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幼少期
速攻でバレましたOTZ
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ノームと契約したことを知っているのはアリーシャだけだったんだが、いつの間にか父の耳に入って呼び出しをくらいました。
「リリアン、報告することがあるよね?」
愛称で呼ばない辺りが、父の怒り具合が分かる。
「あー……ノームのことですか?」
「はぁぁぁあ……」
父は、特大の溜息を吐かれ米神をグリグリと親指で押している。
ノーム以外に思い当たる節がないため首を傾げていると、重たい口を開いた。
「……地龍の幼体が我が家のいたるところで目撃されていると報告が上がっていたのだが、お前が勝手に魔物をこっそり飼ったと思っていたのだが」
「ああ、それはノームの擬態ですよ。奴曰く、カッコイイそうです」
「リリアン、大精霊相手にその口の利き方は止めなさい。それから、どういう経緯でノームが家に居るのか説明しなさい」
面倒臭いと思いつつも、スミス先生の授業を受けて精霊魔法に興味を持ったことから始まり、精霊が見えないかと試行錯誤したらノームと出会って押しかけ女房ならぬ下僕が出来たと伝えたら、父は青ざめながら頭を抱えていた。
「リリーが非常識なのは今に始まったことではないが、そういう大切なことはちゃんと報告しなさい!」
「七歳になれば、教会で自分の素養を調べるんですから後二年で分かることじゃないですか。いずれ知ることになるのは時間の問題なので、報告しなくても良いのでは?」
これ以上勉強増やされたくないし、自分の時間も確保したいのですよ。
父に就いて領地運営のイロハを何故か叩きこまれているし。
私が一人娘なので、このまま両親に第二子が出来なければ自動的にお婿さんを取って女領主になるだろう。
分かっちゃいるが、体の感情に引きずられる時があり、遊びたい盛りの子供に仕事を割り振るのは、一種の虐待だと自動相談所があれば通報していたと思う。
「今の世で精霊と契約出来た者は、ほぼ居ない。精霊の声を聞こえる者は時折いるが、その殆どは亜人だ」
何やら新しいワードが出てきたぞ。
「亜人とは、どういう方ですか?」
「獣人・エルフ・ドワーフ・ドライアド・ドラゴニュートなど亜人には、様々な種族がいる。人とも魔物とも魔族とも違う存在の総称だ。昔は人間にも精霊の声を聞こえる者も居たが、今は殆どいない。精霊魔法は、事実上消えたようなものだ。精霊の声を聞ける者は、須らく国に報告をする義務がある」
「では、私の事を国に報告し管理されると?」
「概ね間違いではない。我が家は、王家に次ぐ存在であり王位継承権もある。順位はかなり低いが、王族が道を踏み外したとき取って代われるように我らが存在しているのだ」
シチュエーションが、表天皇と裏天皇みたいでワクワクしてきた。
んん? と言うことは、今上陛下とその王子・王女がクズだったら成り代わるってことか!?
いやいやいや、そんなのは真っ平ごめん被りたい。
元一般人が政治を動かすなんて無理ゲー過ぎるでしょう。
今代の王族には、是非とも頑張って貰わねば。
「精霊…しかも大精霊と契約したとなれば、リリアンの取り巻く環境は一変するだろう。ユーフェリア教会が聖女として祭り上げようとするだろう。王家もリリアンを取り込もうと画策する」
「どっちも拒否したらダメですかね」
「……難しいな」
父は、いつになく厳しい顔で判断を下した。
「教会も王家も乗っ取れば良いのでは? 向こうもこちらを取り込み良いように扱おうとしているなら、逆に利用してやれば良いのですよ。まあ、私が素直に言うことを聞くような幼子ではないので教会は聖女召喚に走りそうですが。王家は、様子見ですねぇ。次代の王が、愚か者なら粛清しましょう。その時は、お父様が王座を温めて下さいね」
「……思考が物騒過ぎるぞ」
「報告が義務付けされている以上は、この国の貴族と婚姻は確定してますからね。それが誰なのかは兎も角、一番有力候補なのは第一王子じゃないですか? 同い年ですし。パワーバランスを考えれば王子との婚姻は普通は除外されるものでしょうが、大精霊の加護持ちとなれば王家は喉から手が出るほど欲しいのではないでしょうか? 黙っていても、向こうから圧力掛けてくると思いますので、婚約はしますが第一王子に見込みなしと判断したら婚約破棄出来るように約束を取り付けて下さいね」
「分かった。お前を前にすると時々大人と喋っているように感じるよ」
ギクッと内心冷や汗を垂らしながら、適当にはぐらかした。
中身が中年ババアだからね。
「でも、エバンスの双子といる時のお前は年相応に見えるのが不思議だ」
「外面は分厚くがモットーなので! お父様は、幼気な幼女をこき使っていることを自覚して下さいね」
「これも貴族の務めだよ」
暗に遊びたいから自由時間をくれくれしてみたが、通じなかった。
