商人でいこう!

八神

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…魔物のサイズを測って、ハーネスの注文や工務店での小屋の依頼を済ませた翌日。


いつものように朝早く起きて、やる事もなく庭に出ると…


用心棒のおじさんと奴隷の少女が二人並んで剣の素振りをしている。


「…珍しいね」

「…そうか?俺はこの家に泊まっている時は毎回しているが…」

「私も毎朝の日課でしてよ」


俺が話しかけると二人は素振りを続けたまま返す。


「…ふう、俺は先に戻るか…」

「…私はもう少し…」


用心棒のおじさんが先に素振りを終えて家の中に戻るが少女はまだ続ける気らしい。


「…ふぅ…一人きりではあまり門の方に近づかない方がよろしくてよ」


普段見る機会が無いので庭を見て回ってると素振りを終えた少女に後ろから注意された。


「…危ないかな?」

「まあ、何が潜んでいるか分かりませんから」


暗殺者がいないとも限りませんし…と、何やら怖い事を言い出し始める。


「では、私はこれから走り込みがありますので…」


一緒に家の中に戻ると少女は直ぐに外に出て行ってしまった。


…いやー、あの歳で毎日あんなことしてるなんて偉いな、プロスポーツ選手にでもなるつもりか?


あ、この世界じゃスポーツ選手とかは居ないのかな?


特注品が完成する昼過ぎまで特にやる事もないので、せっかくの休日を満喫…しようにもやる事がない。


何か暇潰しになる事はないか…と俺も外に出て今度は建物の近くをうろうろしてたら、少女が戻って来た。


「…お疲れ、偉いね」

「…偉くなんて…私にはやるべき事があるだけです」


少女に労いの言葉をかけるも特に大した反応は見せずに家の中に入って行く。


俺も家の中に入ろうか悩んだが…やる事がないから外に出ている事を思い出して飯が出来るまで庭をうろうろする。


「おはようございます!えーと…あの馬小屋の隣でいいんですよね?」


朝食後、工務店の社長と業者が来訪してきたので小屋を作る場所をメイド達と一緒に確認した。


「…では、早速作業に取り掛からせてもらいます!」


完成した小屋の設計図を見ながら大きさを確認したあと、荷物を乗せた馬車が到着して作業がスタートする。


今回頼んだのは雨風を凌ぐための小屋なので半日あれば作れるらしい。


… なんでも木の板をはめ込み方式で組むから早く終わるとか。


一応強風対策に鉄の棒を6本ほど壁の板から地面に通す最低限の基礎工事がうんぬん…とか言ってたけど、工事の方法なんて言われても素人が分かるわけがない。


ちょっと高くなるけど強度は上がります…なんて言われたら、お願いします。ってしか返せないよ。


…特にやる事もないまま、午前中が過ぎて昼飯を食べる。


そして注文したハーネスを受け取りに街中へと移動した。


「…そういや魔物って何食べるの?」

「食べられる物ならなんでも食べるらしいぞ」


特注品のハーネスを受け取っての帰り道、ふと気になったのでおじさんに聞いてみると予想通りの答えが。


「…本当かは知らないが、テイムスキルの効果で食事の回数が減る…と聞いた事はあるが…」

「どれくらいの効果なんだろ…」


思い出したように呟いたおじさんに俺も、そういや本にそんなのが書いてあったな…と思いながら返した。
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