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幼少期
テトラグラマトン神と交信してみた
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「一応、この世界の最高神なんじゃが……」
「私の知ったことではありませんわ。真っ白な空間に呼び出して、私に伝えたいことがあるならどうぞ」
そう話を促すと、何を思ったのか四畳半の畳とちゃぶ台と座布団を作り出して勧められた。
話を聞かなければ返して貰えそうにないので、勧められるがままに座った。
「ノームやウンディーネから聞いておる。魔力補充の提案について、礼が言いたかった。ありがとう」
深々と頭を下げる最高神に、私は小さく肩をすくめた。
「感謝されるという事は、日本の亡者を魔力に変換して受け入れる案が採用されたという事ですか?」
「察しが良いのう。色々と条件付きではあるが、向こうも人口爆発で間引きするタイミングを計っていたようでな」
「富士噴火を引き金に南海トラフを起こし巨大カルデラ噴火で日本人口生存1%まで削るとしたら、膨大なエネルギーが回収出来そうですね」
日本総人口が約一億三千万人になる。
加えて海外からの観光者も含めれば、多い月で二百万人を超える。
世界総人口が約七十三億人と考えると少ない数だ。
世界各国で異常気象や地震などの災害を通じて死者を量産する気なのかは知らないが、日本以外の神々も人を間引くことを決定したのかもしれない。
人にとって神の存在は希薄になり、信仰心も薄くなっている。
折角作った世界をただ壊されるのを見続けるよりも、自らの手でリセットしたいのだろうか。
「サラッと恐ろしいことを言うのう」
「生と死は二つで一つと言いますからね。良いんじゃないですか? あちらの神々も、残したい人材は確保するでしょうし」
「……達観しておるのう。前世の世界がどうなっても良いというように聞こえるが」
「どうでも良いです。正直ね、この世界にも未練はないんですよ。世界が滅びようが、私の知ったことじゃない。私が生きている間は、そういう煩わしいことに悩まされたくないんです。転生先はどう考えても国の重役の娘だし、精霊に押しかけられ加護まで押し付けられて聖女認定されるし。本当に迷惑」
顔を顰めてグチグチ文句を言うと、テトラグラマトンは乾いた笑みを零した。
あの灰汁が強い者達を纏めるのに苦労はしているのだろう。
同情は、する気も無いが。
「世界の崩壊を免れるほどの魔力は補充できるアテが見つかったということで間違いありませんか?」
「ああ、だが現状が変わらねば同じことの繰り返しじゃ。そこで、何か良い案は無いか知恵を貸して欲しい」
前振りが長すぎる! と突っ込みたいのをグッと堪えた私は偉い。
「抜本的な解決をしないと駄目だと思いますけど。文明が発達するのであれば、いずれは栄華を極めて破綻する。その連鎖からは逃れられないですよ」
「……」
そう突っ込むと、テトラグラマトンは口を噤んだ。
一宇宙の中の一つの惑星を亡ぼした場合の影響を考えれば、何ら影響はないかもしれないし大なり小なりの影響が出るかもしれない。
私は、うーんと低く唸った後に大きなため息を吐いた。
「平等なんて言葉は耳障りが良い自己満足でしかなく、平等を提唱する人ほど差別してますよ。人は他種族を貶め、他種族は人を嫌悪している。これは自業自得ですね。魔族は論外。何故他種族を根絶やしにしようとしたのか、この疑問を解明する必要があります。誰もが手を取り合って平和でハッピーになれば世界は救われるなんて傲慢なことを考えるのは夢物語です。せめて滅亡しない最低ラインを種族間で同一の認識をしておく必要があるんじゃないですかね」
「う、うむ……」
