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それは学校において一大事だ
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「今日は初日ですし、いきなりむずかしい授業をするのもアレなので、そうですね~、猫になるための基本の「キ」から始めましょうか。では5分の休み時間をはさんでからまたこの教室でお会いしましょう。わたくしにお会いしたいかたは、ぜひ来ていただけたら嬉しいです。どれだけ来てくれるか、、、楽しみですね~~フフフっ」
自分が人気者とはまったく真逆の場所で生きていることはわかっていた。
ほんとは性格も変えたいし愛される人になれるなら…なりたい。でもその勇気もないし今さらキャラ変したらそれはそれで周りに引かれてしまう。わたしはもうみんなが知っているこのキャラで生きていくしかないと思っていた。
心の奥の奥の奥の方にモヤモヤした感情をとじこめて出てこようとしてもムリヤリ押し込んでクサいものにフタをするように“なりたい自分”を遠ざけようしながら生きてきた。
家に帰っても、明るいお兄ちゃんと比べられる。
「未玖ちゃん、もっとハッキリしゃべりなさい。ちゃんと言わないとどうしたらいいかママもわからないんだから」
「おい未玖、もう少しお兄ちゃんを見習って元気にはしゃいでいいんじゃないか?女の子は天真爛漫な方がかわいいぞ」
天真爛漫=てんしんらんまん。
意味:飾り気がなく心に思うままであることが言動に表れ、また明るさと無邪気さのあふれ出ているさま。(学研 四字熟語辞典より)
わたしなんて、思いっ切り反対だ。
まわりの目を気にして表面的にいい人でありたいと内面が見えないような仮面をかぶり、心に思うままの言葉なんか一切発せず、暗くてかわいい素振りなんてまったくできない女の子。
天真爛漫の反対語ってなんなんだろ?
もしかしたらわたしのフルネーム「秋元未玖」が反対語かもしれない。
黒コートの緊張から解放されたあとも、しばらく教室は緊張の空気で固まっていた。
静かでキンキンに冷えたような時間がずーーーーっと、ただよっている。なんだろ、このカンジ、何かに似ている。
あ、アレだ!動いたらコロされる「だるまさんがころんだ」のときのようなドキドキ感。
動きたくても動けない、動いちゃイケナイ、あの遊びをリアルにやっているような感じだった。そのせいか、「休憩時間」という名前なのに、心も身体も休めない時間が無意味に続いていた。
わたしは思った。
ここでお腹がグーって鳴ったら一大事だな。
今、こんな時にそんなこと気にしなくていいのに、って思われるかもしれないけど、こういうときにお腹が鳴っちゃうことがよくあるからわたしは静かな時間が苦手だった。
とにかくこんな時は、イスに深く座って、姿勢を正す。お腹が鳴ってしまいそうな時はお腹を引っ込めて前かがみになるよりも、お腹を前に出すように気をつけの姿勢にした方がお腹が鳴りにくいらしい。ネットで学んだ知識だからどこまでホントかわからないけど。
わたしはそれをずっと信じて、やり続けてきた。
以来、お腹は鳴ってない。
だから、たぶん、合ってるんだと、、、、、
グゥ~。
なんでこのタイミングで鳴るのよ!今まで鳴らなかったじゃん。あんまり鳴ってほしくないときは鳴らなかったのに、ここぞ!という時に鳴ってしまった。サイアク。
誰かにバレたかな?聞こえたかな?
ちょっとだけうつむきながら、左右をチラ見する。隣に座っている女子は2人とも読書に夢中だった。たぶん気付かれていない。
よかった。両隣が大丈夫なら誰にも聞こえていないはず。わたしの空腹はまだバレていない。
ツカツカツカ、、、、
わたしに方に近づいてくる足音。え?なになに?だれだれ?
ヤバい、お腹が鳴ったのバレたとか?でも、バレたからって誰にも迷惑かけてないよね?文句言われることじゃないよね?なんで?ナンデ?
「あの……天ちゃん、ですよね?」
自分が人気者とはまったく真逆の場所で生きていることはわかっていた。
ほんとは性格も変えたいし愛される人になれるなら…なりたい。でもその勇気もないし今さらキャラ変したらそれはそれで周りに引かれてしまう。わたしはもうみんなが知っているこのキャラで生きていくしかないと思っていた。
心の奥の奥の奥の方にモヤモヤした感情をとじこめて出てこようとしてもムリヤリ押し込んでクサいものにフタをするように“なりたい自分”を遠ざけようしながら生きてきた。
家に帰っても、明るいお兄ちゃんと比べられる。
「未玖ちゃん、もっとハッキリしゃべりなさい。ちゃんと言わないとどうしたらいいかママもわからないんだから」
「おい未玖、もう少しお兄ちゃんを見習って元気にはしゃいでいいんじゃないか?女の子は天真爛漫な方がかわいいぞ」
天真爛漫=てんしんらんまん。
意味:飾り気がなく心に思うままであることが言動に表れ、また明るさと無邪気さのあふれ出ているさま。(学研 四字熟語辞典より)
わたしなんて、思いっ切り反対だ。
まわりの目を気にして表面的にいい人でありたいと内面が見えないような仮面をかぶり、心に思うままの言葉なんか一切発せず、暗くてかわいい素振りなんてまったくできない女の子。
天真爛漫の反対語ってなんなんだろ?
もしかしたらわたしのフルネーム「秋元未玖」が反対語かもしれない。
黒コートの緊張から解放されたあとも、しばらく教室は緊張の空気で固まっていた。
静かでキンキンに冷えたような時間がずーーーーっと、ただよっている。なんだろ、このカンジ、何かに似ている。
あ、アレだ!動いたらコロされる「だるまさんがころんだ」のときのようなドキドキ感。
動きたくても動けない、動いちゃイケナイ、あの遊びをリアルにやっているような感じだった。そのせいか、「休憩時間」という名前なのに、心も身体も休めない時間が無意味に続いていた。
わたしは思った。
ここでお腹がグーって鳴ったら一大事だな。
今、こんな時にそんなこと気にしなくていいのに、って思われるかもしれないけど、こういうときにお腹が鳴っちゃうことがよくあるからわたしは静かな時間が苦手だった。
とにかくこんな時は、イスに深く座って、姿勢を正す。お腹が鳴ってしまいそうな時はお腹を引っ込めて前かがみになるよりも、お腹を前に出すように気をつけの姿勢にした方がお腹が鳴りにくいらしい。ネットで学んだ知識だからどこまでホントかわからないけど。
わたしはそれをずっと信じて、やり続けてきた。
以来、お腹は鳴ってない。
だから、たぶん、合ってるんだと、、、、、
グゥ~。
なんでこのタイミングで鳴るのよ!今まで鳴らなかったじゃん。あんまり鳴ってほしくないときは鳴らなかったのに、ここぞ!という時に鳴ってしまった。サイアク。
誰かにバレたかな?聞こえたかな?
ちょっとだけうつむきながら、左右をチラ見する。隣に座っている女子は2人とも読書に夢中だった。たぶん気付かれていない。
よかった。両隣が大丈夫なら誰にも聞こえていないはず。わたしの空腹はまだバレていない。
ツカツカツカ、、、、
わたしに方に近づいてくる足音。え?なになに?だれだれ?
ヤバい、お腹が鳴ったのバレたとか?でも、バレたからって誰にも迷惑かけてないよね?文句言われることじゃないよね?なんで?ナンデ?
「あの……天ちゃん、ですよね?」
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