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あざといのは天然か演技か、美穂ちゃんどっち?
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「え?」
いや、わたし、テンチャン、じゃ、ないけど。。。
てか、だれ?
とつぜん話しかけられてドギマギしてしまった。
マドマギではない、ドギマギ。
「あ、ごめんなさい。むかし一緒に遊んでいた天ちゃんに似てたから、つい。。。ごめんなさい、、、」
「あ、いや、ぜんぜん、、、」
ぜんぜん、なんなんだよ?と自分にツッコむ。
照れながら訂正したわたしの顔は、
たぶんとってもブサイクなんだろうな、
そう思いながら彼女の顔を見ると、こんな美少女みたことない!と思えるほど、とびっきり可愛い女の子だった。
もしや芸能人?人気の女優さんやモデルさんを生で見た時ってこんな感じなのかも、そう思えるほどわたしは心を打ち抜かれていた、その美しさに。
かわいいオーラが顔面から全方位に放射されている。そして彼女の真逆のルックスが、目の前にいる。鏡を見なくても、ゲンメツする顔のわたしだ。
こんな風に初対面で人見知りが発動しているときの顔は人生最上位にヤバいって分かっているから。
昔、鏡を見ながらアイドルぶって笑顔や口角を上げる練習したけど、ただただ気持ちが悪くなっただけだった。素材の悪い食材はどう料理しても美味しくない、それと同じ。どんな調味料をふりかけても不快な味しかしなかった、わたしの顔。
「ほんと、ごめんなさい、ごめんなさい。もーわたしって、バカバカ!」
この本を読んでいる人にはわからないと思うけど、声までめっちゃかわいい。ASMRで聞きたくなるようなとろけるようなハニーボイス、ストロベリーボイス、シュガーボイスで脳天から大量のコンデンスミルクをぶっかけられたかのような感じがした。とにかく甘い。
女子から見てもこんなに魅力的な女の子は初めてだ。今までわたしの学校では見たことないからおそらく違う学校の子かもしれない。そっか、わたしの学校の図書館以外にも、この「猫の学校」とつながっている場所があったのか、ふとそう思った。
「あ、じゃ、じゃあ、名前、もしよかったら、名前おしえてもらっていい、ですか?あ、わたしは美穂、加藤美穂です」
「わたしは未玖、っていいます。秋元未玖。よろしくおねがいいたします」
極上の美しさを前に、かしこまってしまったわたし。
知っている人が全然いなかったし、普段から学校でもこうやって話しかけてもらえることがなかったので、うれしいという感情が一気にわいた。自分でも口角が上がっているのが分かるほど。かわいくないけど。たぶん自分史上一番いい笑顔をしているはず。かわいくないけど。
「なんか、知ってる人とかぜんぜんいなくて、もしよかったら仲良くしてもらえたら嬉しいんだけど。なんかごめん、間違って話しかけちゃったのに、、、」
口元を手でおさえる仕草、視線を下げてから上目遣いで申し訳なさそうにする表情、どれをとってもカワイイ。女優か?と思えるほどの演技力。自然だとしてもあざとい演技だとしても、尊敬するほどすごいと思えた。
「あ、わたしなんかでよければ、よろしくおねがいします!」
わたしとは完全に違う世界の子だ。
だけど、なぜかイヤな感じはしない。
こうやって話をしてても、不思議とストレスがない。
フツーなら、わたしは人とはあまり話したくないタイプだし、経験上苦手なタイプだ。でも、美穂ちゃんはイヤじゃない。
昔から知ってる友達のような、幼なじみのような感じがした。こんな体験初めて。
パンツスタイルでおしゃれにも気を遣っている彼女は流行りのブランドのバッグでガーリーな雰囲気のお嬢様にも見える。
なんでこんな子がここに?なんでこの場所に呼ばれたんだろ?誰もがそう思うだろう。
