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なぜ猫はモテるのか?
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教室に入ってきた黒い大人、いや、先生が自ら号令をかけ、教室内の生徒を華麗にあやつった。
「えーと、今のあいさつ、今日はわたくしが言いましたが、次からは、、、佐藤さん、あなたが担当してください。ちゃんと先生が入ってきたら今みたいに声を出して、みんなで礼をしてください。よろしいですか?」
「……」
「佐藤さん、よろしいですか?」
「は、はい。わかりました」
教壇の目の前に座っていた小柄な女の子佐藤さんは、上からふりそそぐ先生の言葉に押しつぶされそうになりながら小声で答えた。
「では、早速始めましょうか、みなさんが猫になるための授業を」
猫になるための授業。
一体なにをするのか?ぜんぜん想像がつかない。
頭の中が?マークでいっぱいになっていると、先生のアシスタント?というか秘書みたいな黒スーツの女性が、テキストとノートを配り始めた。
「後ろの人に回してください」
その言い方も冷たく、ちょっと怖い。でも仕事ができそうな感じ。
教室内がテキストを回す音で充満していると、わたしの手元にもそれは届いた。
一部だけ取って後ろに回す。
ヤバい。
パっと見、ヤバい。
表紙が、ヤバい。
黒をベースにピンクや赤、ゴールドの文字が飛び出すような派手なフォントで描かれている。
10秒ぐらい見ると目が痛くなりそう。
テキストの周りにはサンタさんのヒゲのようなフワフワの白い毛がついていて、全体的に金色のラメが付いている。少し揺らすだけでラメが飛び散って、宙を舞う。ウザい。
わたしは、お父さんが夜のお姉さんがいる飲み屋からもらってくる派手な名刺を思い出した。それぐらい派手だ(※わからない皆んなはおとうさんおかあさんに聞いてみてね♪)
もはや学校で配るような教科書じゃない、ということ。
でも、、、
パラパラパラ、、、
テキストをめくってみると、
「え?なに?カワイイ!」
もはや猫の写真集だ。
ところどころに猫の習性や猫の雑学が書かれているけど、可愛い猫がいっぱい載っているだけのテキスト。
教科書じゃない。
こんな教科書だったら学校も楽しいだろうな、そう思った。
コレで何を学ぶの?
「今日は初日ですが、これから毎回授業の最後に皆さんに課題を出します。なので授業は最後までちゃんと聞いて下さい。そしてその課題を次の授業までに実行することがこの“猫の学校”を卒業するために必要な条件となります。できなかった人は……
………その場で『退学』となります」
退学?それだけで?
でも、さっさと退学しちゃった方が、いいんじゃないのかな?
だってこの学校あやしいし、教室の雰囲気もヘンだし、先生もこわいし、普通の学校の勉強もしなきゃならないし、、、
あっ!わたし今日、塾だった!まずい、こんなところでこんなことをしてたらママに怒られる!猫の学校の先生よりもママは絶対にこわいから、早く帰りたいよ!どうしよ~???
「大丈夫です。みなさんがここにいることはみなさんのご家族はもちろん、学校の先生や友達も誰も知りません。しかも、ここにいる時間、みなさんの世界の時間は止まっています」
ヨまれてる、わたしのココロ。
「みなさんがここで1時間、2時間、たとえ1ヶ月過ごしても、猫の学校を出たらさっきまで過ごしていたいつもの日常に戻ることができます。つまり、ここにきたときと同じ時間からスタートできるということです」
え?ということは、わたしが学校の図書館でヘンな扉を押して、ここにやってきたのがおそらく放課後になった3時すぎ。だからこの猫の学校で何時間授業を受けても、ここを出てふたたび図書館に戻ったら、放課後の3時過ぎに戻れるってこと?
「未玖さん、その通りです」
あいかわらず先生は、わたしの頭の中をのぞいてくる。もうなれたけど、正直ウザい。
「なので、お父さんお母さんに怒られるとか、塾や部活を休まなければならないとか、友達と遊ぶ約束に遅刻するとか、心配することなくここで猫の勉強をしてください」
理解できない。
できないけど、理解できた。
なんていうのかな、なんでそんな不思議なことができるのかは分からないけど、なんでそんな不思議なことができちゃうってことが分かった。
「まずは、最初なのでこんなテーマで授業を始めましょう」
バーーーーンン!!!
