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…それから2日後。
「…ん?もしもし?」
いつものように朝から野郎三人でゲームをしていると俺のスマホに沼内からの着信が。
「もしもし海原君?」
「おー珍しいなー。何の用だ?」
「助けて!」
「あ?なんかあったのか?」
「俺、もうダメかもしれない…」
沼内の急な救助要請に俺が詳細を尋ねるも時間が無いような感じで呟く。
「は?…今どこにいる?」
「今は…工房だけど…」
「とりあえず直ぐ行く」
「…何かあったのか?」
俺が場所を聞くといつもの場所に居るようなので駆けつける事を告げて電話を切ると、会話を聞いてた藤原が真剣な顔で聞いてきた。
「良く分からんけど沼内が助けを呼んでる」
「マジ?なんかあったのか?」
「とりあえず行ってみれば分かるだろ。海」
「おう」
俺らは手遅れになる前に…とスキルの連携でガライアの家へと移動して沼内の居るアトリエへと急いだ。
「いらっしゃいませー」
「沼内から電話が来たんだけど、何かあった?」
「デンワ?」
「連絡があったって事。とりあえず通るよ」
「あ、はい」
俺の問いに受付嬢のお姉さんは不思議そうな顔をするので言い直した後に半ば強引に工房の中へと入る。
「おーい沼内。大丈夫か?何があった?」
「…あ。アレ?海原君と…誰だっけ?」
アトリエの中で座っていた沼内に柴田が声をかけると振り向いた後に藤原と柴田の二人を見ると呑気な感じで名前を尋ねた。
「俺は藤原だ」
「俺は柴田…ってかなんかやべーんじゃねーのかよ?見た感じ全然ヤバそうに見えねーけど」
「あ!そうなんだよ!海原君助けてよ!」
藤原と柴田が自己紹介して聞くと沼内は何故か英雄の二人ではなく、俺に助けを求めてくる。
「なんで俺に?ってかマジで何があった?」
「新しく3DとかVRのゲーム機を作ってるんだけど全然上手く行かないんだ…やっぱり材料の問題かな?」
「『助けて』ってソッチ!?」
「ゲーム機の話かよ!いくらなんでも紛らわらし過ぎんだろ!」
俺の問いに全然緊急じゃない内容を話し始めた沼内に柴田と藤原がツッコむ。
「いや、別に俺は君達に『来て』なんて言ってないし。勝手に来たクセにそんな事言われても…」
「んだと?人がせっかく心配して来てやったってのに…」
「おい藤、落ち着け。俺の勘違いで早とちりだったって事で許せ」
沼内が嫌そうな顔で空気の読めない発言をかまし、藤原がイラついて食ってかかるので俺は慌てて仲裁に入る。
「チッ…海がそー言うんなら…」
「んで?3DとかVRってのは?」
「ヘッドセットで没入するタイプのゲームと、ホログラムを部屋中に投影して没入するタイプのゲームを開発してるんだけど…やっぱり材料の質が悪いと処理速度とかに影響が大きくてね」
藤原は俺の顔に免じて引き下がってくれたようなので詳細を聞くと…
どうやら沼内は俺らの世界の技術よりも遥か先で、想像の斜め上を行く夢のゲームを開発してるようだった。
「…ん?もしもし?」
いつものように朝から野郎三人でゲームをしていると俺のスマホに沼内からの着信が。
「もしもし海原君?」
「おー珍しいなー。何の用だ?」
「助けて!」
「あ?なんかあったのか?」
「俺、もうダメかもしれない…」
沼内の急な救助要請に俺が詳細を尋ねるも時間が無いような感じで呟く。
「は?…今どこにいる?」
「今は…工房だけど…」
「とりあえず直ぐ行く」
「…何かあったのか?」
俺が場所を聞くといつもの場所に居るようなので駆けつける事を告げて電話を切ると、会話を聞いてた藤原が真剣な顔で聞いてきた。
「良く分からんけど沼内が助けを呼んでる」
「マジ?なんかあったのか?」
「とりあえず行ってみれば分かるだろ。海」
「おう」
俺らは手遅れになる前に…とスキルの連携でガライアの家へと移動して沼内の居るアトリエへと急いだ。
「いらっしゃいませー」
「沼内から電話が来たんだけど、何かあった?」
「デンワ?」
「連絡があったって事。とりあえず通るよ」
「あ、はい」
俺の問いに受付嬢のお姉さんは不思議そうな顔をするので言い直した後に半ば強引に工房の中へと入る。
「おーい沼内。大丈夫か?何があった?」
「…あ。アレ?海原君と…誰だっけ?」
アトリエの中で座っていた沼内に柴田が声をかけると振り向いた後に藤原と柴田の二人を見ると呑気な感じで名前を尋ねた。
「俺は藤原だ」
「俺は柴田…ってかなんかやべーんじゃねーのかよ?見た感じ全然ヤバそうに見えねーけど」
「あ!そうなんだよ!海原君助けてよ!」
藤原と柴田が自己紹介して聞くと沼内は何故か英雄の二人ではなく、俺に助けを求めてくる。
「なんで俺に?ってかマジで何があった?」
「新しく3DとかVRのゲーム機を作ってるんだけど全然上手く行かないんだ…やっぱり材料の問題かな?」
「『助けて』ってソッチ!?」
「ゲーム機の話かよ!いくらなんでも紛らわらし過ぎんだろ!」
俺の問いに全然緊急じゃない内容を話し始めた沼内に柴田と藤原がツッコむ。
「いや、別に俺は君達に『来て』なんて言ってないし。勝手に来たクセにそんな事言われても…」
「んだと?人がせっかく心配して来てやったってのに…」
「おい藤、落ち着け。俺の勘違いで早とちりだったって事で許せ」
沼内が嫌そうな顔で空気の読めない発言をかまし、藤原がイラついて食ってかかるので俺は慌てて仲裁に入る。
「チッ…海がそー言うんなら…」
「んで?3DとかVRってのは?」
「ヘッドセットで没入するタイプのゲームと、ホログラムを部屋中に投影して没入するタイプのゲームを開発してるんだけど…やっぱり材料の質が悪いと処理速度とかに影響が大きくてね」
藤原は俺の顔に免じて引き下がってくれたようなので詳細を聞くと…
どうやら沼内は俺らの世界の技術よりも遥か先で、想像の斜め上を行く夢のゲームを開発してるようだった。
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