クラスまるごと異世界転移

402

…昼食後。


「…じゃあ俺はギルドに行くから」

「まあ死なない程度に頑張れ」

「ココの魔獣共は他んトコより強いから油断すんなよ」

「ははっ、忠告ありがとよ」


駒込が女子達と一緒に出て行こうとするので藤原と柴田が注意するように言うと駒込は笑って返して家から出て行く。


「…ん？お前も教会に？」

「いや、俺は別の用」


俺も防具を売るために一緒に出ると庭で駒込が不思議そうに聞いてくるので否定しながら返した。


「じゃ、俺はコッチだから」

「おう。またな」


門をくぐって敷地外に出て俺は右側を指差して言い、手を上げて挨拶する駒込や女子達と離れて別行動へ。


「おや、もう居たんだ」

「魔鉱石製の鎧が買えるとあって居てもたってもいられなくてな」


前まで武器を売ってた場所に行くと男が既に地面に座って待っていたので声をかけると立ち上がる。


「じゃあハイ、コレ」

「おお！助かる！…では金を…」


軽鎧の胴の部分だけのヤツを預かったヤツと二つ合わせて渡すと男は喜びながら受け取り代金の紙幣を渡してきた。


「はいはい……オッケー？オッケーだって。まいどあり」


俺が兵に代金を確認させると大丈夫だったらしいので男に伝えるとすぐさま足早に去って行く。


「…ん？…知らん番号…番号か？コレ…」


用は済んだので家に戻ろうとすると着信があったのでスマホを取り出すと画面上には数字ではなく、記号の羅列が表示されてるので俺は困惑しながら呟いた。


「…もしもーし」

「あ、繋がった。って事は成功だ」

「…誰だ？沼内か？」

「あ、ゴメン。名乗るの忘れてた…そう俺俺」


俺が好奇心から電話に出ると聞き覚えのある声が聞こえてくるので適当に思い当たる名前を尋ねると、謝った後に詐欺のような事を言い出してくる。


「なんか今番号おかしかったぞ。まあそれはさて置き、出来たのか？」

「いや、まだ。…品質の問題はクリアしてるんだけど、ちょっと色々あって…ゴメンだけどもう少しかかりそう」


俺は電話番号の事を指摘しつつ新型ゲームの進捗状況を聞くと沼内が気まずそうに否定して謝りながらそう報告してきた。


「まあ納期は決めてないんだからどんだけ時間かかっても納得のいく完璧な物を作ってくれ。時間に追われたからって半端な物を出されても困るし」

「そのつもりだけど、ありがとう」

「…で、じゃあなんで電話して来たんだ？」

「あ、今ちょっと気分転換に国から頼まれてた物…発明品を作ってて、テストしてみたかったんだけど…俺、海原君の番号しか知らないから」


沼内にフォローの言葉をかけた後に用件を聞くとよく分からない事を説明されてしまう。


「発明品？」

「おー、おかえり。早かったな」

「まあ注文された品を渡すだけだからそんなもんか」


俺が沼内に疑問を聞きながら家の中に入ると柴田と藤原がわざわざ玄関近くで出迎えてくれる。