クラスまるごと異世界転移

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「…奥行きヤバくね？」

「村の遠くの景色まで見えるとか臨場感ぱねえ…鳥とかマジでコッチに来そうだし」

「…いてっ！」

「おいおい、いくらリアルでも実際は部屋の中なんだからあまり歩き回るなよ」

「いってー…部屋の中だっつー事を忘れてわ…」


マイルームから出ると村のホログラムのキャラや景色を見ながら歩いていた藤原が壁にぶつかったらしく、額を押さえるので俺が注意すると額を摩りながら呟く。


「…わお」

「おい」

「…こんなところまで作り込んでんのか…3Dのモデリングの応用かなんかか？」


柴田が女キャラのスカートの中を覗くようにしゃがむので俺がツッコむも藤原も別のキャラに同じ事をして若干ヒき気味に呟いた。


「とりあえずクエスト行くぞ」

「おう」

「…ってかよく見ると太刀長くね？俺らが使うのでも片手剣ぐらいなのに、こんな槍みたいな長さの剣とか重すぎて振り回せんだろ。普通」


小型のモンスター討伐のクエストを受けて狩場に移動すると少しの暗転の後にベースキャンプの景色に切り替り…


藤原が操作キャラが背負ってる武器を見ながら言う。


「確かにな」

「「うおっ！」」


俺は藤原に賛同しながら操作キャラに攻撃モーションで武器を構えさせると何故か二人とも驚いた。


「「「あぶねっ！！」」」


そしてキャラが武器を振り回す攻撃をすると…


俺らはホログラムだから意味ないというのにとっさにしゃがむように伏せて回避する。


「おい海。いきなりビビらすんじゃねーよ、咄嗟に避けちまったじゃ…うおっ！」

「どした？」


地面に伏せたままクレームを言う柴田が急に驚いて立ち上がるので俺も立ち上がりながら聞く。


「いや、目の前にでけー虫がいた…と思ったけどコレ、ホログラムなんだよな…」

「海、もう一回攻撃モーション見せて」

「あいよ」


柴田の発言をスルーしながら藤原が頼むので今度は弱攻撃から始めた。


「…へー…こう見るとキャラの動きすげーな。テレビとか携帯ゲーム機の画面では全然気付かんかったけど」

「な。ちゃんと全身の力を使って武器を振ってるんだな」


藤原と柴田はキャラの動きを見ながら意外そうに話す。


「ってか切り払いとか振り回しとかやべーな。体幹えぐっ」

「…よく考えたら、こんなでけー武器が作られてるって事は一般のハンターとかもコレを扱えるって事だよな？」

「…そういや…そうだな…」

「この世界のオリンピックとか絶対ヤバいわ」


藤原の思いつきに俺が賛同すると柴田が断言する。


「…でかっ！小型モンスターでコレかよ！」

「こんな恐竜が襲いかかって来たらたまったもんじゃねーな！」

「この世界の魔獣とはまた違う感じだな」

「うおっ！？」


ベースキャンプを出ると柴田と藤原はそこらにいる雑魚モンスターに近づいて驚くので俺が冷静に違いを比べていると…


棒立ちのキャラに猪がぶつかって来てキャラが盛大に吹っ飛ばされた。