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おまけ
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しおりを挟む「ほい、パセリ…カンパーイ」
「…俺も?…はい」
みんな庭でガヤガヤやってる中、家の中で一人ソファに座ってテレビを見てる俺にお嬢が近づいて来てコップを差し出してくる。
「肉も野菜もこれでもか!って買って来たから、魔物達の分まであると思う」
「マジ?ドラゴンだけで牛三頭分ぐらい軽くいくけど」
「あ、じゃあ無理」
「…だろうな。まあそんなに腹減ってないと思うから大丈夫でしょ」
多分テイマースキルの効果がこの世界でも有効なのか魔物の食事は月イチでも充分らしく、基本はオヤツ感覚の間食レベルでしかご飯をあげていない。
だから普通にバーベキューの余りでも足りるとは思う。
「…良く考えたら盛り上がってうるさくなったら周りの家から文句とか言われない?」
「あ、確かに…ココらへん閑静な住宅街だもんね。騒ぐと目立つかも」
「どうすんの?」
「うーん……そうだなぁ……せっかくのバーベキューだし、みんなで盛り上がりたいじゃん?近所の人達も招待する?」
もちろんサインとか撮影とか録画録音はナシで。と、お嬢は俺の心配事に対して意外な解決方を提案した。
「えー…また人増やす?」
「こういうのは多い方が楽しいでしょ?じゃ、みんなに話してくる」
ご近所付き合いがほとんど無い俺にとっては知らん人が更に増えるだけであんまり乗り気にはなれないが…
お嬢はその案を実行する事にしたらしく庭に出て女性達に話を通しに行った。
…芸能人達からの許可は出たのか、気づいたらお嬢の姿が無くなっている。
ピンポーン
「ん?はーい!」
「ココでバーベキューやってるって聞いたんだけど…!」
「芸能人が集まってるって本当!?」
「…ああ、そこから庭に行けるんで…」
やっぱり近所の人達も芸能人には弱いのかバーベキューに参加する人が続々とやって来た。
「これで向こう三軒の人達が集まったからどんなに騒いでも大丈夫!…って事でカラオケ大会やろ!トップバッターは私!」
お嬢は戻って来ると直ぐに庭へと出てカラオケの機材を弄り出す。
「…あー、あー、マイクテスト…マイクテスト…」
「あ!ずるい!私も歌いたかったのに!」
「マイクオッケー!じゃあいきます!『恋の16連射』! 」
…みんなが注目する中、お嬢は簡易的な舞台のような台の上に立ってアイドル的な振り付けのダンスを踊りながら歌い始める。
「…あの子、歌上手いわね」
「あ、お帰り。早かったね」
「今日バーベキューするって聞いてたから早く帰って来たの。予想外に人がいっぱい居て驚いたけど」
「…騒いでもいいように、って近所の人達も招待しちゃったから…」
急なお姉さんの帰宅に俺は驚きつつも一応今の状況になった経緯を話した。
「ああ…なるほど。近所付き合いもしておいて損はないから…」
「…まあね」
「アレが『カラオケ』ってやつ?テレビで見るのとは雰囲気が全然違う」
「歌いたかったら歌って来たら?…異世界の歌の曲は無いと思うけど」
お嬢が歌って踊ってるのをお姉さんが楽しそうに見てるので俺は一応勧めてみる。
「…君は?歌わないの?」
「いや、別に下手では無いけど…流石にあんな中で歌うのは勘弁」
歌手兼女優やアイドルとかがいる中で歌うなんてハードルが高すぎてもはや新手のイジメかよ…と、思いながら俺はお姉さんにそう返した。
…そして、このカラオケ大会やバーベキューのドンチャン騒ぎは夜遅くまで続く事に…
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