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幼少期
ボードゲーム革命
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娯楽が少ないこの世界に、ゲームという概念をぶっこんでみました。
折り畳み式のリバーシを持ってきていたので、ニコー少佐を捕まえて彼の執務室でリバーシをする事にした。
一通り遊び方を教えると、
「シンプルだが、奥が深い」
と唸っている。
リバーシは序の口で、囲碁を教えたらハマるんじゃなかろうか。
チェスはあるみたいだし、将棋もおいおい作れたら良いな。
「一局やりましょう。実際にやってみないと分からないこともありますよ」
「そうですな」
打ち始めて十分で勝負がついた。
「これで私の勝ちですね」
白が過半数以上を占めて大勝したら、ニコー少佐はもう一回と鼻息を荒く迫ってきた。
これが巷で言う負けず嫌いか。
「良いですよ~。遊び方は、なんとなく掴めましたか?」
「次は、負けませんよ」
「フフフ、私も負けませんよ」
そして二局目を打ったが、私の圧勝で終わった。
まあ、仕方がない。
私の方が知識があるのだから、ニコー少佐が負けるのは純粋に経験と発想力の差である。
負けて凄く悔しそうな顔が分かる。
「三回戦目もやります?」
「はい、お願いします」
三回戦目で、私の手を読むようになり長考することが多くなった。
私は余裕をかましながらニコー少佐の一手を待っていたら、いつの間にかギャラリーが増えていた。
「これでどうだ」
「残念です。私の勝ちですよ」
一気に形勢逆転に持ち込み盤上が黒一色に変わる。
頭を抱えて「ああああっ」と唸るニコー少佐に、私はカラカラと笑った。
大人が子供の様に悔しがる様は見ていて飽きが来ない。
「ニコー少佐、さっきから何をやっとるんじゃ。外まで声が聞こえていたぞ」
私の背後から渋いイケボイスが聞こえ、振り向くと老年のお爺さんが立っていた。
「ベルガー将軍、失礼いたしました」
ビシッと敬礼するニコー少佐とベルガー将軍を交互に見やる。
私のポケットリバーシを見て、白い髭を撫でながらニヤリと悪どい笑みを浮かべて言った。
「お嬢さん、これは何かのう」
「これは、リバーシというボードゲームの一種ですわ。私は、リリアン・フォン・アングロサクソンと申します。殿下に放置されていたので、王妃様が気を利かせて下さって遊び相手としてニコー少佐を貸して頂いたんですの。だから、職務怠慢ではありませんの」
私の誘いでリバーシに興じて叱られたなんていったら、私の支持率が下がってしまう。
「貴方が噂のリリアン様でしたか」
どんな噂だよ!
ツッコミたいのは山々だが、言わぬが花。
お口をチャックして微笑むに徹するに限る。
「私は、歩兵大隊長を任せられております。イヴァン・ベルガーと申します。リトルレディ」
私の手を取り、チュッとキスをする様に思わず鼻血が出そうになった。
出来るだけ無表情を貫こうと頑張ったが無理!!
こんなイケボのシブメンは、私のドストライクだ。
年齢と婚約者という弊害がなければ、猛アタックしていただろう。
「ベルガー様も一局如何ですか?」
「良いのですか? ニコー少佐、席を変わってくれ」
「……はい」
凄く残念そうな目で私を見るニコーに、どうせこのリバーシは置いていくつもりなので存分に使い勝手などを教えて貰いたいものである。
軽くルールを説明していざ打ってみると、僅差で私の方が負けた。
「……負けてしまいましたわ。勝つ自信があったのに」
「ニコー少佐と打っていたのをずっと見ておりましたからのう。色々と試させて貰いましたよ。いやあ、なかなか面白いゲームですな。シンプルでルールも簡単だが奥が深い。これは、どこで手に入りますかな?」
「これは、試作品ですわ。実際に楽しんで遊べるか試したかったので、まだ商品にしておりませんの」
「なんと!! これは、リリアン様がお考えになられたのですか?」
「はい。他にも色々考案しておりますわ。面白かったですか?」
「ええ、勿論ですとも。頭を使うゲームは、初めてです」
良い手ごたえだ。
「では、王妃様に献上しなければなりませんね。このリバーシは置いて行きますので、王妃様にゲームのやり方などを指導して頂ける方を育てて下さいませ」
「……ふむ、リリアン様は王妃様を推していらっしゃるのですね」
「はい。この国は、王妃様あって回っておりますので。息抜きは必要かと。他に面白い遊びを思いついたら、相談に乗って頂けますか?」
「勿論ですとも」
無料モニター二名ゲットだぜ!
