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懐かしい香りとパパとママの笑顔
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男の子だ。
僕は男の子になった。
踏まれそうなほど地面に近かった視線が
今はとても高く、遠くを見渡せる。
街の景色も、色も、光も、言葉も、何もかもが鮮明で、夢のような世界に叫びたくなるほどだった。
あー。
うー。
こんにちは。
身体から言葉が生まれる。初めての感覚。頭の中で描いた感情が自由自在に操れる。
すると、今まで伝えたかったのに伝えられなかったことが洪水のように溢れて頭の中で渦を巻き始めた。自分自身でも追いつかないほどの感情が全身をめぐり、爆発しそうな感じがした。
猫には伝えたくても伝えられないことがある。僕にはニャーしかなかった。
伝えているはずなのに、人間には伝わっていないこともたくさんあった。
遊んで欲しいのにご飯を出されたり、
トイレが汚いのに僕の声が届かなかったり。。。
でもそれは仕方のないこと。言葉が通じないし、言葉を喋れないのだから。
神様がそう決めたことなのだからどうしようもない。
できないことをやろうと努力しても
叶わないことがある。
でも努力しなければ一生叶わない。
努力する前に諦めてしまったら、今のまま。前に進まず、もしかしたら後退してしまう未来が待っているかもしれない。
僕が努力できたのも、
途中で諦めなかったのも、
全部猫のママのおかげだ。
「生まれてもすぐに死んでしまったり、大事にされなかったりする猫もいっぱいいるでしょ?
でも、私もあなたも生まれた場所は、みんなが親切でみんなやさしいよね?恵まれない場所に生まれて悲しい思いをしてしまう猫がいる中、私たちは幸せに暮らしている。だから、みんなとお別れするときには、お礼をしなければならないの。あなたも家族に迎え入れられ、大切に育ててもらったら人間に生まれ変わってお礼をしなきゃならないんだからね」
あの日の言葉を今改めて噛みしめて、僕は僕の大好きな場所へと向かった。
当然、驚かれるだろう。
絶対に信じてもらえないはず。
逆の立場なら、不審者と思って、相手にもしたくない。当たり前だ。
大人の男性ならまだしも、
今の僕はその辺にいる小学生だ。
そんな子供が急に一人でやってきたら、意味が分からなさすぎて怖すぎる。
近所でよく見かける子供でもない、そもそもパパとママが住むマンションには子供が住んでいない。怪しさ最大級だ。
僕は歩きながら色々考えた。
最初の挨拶は?その後に続く言葉は?
どんな顔をしていけばいい?
そして拒否されたらどうする?
考えすぎて、
一歩が少しずつ小さくなっていく。
何度か立ち止まったり、
振り向いて、戻ったり。
猫がウロウロしてるのとは違い、子供のウロウロには不信感しか漂っていない。
どうしよう、どうしよう。
なんの答えも見出せないまま、
僕はパパとママの家の前までたどり着いてしまった。ここまで来たら、もう引き返せない。引き返したら意味がない。猫のママのためにもやるしかない。
でも、ここからの勇気が、なかった。
近くの通行人が、僕を不思議そうな目で見ながら、通り過ぎていく。
頭がクラクラするほど迷い、悩み、不安と動揺まで束になって襲ってきた。何も思いつかない、何をすればいいのか分からない。
もう一度、さっきの公園に引き返して考えようか、そう思って、足を踏み出した時だった。
カコン。
何かが足に当たり、
金属音が聞こえてきた。
足元を見ると、
丸いお皿がひっくり返っている。
その周りには丸い粒状の食べ物?
しゃがんでみると、
懐かしい香りがした。
これって、まさか。。。
その瞬間、僕の脳裏にパパとママの笑顔が浮かんできた。
僕は男の子になった。
踏まれそうなほど地面に近かった視線が
今はとても高く、遠くを見渡せる。
街の景色も、色も、光も、言葉も、何もかもが鮮明で、夢のような世界に叫びたくなるほどだった。
あー。
うー。
こんにちは。
身体から言葉が生まれる。初めての感覚。頭の中で描いた感情が自由自在に操れる。
すると、今まで伝えたかったのに伝えられなかったことが洪水のように溢れて頭の中で渦を巻き始めた。自分自身でも追いつかないほどの感情が全身をめぐり、爆発しそうな感じがした。
猫には伝えたくても伝えられないことがある。僕にはニャーしかなかった。
伝えているはずなのに、人間には伝わっていないこともたくさんあった。
遊んで欲しいのにご飯を出されたり、
トイレが汚いのに僕の声が届かなかったり。。。
でもそれは仕方のないこと。言葉が通じないし、言葉を喋れないのだから。
神様がそう決めたことなのだからどうしようもない。
できないことをやろうと努力しても
叶わないことがある。
でも努力しなければ一生叶わない。
努力する前に諦めてしまったら、今のまま。前に進まず、もしかしたら後退してしまう未来が待っているかもしれない。
僕が努力できたのも、
途中で諦めなかったのも、
全部猫のママのおかげだ。
「生まれてもすぐに死んでしまったり、大事にされなかったりする猫もいっぱいいるでしょ?
でも、私もあなたも生まれた場所は、みんなが親切でみんなやさしいよね?恵まれない場所に生まれて悲しい思いをしてしまう猫がいる中、私たちは幸せに暮らしている。だから、みんなとお別れするときには、お礼をしなければならないの。あなたも家族に迎え入れられ、大切に育ててもらったら人間に生まれ変わってお礼をしなきゃならないんだからね」
あの日の言葉を今改めて噛みしめて、僕は僕の大好きな場所へと向かった。
当然、驚かれるだろう。
絶対に信じてもらえないはず。
逆の立場なら、不審者と思って、相手にもしたくない。当たり前だ。
大人の男性ならまだしも、
今の僕はその辺にいる小学生だ。
そんな子供が急に一人でやってきたら、意味が分からなさすぎて怖すぎる。
近所でよく見かける子供でもない、そもそもパパとママが住むマンションには子供が住んでいない。怪しさ最大級だ。
僕は歩きながら色々考えた。
最初の挨拶は?その後に続く言葉は?
どんな顔をしていけばいい?
そして拒否されたらどうする?
考えすぎて、
一歩が少しずつ小さくなっていく。
何度か立ち止まったり、
振り向いて、戻ったり。
猫がウロウロしてるのとは違い、子供のウロウロには不信感しか漂っていない。
どうしよう、どうしよう。
なんの答えも見出せないまま、
僕はパパとママの家の前までたどり着いてしまった。ここまで来たら、もう引き返せない。引き返したら意味がない。猫のママのためにもやるしかない。
でも、ここからの勇気が、なかった。
近くの通行人が、僕を不思議そうな目で見ながら、通り過ぎていく。
頭がクラクラするほど迷い、悩み、不安と動揺まで束になって襲ってきた。何も思いつかない、何をすればいいのか分からない。
もう一度、さっきの公園に引き返して考えようか、そう思って、足を踏み出した時だった。
カコン。
何かが足に当たり、
金属音が聞こえてきた。
足元を見ると、
丸いお皿がひっくり返っている。
その周りには丸い粒状の食べ物?
しゃがんでみると、
懐かしい香りがした。
これって、まさか。。。
その瞬間、僕の脳裏にパパとママの笑顔が浮かんできた。
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