クラスまるごと異世界転移

八神

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「ま、とりあえずこの家は安全だからほとぼりが冷めるまでは外に出ない方がいいんじゃない?」

「…そう言えば…なぜココだけ襲撃が?」

「俺らが返り討ちにしまくってたらなんか近づかなくなった」

「…流石は噂に名高い英雄だ」


俺が話題を変えるように言うと青年は不思議そうに周りを見て藤原の適当な嘘を信じて感心する。


「あと多分抜け殻がある博物館も安全だろうな。リッチに復活されたら三つ巴になるし」

「…あの博物館か…情報提供感謝する。俺は行かなければ…」

「頑張ってね」


柴田の発言に青年は思い出したように呟いてお礼を言うと出て行こうとするので俺は適当に応援の言葉をかけた。


「…アイツもう戻って来ないだろうな」

「さあな。運が良ければ生き残れんだろ」

「博物館か外に逃げる事が出来ればワンチャン生き残れるか」

「でも戦争がトップの独断専行って意外だったな」

「な。ソレに従う方は頭が痛いだろーよ」

「…ん?」


俺らがゲームをしながら雑談してると佐藤からの着信が。


「もしもし?」

「あ!海原?なんか帝国の軍が接触する直前に慌てて撤退したんだって!」

「マジ?」

「なんて?」

「佐藤ん所に攻めてた奴らが戦う前に撤退したんだと」

「マジで?情報届くの早くね?」

「まだ永江が暴れて二時間ぐらいしか経ってねーだろ?」


佐藤からの報告を伝えると藤原と柴田も俺と同じく驚いた反応を見せる。


「だからもう永江さん達と帰って来てもいいかも」

「あー…永江次第だな。多分アイツ最後の一人まで徹底的にやるつもりだろうけど」

「…まあソコは私はなんとも言えないからなぁ…とりあえず危機は去ったって言っといて」

「はいはい…なんか危機は去ったんだと」


俺は電話を切って佐藤から言われた事を伝えた。


「…それもギルドの連絡網か?」

「じゃね?リッチが復活した時も一時間ぐらいで俺らの居た国まで救援要請が届いてた感じだったから多分あらかじめ用意してんだろーな」

「とりあえず永江に報告させに行かすか…アイツの事だから多分やめねーと思うけど」


藤原と柴田が話し合う中、俺は兵を5体召喚して永江の所へと報告に向かわせる。


「…あー…アイツやっぱ止めるつもりねーわ」

「だろうな」

「なんでも『二度とあるか分からない千載一遇の好機をみすみす手放すような愚かな事はしない』とか言ってっぜ?」

「…確かにそう言われると気持ちは分からんでもないが…」

「服従の首輪を付けてる以上自分勝手に暴れる事ができねーしな」


俺の兵が永江を探し出して伝えた結果を話すと柴田と藤原は微妙な顔で返した。


「ま、とりあえず今日中には終わるだろうし」

「どーせ深山が動くのは明日からだしな。約束さえ守ってんのなら好きにさせときゃいいんじゃね?」

「だな」


俺らは面倒なので永江の行動を強制する事もなくゲームを続ける事に。
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