クラスまるごと異世界転移

421

「正解。昨日みたいに軽くすれば荷物として運べるから、アッチで深山に生き返らせてもらう…って寸法よ」

「うわ…マジかよ…思った以上に非人道的じゃねーか」

「いや…海原もそうだが、柴田もよく考えついたな…」


俺の正解発表と説明を聞いて藤原はドン引きしたように言い、駒込も同じ反応をしながら柴田に振った。


「そりゃ少し考えれば分かる事だろ。普通に生きてて思いつくかどうかはさて置き、な」

「…いや、確かにすげー効率的ですげー合理的だけど…悪魔の発想過ぎてやべーわ…」

「だから俺もためらったんだよ。流石に方法としてはあるけど実行する事はねーだろうしな」

「…いくら後から生き返るとはいえ、誰だって人殺しにはなりたくないからな…」


柴田が反論すると藤原は呆れたように呟くので俺もソレに反論すると駒込がなんとも言えない顔で呟く。





ーーーーーー






「…くっ…！」

「おっ！」

「入った！マジかー！」

「今の入るのかよ！？」

「ラッキー。…ん？」


庭で2on2をしてるとドロウィンの王都近くの家に来客が。


「…おっと。どうやら客が来たな」

「客？誰も来てないように見えるが…」

「お前らはそのまま遊んでてもいいぜ。藤、頼む」

「おう」


珍しく料理長が来てるので俺は柴田と駒込にそう言って藤原にお願いし、スキルの連携で移動する。


「珍しいな。料理長がココに来るなんて」

「おお、兄ちゃん！外に居たのか」

「とりあえず風呂入って来るからちょっと待っといて」

「分かった」


多分城に移動する事になりそうなので…俺は先に風呂に入ってから用件を聞く事にした。




「…んで？何の用？」

「今この国に大公ってのが来ててな。王妃に『晩餐会に新大陸の物を出せないか』と頼まれたからこうして兄ちゃんに頼みに来たわけだ」

「…『大公』ってなんだ？」

「公国のトップだ。まあ分かりやすく言うなら貴族の統治者みたいなものだな」


風呂から戻っての俺の問いに料理長が用件を告げるので疑問を聞いたらザックリと教えてくれる。


「へー、まあ構わないけど…どれくらい欲しいの？」

「そうだな…5人前作れれば十分だ」

「その程度なら前あげた量でも足りるんじゃね？」

「…確かに足りるが…アレは開発用に使いたい」

「あー…まあ新しい料理が増えた方がありがたいしな。オッケー、分かった」


俺は理由を聞いて納得したので料理長の頼みを聞くついでに一緒に城に戻って新メニューを教わる事にした。



…そして昼食時。



「うまっ！！なんだコレ超うめー！」

「今日はなんか初めて見るヤツが多いな…うまっ」

「さっき料理長に教えてもらった。ちなみに公国のトップをもてなすための晩餐会に出すつもりらしい」

「へー！なんかすっごい贅沢なランチだね」


駒込が兵の作った飯を食べて驚くと藤原は意外そうに言いながら駒込に同意するので、俺が理由を話すと斉藤が喜びながら言う。


「肉に果物のソースって合わなそうでめっちゃ合うな」

「うん。果物の酸味と甘みが肉の味を引き上げてる感じがする」

「まあ普通の果物じゃなくてコッチで採ったヤツを使ってるからな、そりゃ美味いに決まってるわ」

「上等な材料に一流の技術か…店で食ったら高そー」

「このレベルだと一品で一万ぐらいいきそうだな」


柴田と住吉の感想に俺が材料の違いを話すと藤原が冗談を言い、駒込は真面目に予想し始める。