クラスまるごと異世界転移

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「あ。帰ってきた…どうだった？」

「何が？」

「皇帝の様子とか」

「あー…知らん。後始末とかは全部アッチに投げて来たし」


佐藤の問いに俺が聞き返すとその後の詳細を尋ねてくるが俺には関係ないし興味も無かったので全くその話題に触れなかった事をそのまま伝える。


「ええ…せっかくのチャンスなのに…勿体な…」

「チャンスも何も元の世界に戻ったら意味無くね？」

「それは…そうだけど…」


ヒいたように呟く佐藤に俺がそう返すと微妙な反応で呟いた。


「あ。そういやさっき『レベルアップ』とか聞こえたんだけど…アレなに？」

「レベルアップ？」

「…どんくらい上がった？」

「スキルレベルが5になった…って。麗も同じ事があったって電話来てたけど」


佐藤が思い出したように疑問を聞くので俺が聞き返すと柴田が確認し、佐藤は清水も話題に挙げて話す。


「ん？って事は斉藤達もだよな？」

「みたい。なんでも斉藤さん達は慣れた様子で『久しぶりだね』って笑って流してたって」

「…全員？しかもなんかいつもと違うくね？」


藤原の問いに佐藤が肯定するので俺は不思議に思いながら柴田に振った。


「…うーん…分からんな……パーティ扱いなら清水と佐藤だけ上がるハズだし…」

「もしかしてゲスト扱いか？ゲスト含めて経験値が等分されるとか？」

「あー…『ゲスト』…聞いた事ねーけど可能性的には全然あるな」


柴田が考え込むように呟くと藤原が閃いたんであろう予想を話して柴田はその意見に賛同する。


「でもおかしくね？戦闘に一切参加してねー奴でもゲスト扱いで経験値貰えるとかどういう仕様よ？」

「分からん。今唯一分かるのは俺らが思う以上にそこらへんの仕様がガバガバでめちゃくちゃだ、って事ぐらいだな」


流石に納得がいかないので俺が愚痴るように聞くも柴田は投げやりになって返す。


「…つまり私と麗のレベルが上がったのは藤原達のゲスト扱いで経験値が貰えたから…ってこと？」

「多分な」

「もしかしたら違うかもしれんけど」


佐藤の確認に柴田と藤原は微妙な顔をしながら曖昧に答えた。


「えー、じゃあ今の状態で藤原達がガンガン敵を倒しに行ったら私達は何もしなくてもレベルが上がるって事？」

「多分な」

「もしかしたら今回の一回限りかもしれんけど」


佐藤が閃いたように確認すると柴田と藤原は適当に返す。


「じゃあ冒険者って寄生プレイとか、普通のゲーム以上にエグくない？どんなに弱い冒険者でも強い人のパーティに入れば居るだけでレベルが上がるんでしょ？」

「…どーだかな。多分ソレだとその分経験値も分散されっから…だからみんな基本的に4人以内でパーティ組んでんじゃねーの？」

「正直戦いに役立たん奴をメンバーに入れてるトコってあんのか？俺は聞いた事ねーぞ」

「俺も」

「…そうなの？」


現実的な問題を聞いてくる佐藤に藤原と柴田が否定的に返すと意外そうに聞き返す。


「流石に雑用雑務要員とかでもある程度戦えねーとパーティには入れねーだろ」

「ダンジョン内とか戦闘中に足引っ張る奴とかいたらガチで死活問題だしな」

「…そーなんだ…」


藤原と柴田が腕を組んで考え込むような難しい顔をしながら冒険者事情を話すと佐藤は『思ってたのと違う』と言いたげな顔で呟いた。