クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
407 / 562

407

しおりを挟む
ーーーーー




「おーっす、どうだ?」

「ほらよ」

「おっ!ありがとよ!コレ、少ないけど頭金という事で」


一時間半ぐらいして戻って来た駒込に魔鉱石製の装備を見せると嬉しそうに受け取って金の入った袋を差し出した。


「…んじゃ、残りは14万8000だな」

「毎月一万でも一年以上か…まさかこの俺が借金生活とは…」


とりあえず金貨2000枚は受け取ったので残額を言うと駒込はガックリと肩を落としながら呟く。


「まあ利子は取らねーし無理な催促はしねーからあんま無茶すんなよ。死なねー程度にな」

「おう。ありがとよ…じゃあな」


一応俺がフォローすると駒込は笑って応えると手を上げて帰って行った。


「にしても…海、ホントに借用書も何も無しで大丈夫だったのか?」

「大丈夫だろ。アイツはそういう奴じゃねーし」

「でもやっぱ一筆書かせた方が良かったんじゃね?」

「お前らが居なかったらそーしただろーな。流石に証人が居る前でのツケだからそう簡単には踏み倒せねーって」

「…それもそうか」


現実的な心配をする柴田に俺が楽観的に返すと藤原も不安そうに聞いてくるので理由を話すと納得する。


「それに今回の遠征って結構規模大きめだから報酬もそれなりに高いだろうし」

「あー…まあもしかしたら金貨一万ぐらいはあるかもな」

「出来高とかチップで増える可能性もあるか…」

「アイツの活躍次第では一カ月で全部払い終えたりしてな」

「…ありえない事ではない…ってのがまた凄え」

「アイツならなんかやってくれそうだしな」


俺が笑いながら言うと柴田と藤原も笑って返す。



…そして翌日。



「…はぁぁ~…気が重い…」

「だ、大丈夫?」

「…これから一カ月の間斉藤さん達の美味しい手料理とか海原のご馳走が食べられなくなるのは辛いよ。めっちゃ辛い…それだけでもう泣きそう」


飯の時間だというのに朝から気が滅入るような深いため息を吐いて呟く佐藤に、深山が気を遣って聞くと…


佐藤は落ち込んだような死んだ目で飯を食べながら返す。 


「じゃあ行くの止めれば?」

「…それが出来るんならこうならないって……海原達が移動方法を考えてくれればこんな……」


俺の提案に佐藤はため息を吐いて否定した後にブツブツブツブツ聞き取れない声で呟き出した。


「とりあえず一週間ぐらいは日持ちするモンやるから元気出せよ」

「…海原のそういう所好き。逆にそういう所の塊だったらキュン死にするけど」

「…なんかもう壊れてねー?」

「ゲームし過ぎて夏休みの宿題が間に合わない時とか、大事なゲームを予約し忘れて売り切れた時とか…灯が精神的に追い詰められるとたまにああいう風に壊れるんだ…」


俺のフォローに佐藤は低い声で棒読みのように言い出すので藤原が心配したように聞くと清水が微妙な顔をしながら返す。


「…はぁ…なんとか一週間で着かないかな…」

「俺らは山を無理やり突っ切って10日ぐらいだったから、平地を急げば一週間で着くんじゃね?」

「ホント?じゃあ急げば…!」


またしてもため息を吐く佐藤に柴田が俺らの時と比較して予想を話すと佐藤の表情が変わる。


「一応ルートも決まってんだろ?じゃあ予想よりは早く着くかもな」

「俺らん時は四方八方何も分からず全くの手探り状態でとりあえず直進だったしな」

「…ご馳走さま!美味しかった!早く行って早く着く!」


俺も柴田に賛同すると藤原も賛同し、佐藤は急いで朝食を食べると食料の入った大きな袋を持って勢いよく家から出て行った。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

勇者パーティーの保父になりました

阿井雪
ファンタジー
保父として転生して子供たちの世話をすることになりましたが、その子供たちはSSRの勇者パーティーで 世話したり振り回されたり戦闘したり大変な日常のお話です

聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!

さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ 祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き! も……もう嫌だぁ! 半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける! 時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ! 大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。 色んなキャラ出しまくりぃ! カクヨムでも掲載チュッ ⚠︎この物語は全てフィクションです。 ⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!

私のスキルが、クエストってどういうこと?

地蔵
ファンタジー
スキルが全ての世界。 十歳になると、成人の儀を受けて、神から『スキル』を授かる。 スキルによって、今後の人生が決まる。 当然、素晴らしい『当たりスキル』もあれば『外れスキル』と呼ばれるものもある。 聞いた事の無いスキル『クエスト』を授かったリゼは、親からも見捨てられて一人で生きていく事に……。 少し人間不信気味の女の子が、スキルに振り回されながら生きて行く物語。 一話辺りは約三千文字前後にしております。 更新は、毎週日曜日の十六時予定です。 『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しております。

周りが英雄職なのに俺だけが無職の冒険者  ~ 化け物じみた強さを持つ幼馴染たちの裏で俺は最強になるらしい ~

咲良喜玖
ファンタジー
冒険者ルルロアの大冒険です 以前のものを少々作り直しました。 基本の話は同じですが、第三部から展開が違います。

最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~

渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。 彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。 剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。 アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。 転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった! 剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。 ※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。

転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜

みおな
ファンタジー
 私の名前は、瀬尾あかり。 37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。  そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。  今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。  それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。  そして、目覚めた時ー

どうやら俺は、魔王を倒した英雄の両親より強いらしい。~オリハルコンを斬ってくっつけたら試験無しで王立学園に入学、いろいろやらかすハメに

試運転中
ファンタジー
山を割るほどに剣を極めたおとん「ケン」と、ケガなど何でも治してしまうおかん「セイ」。 そんな二人に山で育てられた息子「ケイ」は、15歳の大人の仲間入りを機に、王都の学園へと入学する。 両親の素性すらも知らず、その血を受け継いだ自分が、どれほど常軌を逸しているかもわからず。 気心の知れた仲間と、困ったり楽しんだりする学園生活のはずが…… 主人公最強だけど、何かがおかしい!? ちょっぴり異色な異世界学園ファンタジー。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

処理中です...