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「なんでも下手したら戦争まで行くらしいぜ?この拠点作った時に王子達から断りを入れられたし」
まあそれでも『くれ』と言ったら貰えるだろうけど。と、俺は本当は黙っておいた方がいいんであろう裏話を軽い感じで話す。
「…確かに海原を抱き込めば英雄や聖女までセットで付いてくると考えたら…海原って金魚のフンとかおまけのようで何気に重要人物じゃない?」
「…佐藤おめーもうちょい本心隠した方が良いんじゃねーの?」
「そーそー、いくらなんでも少しはオブラートに包めよ」
「あ!いや、違っ…!私じゃないよ!?別に私は海原をそんな風には思ってないからね!?てか柴田とか藤原より世話になってんだからそんな風に思うハズないし!嫌味貴族達の発言だからね!今のは、あくまでも!」
佐藤の発言にみんな…清水でさえもドン引きしたような視線を向け、柴田と藤原が呆れたように注意すると佐藤は焦ったように言い訳し始める。
「まあ、おめーがそういう風に思ってようが俺は別に気にしねーから」
「違うって!ホントマジ!信じてよ!私は海原に感謝してるし!」
「はいはい」
「いや『はいはい』じゃなくて…!」
俺が弄ると佐藤は尚も焦ったように言い訳するので更に弄ると面白い反応をした。
…その後、何故か王子達がしばらくこの拠点に滞在するとか言い出し…
更に意味不明に佐藤と清水もココに滞在するとかで俺らに『泊めてくれ』と言い出す始末。
女子達がオッケーして柴田や藤原も『別に良いんじゃね?』って言うのでしょうがなく建設中の家に泊める事に。
「…うーむ…」
「お、どした?」
「珍しく考え事か?」
夕食後に俺がリビングで一人腕を組んで考えてると風呂上がりっぽい柴田と藤原がやって来た。
「珍しくは余計だ。…いや、なんか良い金策は無いものか…って」
「あー…ココのギルドってアレだもんな。BランクとかAランクしかねーから…」
「なんでもAランクより上のランクを作るかどうかの話も出てるらしいぜ」
俺の返答に柴田は『雑用』の仕事が無い事を指しながら微妙そうな顔で呟き、藤原はギルドで聞いたんであろう情報を話す。
「マジか。まあココに居るのはみんな段位持ちとかの上澄みで凄腕の冒険者達だからな…もはや俺みてーのが受けられる依頼は出てこないかもしれん」
「しかも深山の影響かドロウィンの周りにいた高段者達もコッチに向かってるとか」
「おー…深山様様だな。高段者達が来たら調査範囲とかめっちゃ広がりそうじゃね?」
俺が別の国に稼ぎに行くべきか…と考えながら言うと藤原は追加情報を話してソレを聞いた柴田が喜ぶ。
「まあ高段者達は良い装備で固めてっからな。低段者なんかとはガワも中身も質が全然違ぇーわ」
「あー…確かに。 …ん?そういや、海も剣とか鎧を作れんだよな?ソレ売ってみれば?」
「武器屋かよ。流石に無理だろ」
「分かんなくね?魔鉱石とか使って作れば、質はともかく珍しさで意外と売れんじゃねーの?」
「おー、確かに。なんなら別の鍛冶屋で仕立て直すっていう手もあるし、なにより冒険者達の質が上がれば俺らも楽になるぜ!」
一回やってみよう!と、藤原は柴田の提案にノリノリで楽観的に賛成し出す。
「前も同じ事聞いたぞ。…まあ一応検討しとくか、市場調査とかもしないといけねーし」
「海は心配性だな…んなの要らねーからとりあえず剣を作って置いときゃ売れるって」
「…そうか?」
「そーそー。さっき藤が言ったみたいに見た目が気にいらなかったら他の鍛冶屋とかで仕立て直すだろーし、防具に至ってはなんか知らんけどどんなサイズでも着ければジャストフィットする謎仕様があるからへーきだって」
「そうか?」
慎重になる俺とは対照的に現冒険者でそこらへんの事情に詳しいであろう藤原と柴田の謎の自信に後押しされ、俺はいけるかも…と思い始める。
「別に失敗しても損する事も失う物も何もねーんだから大丈夫だろ」
「それもそうか」
「最初は普通の細身の剣が良いと思うぜ」
「オッケー、サンキュー」
俺は二人掛かりで説得されてしまったので明日から早速準備に取り掛かる事にして、今日はゲームする事に。
