言えばコッフェやチョコの原料、レモン等も発見したとか」

「え?」

「なぬっ!ウミハラ殿!何故我々モニクァには何の報告もしてくれないのだ!」

「いや、だって鉱石とか食べ物とかならソッチに調査とか解析をお願いしてもしょうがないでしょ」

「ぐむっ…!確かに、鉱石ならば冶金技術に優れるワウシャープだが…!」


第一王子の報告に第三王子も驚き、第二王子が抗議してくるので理由を話すと納得いかなそうな様子を見せるも引き下がる。


「それにトルツの方も多分何も知らないと思うよ?」

「…後から、報告書を送って…ちゃんと情報は共有させる」

「魔鉱石は確かに有用だが、食材についてはどうだろうか…?一応報告書は作成させて情報の共有はするつもりだが…」

「それは有難い話だ。だが、この周回遅れ感はなんとももどかしい…!」


モニクァの第二王子は他の王子の発言を聞いて胸に手を当てて軽く頭を下げるように感謝の意を示すが、やはり納得いっていないような顔をした。


「そこは俺にはどうにも…あ。そういやほら、あの魔鉱石…魔結晶だっけ?の黄色いヤツをモーターに応用したらどうなんの?」

「…分からない、けど…予想では性能が桁違いに上がる…はず」

「なんだと!?我々の研究に活かせる物があるのか!?」


俺が急に閃いた考えを聞くと第三王子は首を振りながら予想を話して第二王子が食いつく。


「…と言うか、多分応用の幅はほぼ全ての分野にも及ぶ…かも」

「それは是非詳しく聞きたいところだ」

「じゃあ俺たちは佐藤と清水に壁を見せに行くからごゆっくり…」

「待て!俺も行く!」

「私も同行させてもらおう」

「話は、道中に…」


王子達の話が長引きそうだったので俺は先に女子達の案内を…と思ってたら、どうやらついてくる気らしいので馬車を二台に分ける事にした。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

二重異世界行ったり来たりの付与魔術師 ~不幸な過去を変えるため、伝説のダンジョンを攻略して神様の武芸試合で成り上がる~

けろ壱
ファンタジー
佐倉三月(さくらみづき、28歳男)は二重の異世界転移に巻き込まれる。 あるときは伝説のダンジョンを攻略する使命を背負った勇者として。 中世ファンタジー世界を舞台に、エルフの美女二人と深き迷宮の彼方を目指す。 あるときは落ちぶれた女神を救うため、神々の奉納試合を戦う戦士として。 和風な神の世界を舞台に、数多の神々との戦いを勝ち抜いて成り上がる。 授かったスキルはかなり特殊なチート付与魔法。 様々な能力を自分だけでなく、他の人や物に与えることができる。 やがて二つの異世界転移は、現実世界で恋人を失った過去に繋がっていると判明。 各異世界でのクリア条件を満たせば過去を変えられるらしい。 恋人を取り戻し、希望の未来を掴むため──。 和洋の異世界と現実世界を股に掛ける過去改変二重異世界物語。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...