でも、わたしとは真逆の世界で暮らす女の子にもなにか他の人には分からない悩みがあったり不安をかかえているのかもしれない。
でもでも、何度も言うけど、すっごいカワイイの!猫にならなくても今すぐにアイドルになれそう。
この子が、猫の学校でどう変わっていくのかも、わたしはひそかに楽しみだった。もはや人気アイドルを一般人の感覚で見つめ、新しいお仕事でどんな風に頑張っていくのかを見守っているような感覚。一瞬で推しができた感。この子の未来が気になる、どんな風に売れて行くのか?そんな感情。
「あ、そうそう!わたし聞いたことあるんだけど。あなの、猫の学校のことなんだけど。。。」
妄想するわたしの脳内を美穂の言葉がスパっと一撃で切り裂く。
「わたしには3歳上のいとこのお姉ちゃんがいるんだけど、そのお姉ちゃんが今芸能人やってて、大人気のアイドルグループに入ってるんだけど、そのお姉ちゃんも猫の学校にいつの間にか入って、そのままアイドルになったんだって」
「ただ、お姉ちゃんに一度だけ聞いたことがあって、こう言ってたの。『あなたもカワイイからいつか猫の学校に放り込まれるかもしれないわよ、ただ気をつけて、勉強して身につけちゃいけないことが3つだけある。それはね…』、、、」
♪キーンコーンカーンコーン~
「あ、ゴメン、未玖ちゃんまた今度ね!」
いやいや、それダメじゃん。もはやわざとでしょ?一番いいところで話を終わらせるって、サイアクじゃん。そんなのズルいよ!
テレビを見てたら一番気になるところでCMに入っちゃうみたいなものじゃん。しかも、CMが終わって気になる部分を見せてくれるかなと思ったら、「このあと、一体どうなってしまうのか?来週。お楽しみに」みたいな展開じゃん。ずるいずるい。
美穂ちゃんはそんなわたしの不満を一切感じていないような涼しげな顔で自分の席に戻り、ペロッと下を出した。その仕草もいちいちかわいい。ほんとにカワイイ子は何をやっても許されそうで、わたしは逆に嫌いになりそうだった。
ガラガラガラ~
「はい起立、気をつけ、礼、はい座っていいよ~」
いや、わたし、テンチャン、じゃ、ないけど。。。
てか、だれ?
とつぜん話しかけられてドギマギしてしまった。
マドマギではない、ドギマギ。
「あ、ごめんなさい。むかし一緒に遊んでいた天ちゃんに似てたから、つい。。。ごめんなさい、、、」
「あ、いや、ぜんぜん、、、」
ぜんぜん、なんなんだよ?と自分にツッコむ。
照れながら訂正したわたしの顔は、
たぶんとってもブサイクなんだろうな、
そう思いながら彼女の顔を見ると、こんな美少女みたことない!と思えるほど、とびっきり可愛い女の子だった。
もしや芸能人?人気の女優さんやモデルさんを生で見た時ってこんな感じなのかも、そう思えるほどわたしは心を打ち抜かれていた、その美しさに。
かわいいオーラが顔面から全方位に放射されている。そして彼女の真逆のルックスが、目の前にいる。鏡を見なくても、ゲンメツする顔のわたしだ。
こんな風に初対面で人見知りが発動しているときの顔は人生最上位にヤバいって分かっているから。
昔、鏡を見ながらアイドルぶって笑顔や口角を上げる練習したけど、ただただ気持ちが悪くなっただけだった。素材の悪い食材はどう料理しても美味しくない、それと同じ。どんな調味料をふりかけても不快な味しかしなかった、わたしの顔。
「ほんと、ごめんなさい、ごめんなさい。もーわたしって、バカバカ!」
この本を読んでいる人にはわからないと思うけど、声までめっちゃかわいい。ASMRで聞きたくなるようなとろけるようなハニーボイス、ストロベリーボイス、シュガーボイスで脳天から大量のコンデンスミルクをぶっかけられたかのような感じがした。とにかく甘い。
女子から見てもこんなに魅力的な女の子は初めてだ。今までわたしの学校では見たことないからおそらく違う学校の子かもしれない。そっか、わたしの学校の図書館以外にも、この「猫の学校」とつながっている場所があったのか、ふとそう思った。
