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すると一瞬で女の子の姿が消える。
「…やれやれ、まさか街中で降りるとはな…まあ夜中だからさして騒ぎにはならんか」
男は呆れたようにため息を吐きながら呟くと修正が必要な箇所以外の紙を袋に入れて歩き出した。
「…とりあえず修正するのにMPが足りれば良いが…」
紙を見ながら男が不安そうに漏らす。
「…しまった!そういえば出かける事しか伝えていなかった!…明日には帰ると伝えておかねば食事が…!」
修正が必要な場所に着くと男は急に何かを思い出したように慌て始める。
「…流石に時間も時間だが…すまん、お土産はちゃんと買ってやる!」
男は寝てるであろう青年に謝って電話をかけた。
「……なんだ?」
「寝てたか?すまんな、彼女に夕方には帰ると伝えて置いてくれ」
明らかに眠そうな声で電話に出た青年に男は申し訳なさそうに謝りながら伝言を頼む。
「…ああ、わかった…それより、調子はどうだ?」
「…飛行テストをした結果…もう少し調整や修正が必要だな」
青年が電話越しに眠そうにあくびをしながら聞くと男が悩みながら告げる。
「…そうか…MPは、足りるのか…?」
「…これから作業に入るが…やってみないと分からない」
青年の問いに男は少し不安そうに返した。
「…そんなこともあろうかと…お前の袋の中に、小袋を入れておいた…」
「…なに?」
まるでこの展開を予想出来てたかのように言う青年に男が良く分からなそうに聞く。
「黒い小袋に、昨日…日付的には一昨日か…彼女が作った料理を、少し頂戴して入れておいた…備えあれば憂い無し、と言うからな…」
「…本当か?…今、お前が仲間で心底良かったと実感してるよ、ありがとう」
青年が眠そうに説明すると男が感激したようにお礼を言って切る。
「…黒い小袋とか言ったか……コレか!」
男は直ぐに袋の中を探って青年が言ってた小袋を見つけた。
「まさかこんな所で彼女の料理が食べれるとは…あいつに感謝だな…」
しみじみと呟くと、黒い小袋の中に入っている小さなつみれ数個をあっという間に食べ終える。
「…MP自動回復か…ありがたい」
表示を見て料理の効果を確認すると男は急いで修復作業にとりかかった。
そして翌朝、というか数時間後の朝。
昼前と言っても差し支え無いような朝。
「う…む…?…もう、朝か…」
結局修復作業が朝方までかかったため、街中の公園のベンチで寝ていた男がケータイのアラームで目を覚ます。
男は全然睡眠が取れてないような顔であくびをして伸びをする。
「…良く考えたらはぐれたかもしれんな…」
昨日の事を思い出し、ボソッと呟くと水道がある所まで歩いて眠気を覚ますために顔を洗った。
「…ふうっ…とりあえず協会本部でも行ってみるか…」
袋から取り出したタオルで顔を拭いて息を吐くと男は予定を立てて歩き出す。
「…まさか野宿を…?」
男が公園から出ようとした所で魔導協会の巫女である女の子が歩いてくる。
「おお、良くココが分かったな」
「…『魔導師』以上であれば私の能力で居場所は感知できる」
意外そうに呟いた男に女の子は軽く説明するように返した。
「…やれやれ、まさか街中で降りるとはな…まあ夜中だからさして騒ぎにはならんか」
男は呆れたようにため息を吐きながら呟くと修正が必要な箇所以外の紙を袋に入れて歩き出した。
「…とりあえず修正するのにMPが足りれば良いが…」
紙を見ながら男が不安そうに漏らす。
「…しまった!そういえば出かける事しか伝えていなかった!…明日には帰ると伝えておかねば食事が…!」
修正が必要な場所に着くと男は急に何かを思い出したように慌て始める。
「…流石に時間も時間だが…すまん、お土産はちゃんと買ってやる!」
男は寝てるであろう青年に謝って電話をかけた。
「……なんだ?」
「寝てたか?すまんな、彼女に夕方には帰ると伝えて置いてくれ」
明らかに眠そうな声で電話に出た青年に男は申し訳なさそうに謝りながら伝言を頼む。
「…ああ、わかった…それより、調子はどうだ?」
「…飛行テストをした結果…もう少し調整や修正が必要だな」
青年が電話越しに眠そうにあくびをしながら聞くと男が悩みながら告げる。
「…そうか…MPは、足りるのか…?」
「…これから作業に入るが…やってみないと分からない」
青年の問いに男は少し不安そうに返した。
「…そんなこともあろうかと…お前の袋の中に、小袋を入れておいた…」
「…なに?」
まるでこの展開を予想出来てたかのように言う青年に男が良く分からなそうに聞く。
「黒い小袋に、昨日…日付的には一昨日か…彼女が作った料理を、少し頂戴して入れておいた…備えあれば憂い無し、と言うからな…」
「…本当か?…今、お前が仲間で心底良かったと実感してるよ、ありがとう」
青年が眠そうに説明すると男が感激したようにお礼を言って切る。
「…黒い小袋とか言ったか……コレか!」
男は直ぐに袋の中を探って青年が言ってた小袋を見つけた。
「まさかこんな所で彼女の料理が食べれるとは…あいつに感謝だな…」
しみじみと呟くと、黒い小袋の中に入っている小さなつみれ数個をあっという間に食べ終える。
「…MP自動回復か…ありがたい」
表示を見て料理の効果を確認すると男は急いで修復作業にとりかかった。
そして翌朝、というか数時間後の朝。
昼前と言っても差し支え無いような朝。
「う…む…?…もう、朝か…」
結局修復作業が朝方までかかったため、街中の公園のベンチで寝ていた男がケータイのアラームで目を覚ます。
男は全然睡眠が取れてないような顔であくびをして伸びをする。
「…良く考えたらはぐれたかもしれんな…」
昨日の事を思い出し、ボソッと呟くと水道がある所まで歩いて眠気を覚ますために顔を洗った。
「…ふうっ…とりあえず協会本部でも行ってみるか…」
袋から取り出したタオルで顔を拭いて息を吐くと男は予定を立てて歩き出す。
「…まさか野宿を…?」
男が公園から出ようとした所で魔導協会の巫女である女の子が歩いてくる。
「おお、良くココが分かったな」
「…『魔導師』以上であれば私の能力で居場所は感知できる」
意外そうに呟いた男に女の子は軽く説明するように返した。
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