クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
531 / 556

531

しおりを挟む
「まあとりあえず明日の夢見の巫女とやらの返事待ちだな」

「コレで神が日和って『やっぱ無しで』とか言い出したらウケるな」

「いやまあウケるけど…元々俺らは最初に出した条件をクリアしたんだから追加で出されても困らね?」

「確かに。じゃあ最初から言っとけよ、ってなるからな」

「まあ『報連相下手くそか!』ってなるわな」


俺が纏めるように言うと藤原が笑いながら返すも柴田が納得いかなそうに言い、駒込と石井が同意する。


「じゃあ解散って事で」

「じゃあな」

「良かったね、アミ。なんとかなりそうだって」

『うむ。海殿や柴殿、藤殿との戦いを避けられたのは大変ありがたい。もしまた戦うとなると…』


俺の合図で井上がスキルを使ったのか姿が消え、駒込や石井達も出て行くと住吉が安心したように言い…


永江は深く頷いた後にトラウマでも思い出すかのように軽く震える自分の手を見ながら呟いた。



…翌日。



「起きろ」

「んー?」

「早く起きろ」

「…まだ寝かせろよ…ん…?」


多分まだ夜中の内から起こされるので寝返りをうつように拒否ると俺は異変に気づく。


「んん!?」


ベッドの上で寝ていたハズが気づければ真っ白な床の上に居て、俺はその固さに驚いて飛び起きた。


「ようやく起きたか。我を前にしてなんと図太い奴だ」

「…誰…?」


目の前で全く知らん初対面の真っ白の服を着た男が呆れたように言うので俺はまず正体を尋ねる。


「我はこの世界の神だ」

「神ぃ?…で、その神様が俺に何の用だよ?」


男の胡散臭い自己紹介に俺は疑いながら『これは夢か…?』と思いながら聞く。


「身に覚えが無いと言うか?神に仇なそうする愚かな反逆者よ」

「あー、なるほどね。はははっ、マジか?いや、マジで?これはウケるわー」

「…何がおかしい?」


神と名乗った男の威圧的な態度に俺は昨日の思い当たる節を思い出して笑うと男は不快そうな顔をして問う。


「わざわざ俺を呼び出して?いや、夢の中に出て…か?まあいいや、とりあえずわざわざ神自ら直接警告やら注意をするって事は危機感を感じてんだろ?つまり実際に神の所へは行けるし倒せるし脅せる、ってのをわざわざ教えに来てくれたようなもんだぜ?」


アホな行動が完全に裏目に出てんじゃん。と、俺は男をバカにして笑いながら理由を話す。


「き、貴様…!この状況でよくも…!」

「その反応で更にダメ押しだな。なにが神だ、ただの考えの足りねーアホじゃねーか」

「ぐっ…!」


男は怒ったような反応をするので俺が煽るように呆れながら更に墓穴を掘った事を指摘すると悔しそうに唸った。


「とりあえず素直に俺らを元の世界に返せ。じゃねーと灰村とかにボコられんぞ」

「貴様…!今の状況を分かってるのか!貴様一人で何が出来る!」

「…なるほど。その足りない頭でよく考えたな。俺一人ならどうとでもなると思ったか?」


俺が優しさで警告するも男はこの現状に対して得意げに言うので俺は意外に思いながら返してそう確認した。


「ふっ、知っているぞ。貴様らが一人では何も出来ない事を!」

「ほー、俺らは神に警戒されて対策を立てられるレベルにまでなってるって事か…だが残念。時期を間違えたな」


駒込に会う前ならコレでも封殺出来ただろうに…と、俺は男を馬鹿にしたように言いながらスキルを使って兵を召喚する。


「ははは!そんな蟻がごとき雑魚が何体居ようと物の数ではないわ!」

「前までは…な」


調子に乗ったように笑う男に俺もニヤリと笑って兵に死大帝と亡霊王の装備を着けさせた。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

二重異世界行ったり来たりの付与魔術師 ~不幸な過去を変えるため、伝説のダンジョンを攻略して神様の武芸試合で成り上がる~

けろ壱
ファンタジー
佐倉三月(さくらみづき、28歳男)は二重の異世界転移に巻き込まれる。 あるときは伝説のダンジョンを攻略する使命を背負った勇者として。 中世ファンタジー世界を舞台に、エルフの美女二人と深き迷宮の彼方を目指す。 あるときは落ちぶれた女神を救うため、神々の奉納試合を戦う戦士として。 和風な神の世界を舞台に、数多の神々との戦いを勝ち抜いて成り上がる。 授かったスキルはかなり特殊なチート付与魔法。 様々な能力を自分だけでなく、他の人や物に与えることができる。 やがて二つの異世界転移は、現実世界で恋人を失った過去に繋がっていると判明。 各異世界でのクリア条件を満たせば過去を変えられるらしい。 恋人を取り戻し、希望の未来を掴むため──。 和洋の異世界と現実世界を股に掛ける過去改変二重異世界物語。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

処理中です...