商人でいこう!

八神

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…更に二往復して、全ての村に食料を運び終わる頃には辺りも暗くなってそろそろ夕飯の時間へとさしかかっていた。


「…ただいま」

「お帰りなさいませ…新しい子供達が増える、とお聞きしましたが…」

「ああ、うん……何名だっけ?」

「今のところ5名ね」


帰宅するとメイドが玄関で出迎えてくれて、情報屋を介して伝えた情報を確認してくるのでお姉さんに話を振った。


「…今のところ…?」

「…なんか頭の良い子供はココで教えるつもりなんだって」

「ああ、なるほど」


お姉さんの言葉に疑問を感じたのかメイドが首を傾げるので俺が説明すると納得したように呟く。


「…うーん…面倒だからと村のアレコレはあの女の子に丸投げしたけど…大丈夫かな?」

「どうせ実務は部下がやるんだから平気よ」

「…連絡役として情報屋も派遣されているみたいだから何かあれば直ぐに連絡が来るハズだ」


夕飯前になって今日の行動を振り返り…少し心配になって聞いてみるとお姉さんもおじさんも心配無いと返してくれた。


「…ただの情報屋が連絡役扱いで月5000ゼベルの高待遇を受ける、なんて時代も変わって来たものねぇ…」


私の時代なんて…と、お姉さんはまるで昭和のおっさんが自分の苦労話を語るかのような言い方をして遠い目をする。


「…馬を走らせるよりも魔法の方が早いからな。しかし…あの情報屋の男は一体何を目論んでいるのか…」

「…さあ?この前の国際的な組織の立ち上げに絡んだ事じゃない?」


おじさんもお姉さんも未だにあの情報屋の男を信用してないような感じで言う。


「…国際的な組織の立ち上げ?なにそれ?」

「君があのドラグーンを倒したでしょ?詳しく言っても分からないと思うから省くけど…それを利用して組織を立ち上げたの」

「へー」

「世界中の情報屋を参加させるって目的みたいだけど…傘下に加えるの間違いじゃないの?世界中の情報を独占しようとしてるとしか思えない」


お姉さんは俺の知らない事を一体どこまで知っているのか…


あの情報屋の男をまるで胡散臭いペテン師扱いするような事を言い出した。


「…うーん…そんなに悪く言わなくても…」

「悪く言ったつもりは無いんだけど?率直な感想、情報を基にしたイメージよ」


俺としては何度もお世話になってるから悪口を言われるのはあまり気持ちいいものでもない。




…それから翌日。


食料の相場が安い国に行って大量に買い占めてから隣国の奴隷達が居る村へと分配した。


「…あ。これは…」

「…どうした?」


まさかの食料を確保するだけで午前中が潰れる、という事態に気づいた俺が思わず呟くとおじさんが反応する。


「…やることが増えたから俺一人ではキツイかも…」


あの女の子との食料のやり取りもあるし、この4つの村の事も…って一人では無理くない?と、俺はおじさんに相談した。


「…確かに。これでは仕事まで回す余裕が無い…あまり無茶をするとドラゴンも疲弊するだろう…」

「…どうしよ?」

「…領内の人手不足を解消しようとした結果、今度はこちらが人手不足とは…皮肉なものだ」


おじさんの予想にアドバイスを貰おうとしたが少し考え込むように呟いただけだった。


「直ぐに収穫出来ればそんな事考えなくていいのに…」

「…人手を増やすだけならば、弟子を取るか部下を雇うという選択肢はあるが…」

「…うーん…知らない人とはあまり関わりたくない……そっか!あの子供達!」


頭良いって言ってたし、商人なれないかな?と、俺は突然の閃きに若干興奮しながらおじさんに聞いてみる。



「…そういう方法もあるな」

「ちょうど昼飯の時間だし、あのお姉さんに聞いてみよ」


善は急げって事で俺は忘れる前にドラゴンに頼んで急いで帰宅した。


「…あら、おかえり」

「あ、ちょうど良かった。聞きたい事があるんだけど…」

「聞きたいこと?」


家に入り食堂に向かう最中に廊下でちょうどお姉さんに会ったので挨拶を返さずに用件を話す。


「テイマースキルで捕まえた魔物ってあげるだけじゃなくて貸し借りとかできる?」

「…魔物の貸し借り?出来るわよ。相手がテイマースキルを持ってないといけないけど、契約主の変更をせずに魔物の支配権の一部を譲れば、ね」


なんで?と、お姉さんはちんぷんかんぷんな丁寧な説明をしてくれたあとに疑問に思ったのか聞いてくる。
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