「あ、じゃ、じゃあ、名前、もしよかったら、名前おしえてもらっていい、ですか?あ、わたしは美穂、加藤美穂です」
「わたしは未玖、っていいます。秋元未玖。よろしくおねがいいたします」
極上の美しさを前に、かしこまってしまったわたし。
知っている人が全然いなかったし、普段から学校でもこうやって話しかけてもらえることがなかったので、うれしいという感情が一気にわいた。自分でも口角が上がっているのが分かるほど。かわいくないけど。たぶん自分史上一番いい笑顔をしているはず。かわいくないけど。
「なんか、知ってる人とかぜんぜんいなくて、もしよかったら仲良くしてもらえたら嬉しいんだけど。なんかごめん、間違って話しかけちゃったのに、、、」
口元を手でおさえる仕草、視線を下げてから上目遣いで申し訳なさそうにする表情、どれをとってもカワイイ。女優か?と思えるほどの演技力。自然だとしてもあざとい演技だとしても、尊敬するほどすごいと思えた。
「あ、わたしなんかでよければ、よろしくおねがいします!」
わたしとは完全に違う世界の子だ。
だけど、なぜかイヤな感じはしない。
こうやって話をしてても、不思議とストレスがない。
フツーなら、わたしは人とはあまり話したくないタイプだし、経験上苦手なタイプだ。でも、美穂ちゃんはイヤじゃない。
昔から知ってる友達のような、幼なじみのような感じがした。こんな体験初めて。
パンツスタイルでおしゃれにも気を遣っている彼女は流行りのブランドのバッグでガーリーな雰囲気のお嬢様にも見える。
なんでこんな子がここに?なんでこの場所に呼ばれたんだろ?誰もがそう思うだろう。
でも、わたしとは真逆の世界で暮らす女の子にもなにか他の人には分からない悩みがあったり不安をかかえているのかもしれない。
でもでも、何度も言うけど、すっごいカワイイの!猫にならなくても今すぐにアイドルになれそう。
この子が、猫の学校でどう変わっていくのかも、わたしはひそかに楽しみだった。もはや人気アイドルを一般人の感覚で見つめ、新しいお仕事でどんな風に頑張っていくのかを見守っているような感覚。一瞬で推しができた感。この子の未来が気になる、どんな風に売れて行くのか?そんな感情。
「あ、そうそう!わたし聞いたことあるんだけど。あなの、猫の学校のことなんだけど。。。」
妄想するわたしの脳内を美穂の言葉がスパっと一撃で切り裂く。
「わたしには3歳上のいとこのお姉ちゃんがいるんだけど、そのお姉ちゃんが今芸能人やってて、大人気のアイドルグループに入ってるんだけど、そのお姉ちゃんも猫の学校にいつの間にか入って、そのままアイドルになったんだって」
「ただ、お姉ちゃんに一度だけ聞いたことがあって、こう言ってたの。『あなたもカワイイからいつか猫の学校に放り込まれるかもしれないわよ、ただ気をつけて、勉強して身につけちゃいけないことが3つだけある。それはね…』、、、」
♪キーンコーンカーンコーン~
「あ、ゴメン、未玖ちゃんまた今度ね!」
いやいや、それダメじゃん。もはやわざとでしょ?一番いいところで話を終わらせるって、サイアクじゃん。そんなのズルいよ!
テレビを見てたら一番気になるところでCMに入っちゃうみたいなものじゃん。しかも、CMが終わって気になる部分を見せてくれるかなと思ったら、「このあと、一体どうなってしまうのか?来週。お楽しみに」みたいな展開じゃん。ずるいずるい。
美穂ちゃんはそんなわたしの不満を一切感じていないような涼しげな顔で自分の席に戻り、ペロッと下を出した。その仕草もいちいちかわいい。ほんとにカワイイ子は何をやっても許されそうで、わたしは逆に嫌いになりそうだった。
ガラガラガラ~
「はい起立、気をつけ、礼、はい座っていいよ~」
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