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クリームちゃんは天然なのか?
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「アイツってさ、
“かわいく見える”ことを第一に行動しているよね」
「そうそう、それがウザい」
「わかる」
待機所にいる嬢たちが無言のまま頷く。
その光景はまるで「スマホを持つ女」というタイトルの銅像のように皆同じ体勢で足を組み、日体大の集団行動も真っ青になるほどのシンクロした動きに見えた。
彼女たちは絶賛勤務時間中にもかかわらず
待機所にいる。ということは、つまりイマイチ人気がないキャバクラ嬢だということ。
若しくは新入り。
常連客を掴めず、暇を持て余す嬢たちは
指名料もドリンク代も延長料金も発生せず、
安い時給しか堆積しないまま、
ほとんどの時間をこの暗闇で
しんみりと過ごす羽目になる。
光の当たらない場所で彼女たちは
何をしているかというと
LINE越しにクリームちゃんへの不満を
ひたすらつぶやく。
それぐらいしかやることがない。
不満という釣竿を垂らしながら
ひたすら客が掛かるのを待つのみ。
暗すぎる環境と不遇すぎる状況は、
不平不満を増幅させるにはもってこいだった。
「あ、そうそう、この前なんか、
席に向かってる時にソファにジャンプしようとして、わざと失敗して、お客さんに飛び乗ったんだって。
普通なら店長とかにめっちゃ怒られるはずじゃん!
でも、お客さんもボーイもみんな笑顔。
ヤバくない?」
「あざとすぎるよね。目立とうとしてるだけじゃん」
「猫だからとっくに目立ってんのに
余計なことするなって話」
「それな」
「あと、プレゼントでもらったエサを
ペロペロ食べながら鼻につけてたらしーよ」
「クレープ食べてるぶりっ子かよ!」
「ないわー」
たしかにクリームちゃんは鼻につけてた。
あざといぐらいカニカマを鼻につけてた。
そう思われるのも仕方ない。
ぶりっ子キャラというものは
たしかに同性にアンチも多い。
しかしそれが武器になる場合もある。
キャバクラでは諸刃の剣。
空気を読むか、キャラを打ち出すか。
中途半端が一番無意味と分かっていながら、
中途半端なまま落ちぶれていく世界でもある。
ああ、クリームちゃん。
君はどうなってしまうんだ?
このままでいいのか?
何か現状を打破する秘策はあるのか?
みんなに嫌われていくだけの可愛い猫なんて
見たくない。見たいのはみんなに愛され……
「お疲れ様でーす。あのー、
これ良かったら食べてください。
ちょっとだけですが、クッキーを作ったんです」
個人的な筆者の回想も
人気のないキャバ嬢たちのLINE会話もぶった切るようにクリームちゃん、堂々の入場!!
クリームちゃん、やっぱり空気読めてない。。。
“かわいく見える”ことを第一に行動しているよね」
「そうそう、それがウザい」
「わかる」
待機所にいる嬢たちが無言のまま頷く。
その光景はまるで「スマホを持つ女」というタイトルの銅像のように皆同じ体勢で足を組み、日体大の集団行動も真っ青になるほどのシンクロした動きに見えた。
彼女たちは絶賛勤務時間中にもかかわらず
待機所にいる。ということは、つまりイマイチ人気がないキャバクラ嬢だということ。
若しくは新入り。
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指名料もドリンク代も延長料金も発生せず、
安い時給しか堆積しないまま、
ほとんどの時間をこの暗闇で
しんみりと過ごす羽目になる。
光の当たらない場所で彼女たちは
何をしているかというと
LINE越しにクリームちゃんへの不満を
ひたすらつぶやく。
それぐらいしかやることがない。
不満という釣竿を垂らしながら
ひたすら客が掛かるのを待つのみ。
暗すぎる環境と不遇すぎる状況は、
不平不満を増幅させるにはもってこいだった。
「あ、そうそう、この前なんか、
席に向かってる時にソファにジャンプしようとして、わざと失敗して、お客さんに飛び乗ったんだって。
普通なら店長とかにめっちゃ怒られるはずじゃん!
でも、お客さんもボーイもみんな笑顔。
ヤバくない?」
「あざとすぎるよね。目立とうとしてるだけじゃん」
「猫だからとっくに目立ってんのに
余計なことするなって話」
「それな」
「あと、プレゼントでもらったエサを
ペロペロ食べながら鼻につけてたらしーよ」
「クレープ食べてるぶりっ子かよ!」
「ないわー」
たしかにクリームちゃんは鼻につけてた。
あざといぐらいカニカマを鼻につけてた。
そう思われるのも仕方ない。
ぶりっ子キャラというものは
たしかに同性にアンチも多い。
しかしそれが武器になる場合もある。
キャバクラでは諸刃の剣。
空気を読むか、キャラを打ち出すか。
中途半端が一番無意味と分かっていながら、
中途半端なまま落ちぶれていく世界でもある。
ああ、クリームちゃん。
君はどうなってしまうんだ?
このままでいいのか?
何か現状を打破する秘策はあるのか?
みんなに嫌われていくだけの可愛い猫なんて
見たくない。見たいのはみんなに愛され……
「お疲れ様でーす。あのー、
これ良かったら食べてください。
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