まあそれでも『くれ』と言ったら貰えるだろうけど。と、俺は本当は黙っておいた方がいいんであろう裏話を軽い感じで話す。
「…確かに海原を抱き込めば英雄や聖女までセットで付いてくると考えたら…海原って金魚のフンとかおまけのようで何気に重要人物じゃない?」
「…佐藤おめーもうちょい本心隠した方が良いんじゃねーの?」
「そーそー、いくらなんでも少しはオブラートに包めよ」
「あ!いや、違っ…!私じゃないよ!?別に私は海原をそんな風には思ってないからね!?てか柴田とか藤原より世話になってんだからそんな風に思うハズないし!嫌味貴族達の発言だからね!今のは、あくまでも!」
佐藤の発言にみんな…清水でさえもドン引きしたような視線を向け、柴田と藤原が呆れたように注意すると佐藤は焦ったように言い訳し始める。
「まあ、おめーがそういう風に思ってようが俺は別に気にしねーから」
「違うって!ホントマジ!信じてよ!私は海原に感謝してるし!」
「はいはい」
「いや『はいはい』じゃなくて…!」
俺が弄ると佐藤は尚も焦ったように言い訳するので更に弄ると面白い反応をした。
…その後、何故か王子達がしばらくこの拠点に滞在するとか言い出し…
更に意味不明に佐藤と清水もココに滞在するとかで俺らに『泊めてくれ』と言い出す始末。
女子達がオッケーして柴田や藤原も『別に良いんじゃね?』って言うのでしょうがなく建設中の家に泊める事に。
「…うーむ…」
「お、どした?」
「珍しく考え事か?」
夕食後に俺がリビングで一人腕を組んで考えてると風呂上がりっぽい柴田と藤原がやって来た。
「珍しくは余計だ。…いや、なんか良い金策は無いものか…って」
「あー…ココのギルドってアレだもんな。BランクとかAランクしかねーから…」
「なんでもAランクより上のランクを作るかどうかの話も出てるらしいぜ」
俺の返答に柴田は『雑用』の仕事が無い事を指しながら微妙そうな顔で呟き、藤原はギルドで聞いたんであろう情報を話す。
「マジか。まあココに居るのはみんな段位持ちとかの上澄みで凄腕の冒険者達だからな…もはや俺みてーのが受けられる依頼は出てこないかもしれん」
「しかも深山の影響かドロウィンの周りにいた高段者達もコッチに向かってるとか」
「おー…深山様様だな。高段者達が来たら調査範囲とかめっちゃ広がりそうじゃね?」
俺が別の国に稼ぎに行くべきか…と考えながら言うと藤原は追加情報を話してソレを聞いた柴田が喜ぶ。
「まあ高段者達は良い装備で固めてっからな。低段者なんかとはガワも中身も質が全然違ぇーわ」
「あー…確かに。 …ん?そういや、海も剣とか鎧を作れんだよな?ソレ売ってみれば?」
「武器屋かよ。流石に無理だろ」
「分かんなくね?魔鉱石とか使って作れば、質はともかく珍しさで意外と売れんじゃねーの?」
「おー、確かに。なんなら別の鍛冶屋で仕立て直すっていう手もあるし、なにより冒険者達の質が上がれば俺らも楽になるぜ!」
一回やってみよう!と、藤原は柴田の提案にノリノリで楽観的に賛成し出す。
「前も同じ事聞いたぞ。…まあ一応検討しとくか、市場調査とかもしないといけねーし」
「海は心配性だな…んなの要らねーからとりあえず剣を作って置いときゃ売れるって」
「…そうか?」
「そーそー。さっき藤が言ったみたいに見た目が気にいらなかったら他の鍛冶屋とかで仕立て直すだろーし、防具に至ってはなんか知らんけどどんなサイズでも着ければジャストフィットする謎仕様があるからへーきだって」
「そうか?」
慎重になる俺とは対照的に現冒険者でそこらへんの事情に詳しいであろう藤原と柴田の謎の自信に後押しされ、俺はいけるかも…と思い始める。
「別に失敗しても損する事も失う物も何もねーんだから大丈夫だろ」
「それもそうか」
「最初は普通の細身の剣が良いと思うぜ」
「オッケー、サンキュー」
俺は二人掛かりで説得されてしまったので明日から早速準備に取り掛かる事にして、今日はゲームする事に。
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