商人でいこう!

八神

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ーーーーーー



本を読んでたら他の席がいっぱい空いてるのにわざわざ隣に座って来る人が。


「…情報屋が来ているぞ」

「…え、嘘…もうそんな時間?」


誰かと思って確認すると用心棒のおじさんだった。


どうやら迎えに来てくれたらしい。


「…ちょっと待って…」


俺は早歩きで本を棚に返して外で待っていたおじさんと合流。


何故か馬に乗って来ていたので後ろに乗せてもらって帰宅する。


「おや、お早いお帰りでしたね」

「…待たせてゴメン」

「いえいえ、私達が勝手に早く来ただけなので」


メイドが応接室に待たせてる…と言う事なので急いで向かうと情報屋の男の隣に若い感じの女性が二人、メイド服を着て立っていた。


「…事前に聞いていたとはいえ、信じられない…本当にこんな少年がこの豪邸とあの奴隷達の所有者なの?となりのおじ様じゃなくて?」

「まあ、人は見た目に寄らないというけど…」


俺を見るや否や二人とも疑うような感じで男に尋ねる。


「おやおや、まだ契約書にサインしてないとはいえ…口の利き方には気をつけなさんな」

「…そうですね、気をつけます。ご主人、今日からよろしくお願いします」

「私は雇用の条件さえ守ってもらえれば最大限の仕事を約束します」


情報屋の男がたしなめるような事を言うと二人とも俺に頭を下げた。


「…よろしく」


とりあえず俺も挨拶をしてテーブルの上に置かれた書類にサインして拇印を押す。


「では、契約成立で…一枚は仲介の私、一枚は雇用主であるお兄さんに、最後の一枚は労働者へ」


情報屋の男は紙を確認するとそれぞれに渡していく。


「前回と同じく、雇用契約が解除された場合にはこの書類等は破棄しますのであしからず…」

「…ありがとう」

「いえいえ、ではまだ依頼の途中なので…私はコレで失礼します」

「…よろしく」


一応玄関まで見送って軽く手を振って男が歩いて行った後にドアを閉める。


「…ご主人、仕事内容の事ですが…」

「…あ、えーっと…」

「先に入ったメイドを紹介したらどうだ?」

「それ。ちょっと呼んでくる…」


新人メイドに業務内容を聞かれ、困ってると用心棒のおじさんが助け船を出してくれた。


「…あ、ちょっと…」

「はい?なんでしょう」


廊下を掃除していたメイドを呼ぶと作業を止めて近寄ってくる。


「新しい人が二人…今日から入ったから、任せても良い?」

「…え?わ、私なんかが教えることなんて…!」

「…あと…給料も、2500に上げたから」

「…え!?に、2500ゼベルも…!!?」


先に入ったこのメイドにあの二人を押し付けるついでに給料を上げた事を告げるとダブルの驚きからか固まった。


「ちょっと、ちゃんと掃除しないとダメじゃない」

「…あ、メイド、増やしたから」


奴隷の中でもリーダー的存在の少女がメイドに話しかけたので、俺はちょうどいい…と人材の補充を伝える。


「そう、良かったわ。これで下の子達が少しは楽になるもの」

「…だから、無理して掃除とかしなくても…」

「…私達は奴隷よ?無理なんてしてないわ。それに…強制されなくとも家事ぐらいは自分で出来ないとダメ人間になるでしょ?」

「…無理してないなら、好きにするといいよ」


少女はかなりしっかりした考えを持っていて俺にグサッと刺さった。


…なので多分放任しても大丈夫だろうと思って各自に任せる事に。
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