私は、リバーシを置いて時間だからとニコー少佐に護衛して貰い帰路に着いた。
折り畳み式のリバーシを持ってきていたので、ニコー少佐を捕まえて彼の執務室でリバーシをする事にした。
一通り遊び方を教えると、
「シンプルだが、奥が深い」
と唸っている。
リバーシは序の口で、囲碁を教えたらハマるんじゃなかろうか。
チェスはあるみたいだし、将棋もおいおい作れたら良いな。
「一局やりましょう。実際にやってみないと分からないこともありますよ」
「そうですな」
打ち始めて十分で勝負がついた。
「これで私の勝ちですね」
白が過半数以上を占めて大勝したら、ニコー少佐はもう一回と鼻息を荒く迫ってきた。
これが巷で言う負けず嫌いか。
「良いですよ~。遊び方は、なんとなく掴めましたか?」
「次は、負けませんよ」
「フフフ、私も負けませんよ」
そして二局目を打ったが、私の圧勝で終わった。
まあ、仕方がない。
私の方が知識があるのだから、ニコー少佐が負けるのは純粋に経験と発想力の差である。
負けて凄く悔しそうな顔が分かる。
「三回戦目もやります?」
「はい、お願いします」
三回戦目で、私の手を読むようになり長考することが多くなった。
私は余裕をかましながらニコー少佐の一手を待っていたら、いつの間にかギャラリーが増えていた。
「これでどうだ」
「残念です。私の勝ちですよ」
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頭を抱えて「ああああっ」と唸るニコー少佐に、私はカラカラと笑った。
大人が子供の様に悔しがる様は見ていて飽きが来ない。
「ニコー少佐、さっきから何をやっとるんじゃ。外まで声が聞こえていたぞ」
私の背後から渋いイケボイスが聞こえ、振り向くと老年のお爺さんが立っていた。
「ベルガー将軍、失礼いたしました」
ビシッと敬礼するニコー少佐とベルガー将軍を交互に見やる。
私のポケットリバーシを見て、白い髭を撫でながらニヤリと悪どい笑みを浮かべて言った。
「お嬢さん、これは何かのう」
「これは、リバーシというボードゲームの一種ですわ。私は、リリアン・フォン・アングロサクソンと申します。殿下に放置されていたので、王妃様が気を利かせて下さって遊び相手としてニコー少佐を貸して頂いたんですの。だから、職務怠慢ではありませんの」
私の誘いでリバーシに興じて叱られたなんていったら、私の支持率が下がってしまう。
「貴方が噂のリリアン様でしたか」
どんな噂だよ!
ツッコミたいのは山々だが、言わぬが花。
お口をチャックして微笑むに徹するに限る。
「私は、歩兵大隊長を任せられております。イヴァン・ベルガーと申します。リトルレディ」
私の手を取り、チュッとキスをする様に思わず鼻血が出そうになった。
出来るだけ無表情を貫こうと頑張ったが無理!!
こんなイケボのシブメンは、私のドストライクだ。
年齢と婚約者という弊害がなければ、猛アタックしていただろう。
「ベルガー様も一局如何ですか?」
「良いのですか? ニコー少佐、席を変わってくれ」
「……はい」
凄く残念そうな目で私を見るニコーに、どうせこのリバーシは置いていくつもりなので存分に使い勝手などを教えて貰いたいものである。
軽くルールを説明していざ打ってみると、僅差で私の方が負けた。
「……負けてしまいましたわ。勝つ自信があったのに」
「ニコー少佐と打っていたのをずっと見ておりましたからのう。色々と試させて貰いましたよ。いやあ、なかなか面白いゲームですな。シンプルでルールも簡単だが奥が深い。これは、どこで手に入りますかな?」
「これは、試作品ですわ。実際に楽しんで遊べるか試したかったので、まだ商品にしておりませんの」
「なんと!! これは、リリアン様がお考えになられたのですか?」
「はい。他にも色々考案しておりますわ。面白かったですか?」
「ええ、勿論ですとも。頭を使うゲームは、初めてです」
良い手ごたえだ。
「では、王妃様に献上しなければなりませんね。このリバーシは置いて行きますので、王妃様にゲームのやり方などを指導して頂ける方を育てて下さいませ」
「……ふむ、リリアン様は王妃様を推していらっしゃるのですね」
「はい。この国は、王妃様あって回っておりますので。息抜きは必要かと。他に面白い遊びを思いついたら、相談に乗って頂けますか?」
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