『なぜ猫はもてるのか?』」
ここから先生は長々と色んなことを話してくれた。
ここではあえて書かないけど猫がカワイイ理由や猫が素敵な存在ということをひたすら、散々話してくれた。楽しかったけどちょっと長い。
「えーーー、では齋藤さん、ここまで色々お話ししましたが、そもそも猫がなぜモテるのか?わかりますか?」
「え?わ、わたしですか、、、え~~~、なんでだろ、う~ん、、、わかんないです」
「なるほど。わかんないという意思を見せてもらえただけで、こちらとしては幸いです。ありがとうございます」
丁寧な言葉の裏にいろんな感情が見え隠れしている。一見やさしいけどその裏に見える、刃。意味がわかると怖い話みたいな感じで、先生は話す。
「今回はわかりやすくいくつかのテーマで紹介しましょうか。猫がモテるワケですが、、、まずはコレです!『丸』!」
ホワイトボードに「丸」というシンプルなキーワードがペタっと貼られた。
「猫の目は丸くて大きい、そのうえとってもパッチリしていますよね。しかも、猫の顔自体も大きく丸い形をしています。第一印象の『丸』こそ、すべてのかわいいの始まりなのです」
「えーと、今のあいさつ、今日はわたくしが言いましたが、次からは、、、佐藤さん、あなたが担当してください。ちゃんと先生が入ってきたら今みたいに声を出して、みんなで礼をしてください。よろしいですか?」
「……」
「佐藤さん、よろしいですか?」
「は、はい。わかりました」
教壇の目の前に座っていた小柄な女の子佐藤さんは、上からふりそそぐ先生の言葉に押しつぶされそうになりながら小声で答えた。
「では、早速始めましょうか、みなさんが猫になるための授業を」
猫になるための授業。
一体なにをするのか?ぜんぜん想像がつかない。
頭の中が?マークでいっぱいになっていると、先生のアシスタント?というか秘書みたいな黒スーツの女性が、テキストとノートを配り始めた。
「後ろの人に回してください」
その言い方も冷たく、ちょっと怖い。でも仕事ができそうな感じ。
教室内がテキストを回す音で充満していると、わたしの手元にもそれは届いた。
一部だけ取って後ろに回す。
ヤバい。
パっと見、ヤバい。
表紙が、ヤバい。
黒をベースにピンクや赤、ゴールドの文字が飛び出すような派手なフォントで描かれている。
10秒ぐらい見ると目が痛くなりそう。
テキストの周りにはサンタさんのヒゲのようなフワフワの白い毛がついていて、全体的に金色のラメが付いている。少し揺らすだけでラメが飛び散って、宙を舞う。ウザい。
わたしは、お父さんが夜のお姉さんがいる飲み屋からもらってくる派手な名刺を思い出した。それぐらい派手だ(※わからない皆んなはおとうさんおかあさんに聞いてみてね♪)
もはや学校で配るような教科書じゃない、ということ。
でも、、、
パラパラパラ、、、
テキストをめくってみると、
「え?なに?カワイイ!」
もはや猫の写真集だ。
ところどころに猫の習性や猫の雑学が書かれているけど、可愛い猫がいっぱい載っているだけのテキスト。
教科書じゃない。
こんな教科書だったら学校も楽しいだろうな、そう思った。
コレで何を学ぶの?
「今日は初日ですが、これから毎回授業の最後に皆さんに課題を出します。なので授業は最後までちゃんと聞いて下さい。そしてその課題を次の授業までに実行することがこの“猫の学校”を卒業するために必要な条件となります。できなかった人は……
………その場で『退学』となります」
退学?それだけで?
でも、さっさと退学しちゃった方が、いいんじゃないのかな?
だってこの学校あやしいし、教室の雰囲気もヘンだし、先生もこわいし、普通の学校の勉強もしなきゃならないし、、、
あっ!わたし今日、塾だった!まずい、こんなところでこんなことをしてたらママに怒られる!猫の学校の先生よりもママは絶対にこわいから、早く帰りたいよ!どうしよ~???
「大丈夫です。みなさんがここにいることはみなさんのご家族はもちろん、学校の先生や友達も誰も知りません。しかも、ここにいる時間、みなさんの世界の時間は止まっています」
ヨまれてる、わたしのココロ。
「みなさんがここで1時間、2時間、たとえ1ヶ月過ごしても、猫の学校を出たらさっきまで過ごしていたいつもの日常に戻ることができます。つまり、ここにきたときと同じ時間からスタートできるということです」
え?ということは、わたしが学校の図書館でヘンな扉を押して、ここにやってきたのがおそらく放課後になった3時すぎ。だからこの猫の学校で何時間授業を受けても、ここを出てふたたび図書館に戻ったら、放課後の3時過ぎに戻れるってこと?
「未玖さん、その通りです」
あいかわらず先生は、わたしの頭の中をのぞいてくる。もうなれたけど、正直ウザい。
「なので、お父さんお母さんに怒られるとか、塾や部活を休まなければならないとか、友達と遊ぶ約束に遅刻するとか、心配することなくここで猫の勉強をしてください」
理解できない。
できないけど、理解できた。
なんていうのかな、なんでそんな不思議なことができるのかは分からないけど、なんでそんな不思議なことができちゃうってことが分かった。
「まずは、最初なのでこんなテーマで授業を始めましょう」
バーーーーンン!!!
『なぜ猫はもてるのか?』」
ここから先生は長々と色んなことを話してくれた。
ここではあえて書かないけど猫がカワイイ理由や猫が素敵な存在ということをひたすら、散々話してくれた。楽しかったけどちょっと長い。
「えーーー、では齋藤さん、ここまで色々お話ししましたが、そもそも猫がなぜモテるのか?わかりますか?」
「え?わ、わたしですか、、、え~~~、なんでだろ、う~ん、、、わかんないです」
「なるほど。わかんないという意思を見せてもらえただけで、こちらとしては幸いです。ありがとうございます」
丁寧な言葉の裏にいろんな感情が見え隠れしている。一見やさしいけどその裏に見える、刃。意味がわかると怖い話みたいな感じで、先生は話す。
「今回はわかりやすくいくつかのテーマで紹介しましょうか。猫がモテるワケですが、、、まずはコレです!『丸』!」
ホワイトボードに「丸」というシンプルなキーワードがペタっと貼られた。
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