ノブレス・オブリージュの前には、年齢は勝てなかった。
これから私の取り巻く環境が変わるのかと思うと憂鬱になる。
押しかけ精霊さえ居なければ、私はもっと中二病満載な魔法ライフを送れていたのにと心の中で愚痴った。
「リリアン、報告することがあるよね?」
愛称で呼ばない辺りが、父の怒り具合が分かる。
「あー……ノームのことですか?」
「はぁぁぁあ……」
父は、特大の溜息を吐かれ米神をグリグリと親指で押している。
ノーム以外に思い当たる節がないため首を傾げていると、重たい口を開いた。
「……地龍の幼体が我が家のいたるところで目撃されていると報告が上がっていたのだが、お前が勝手に魔物をこっそり飼ったと思っていたのだが」
「ああ、それはノームの擬態ですよ。奴曰く、カッコイイそうです」
「リリアン、大精霊相手にその口の利き方は止めなさい。それから、どういう経緯でノームが家に居るのか説明しなさい」
面倒臭いと思いつつも、スミス先生の授業を受けて精霊魔法に興味を持ったことから始まり、精霊が見えないかと試行錯誤したらノームと出会って押しかけ女房ならぬ下僕が出来たと伝えたら、父は青ざめながら頭を抱えていた。
「リリーが非常識なのは今に始まったことではないが、そういう大切なことはちゃんと報告しなさい!」
「七歳になれば、教会で自分の素養を調べるんですから後二年で分かることじゃないですか。いずれ知ることになるのは時間の問題なので、報告しなくても良いのでは?」
これ以上勉強増やされたくないし、自分の時間も確保したいのですよ。
父に就いて領地運営のイロハを何故か叩きこまれているし。
私が一人娘なので、このまま両親に第二子が出来なければ自動的にお婿さんを取って女領主になるだろう。
分かっちゃいるが、体の感情に引きずられる時があり、遊びたい盛りの子供に仕事を割り振るのは、一種の虐待だと自動相談所があれば通報していたと思う。
「今の世で精霊と契約出来た者は、ほぼ居ない。精霊の声を聞こえる者は時折いるが、その殆どは亜人だ」
何やら新しいワードが出てきたぞ。
「亜人とは、どういう方ですか?」
「獣人・エルフ・ドワーフ・ドライアド・ドラゴニュートなど亜人には、様々な種族がいる。人とも魔物とも魔族とも違う存在の総称だ。昔は人間にも精霊の声を聞こえる者も居たが、今は殆どいない。精霊魔法は、事実上消えたようなものだ。精霊の声を聞ける者は、須らく国に報告をする義務がある」
「では、私の事を国に報告し管理されると?」
「概ね間違いではない。我が家は、王家に次ぐ存在であり王位継承権もある。順位はかなり低いが、王族が道を踏み外したとき取って代われるように我らが存在しているのだ」
シチュエーションが、表天皇と裏天皇みたいでワクワクしてきた。
んん? と言うことは、今上陛下とその王子・王女がクズだったら成り代わるってことか!?
いやいやいや、そんなのは真っ平ごめん被りたい。
元一般人が政治を動かすなんて無理ゲー過ぎるでしょう。
今代の王族には、是非とも頑張って貰わねば。
「精霊…しかも大精霊と契約したとなれば、リリアンの取り巻く環境は一変するだろう。ユーフェリア教会が聖女として祭り上げようとするだろう。王家もリリアンを取り込もうと画策する」
「どっちも拒否したらダメですかね」
「……難しいな」
父は、いつになく厳しい顔で判断を下した。
「教会も王家も乗っ取れば良いのでは? 向こうもこちらを取り込み良いように扱おうとしているなら、逆に利用してやれば良いのですよ。まあ、私が素直に言うことを聞くような幼子ではないので教会は聖女召喚に走りそうですが。王家は、様子見ですねぇ。次代の王が、愚か者なら粛清しましょう。その時は、お父様が王座を温めて下さいね」
「……思考が物騒過ぎるぞ」
「報告が義務付けされている以上は、この国の貴族と婚姻は確定してますからね。それが誰なのかは兎も角、一番有力候補なのは第一王子じゃないですか? 同い年ですし。パワーバランスを考えれば王子との婚姻は普通は除外されるものでしょうが、大精霊の加護持ちとなれば王家は喉から手が出るほど欲しいのではないでしょうか? 黙っていても、向こうから圧力掛けてくると思いますので、婚約はしますが第一王子に見込みなしと判断したら婚約破棄出来るように約束を取り付けて下さいね」
「分かった。お前を前にすると時々大人と喋っているように感じるよ」
ギクッと内心冷や汗を垂らしながら、適当にはぐらかした。
中身が中年ババアだからね。
「でも、エバンスの双子といる時のお前は年相応に見えるのが不思議だ」
「外面は分厚くがモットーなので! お父様は、幼気な幼女をこき使っていることを自覚して下さいね」
「これも貴族の務めだよ」
暗に遊びたいから自由時間をくれくれしてみたが、通じなかった。
ノブレス・オブリージュの前には、年齢は勝てなかった。
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