「時の神の幽閉も永遠ではないのですから、その対策も必要なのではないのですか? 人は魔王を悪に仕立て上げて聖女を持って打ち滅ぼすを表向き繰り返してますね。それを逆手に取って他種族と現状の関係の回復を図り、魔王と交渉をし不可侵条約を締結してみるとかでしょうか。もしくは、別の次元を作り棲み分けを図る。私的に後者を推します」
どちらを選んでも、最終的に滅ぶ運命を辿るだろう。
それが早いか遅いかの違いである。
「他種族との関係を回復する役目をお願いしても良いだろうか」
「だが、断る!!」
前世で言ってみたかった言葉第三位の台詞を言えて少しスッキリした。
言われた方は、狼狽しているが気にしない。
「やるなら両方しましょう。棲み分けが出来るように次元を構築して下さいな。それまでの間、出来るだけ私も働きかけます。他種族との関係修復は難しい課題ですが、まあやれるだけやってみます」
「恩に着る。ワシの加護は、大きすぎるから小さい加護を与えた。病気や呪いの影響はない身体になっている。頼んだぞ」
段々、テトラグラマトンの声が遠ざかっていく。
私を留めて置ける時間が過ぎてしまったのだろうか。
「…ま…さま……リリアン様」
ハッと辺りを見渡すと焦った顔で私に呼びかける神官の顔があった。
「ごめんなさい。少しボーッとしてしまったわ」
咄嗟に取り繕った笑みを浮かべると、神官はホッと息を溜息を吐いた。
「魔法具に触れられた瞬間、凄い光と共に微動だにされなくなったので心配しました」
神様に呼ばれてましたとは言えない。
乾いた笑みを浮かべながらステータスの板を確認したら色々と突っ込みたいところがいっぱいあった。
「私の知ったことではありませんわ。真っ白な空間に呼び出して、私に伝えたいことがあるならどうぞ」
そう話を促すと、何を思ったのか四畳半の畳とちゃぶ台と座布団を作り出して勧められた。
話を聞かなければ返して貰えそうにないので、勧められるがままに座った。
「ノームやウンディーネから聞いておる。魔力補充の提案について、礼が言いたかった。ありがとう」
深々と頭を下げる最高神に、私は小さく肩をすくめた。
「感謝されるという事は、日本の亡者を魔力に変換して受け入れる案が採用されたという事ですか?」
「察しが良いのう。色々と条件付きではあるが、向こうも人口爆発で間引きするタイミングを計っていたようでな」
「富士噴火を引き金に南海トラフを起こし巨大カルデラ噴火で日本人口生存1%まで削るとしたら、膨大なエネルギーが回収出来そうですね」
日本総人口が約一億三千万人になる。
加えて海外からの観光者も含めれば、多い月で二百万人を超える。
世界総人口が約七十三億人と考えると少ない数だ。
世界各国で異常気象や地震などの災害を通じて死者を量産する気なのかは知らないが、日本以外の神々も人を間引くことを決定したのかもしれない。
人にとって神の存在は希薄になり、信仰心も薄くなっている。
折角作った世界をただ壊されるのを見続けるよりも、自らの手でリセットしたいのだろうか。
「サラッと恐ろしいことを言うのう」
「生と死は二つで一つと言いますからね。良いんじゃないですか? あちらの神々も、残したい人材は確保するでしょうし」
「……達観しておるのう。前世の世界がどうなっても良いというように聞こえるが」
「どうでも良いです。正直ね、この世界にも未練はないんですよ。世界が滅びようが、私の知ったことじゃない。私が生きている間は、そういう煩わしいことに悩まされたくないんです。転生先はどう考えても国の重役の娘だし、精霊に押しかけられ加護まで押し付けられて聖女認定されるし。本当に迷惑」
顔を顰めてグチグチ文句を言うと、テトラグラマトンは乾いた笑みを零した。
あの灰汁が強い者達を纏めるのに苦労はしているのだろう。
同情は、する気も無いが。
「世界の崩壊を免れるほどの魔力は補充できるアテが見つかったということで間違いありませんか?」
「ああ、だが現状が変わらねば同じことの繰り返しじゃ。そこで、何か良い案は無いか知恵を貸して欲しい」
前振りが長すぎる! と突っ込みたいのをグッと堪えた私は偉い。
「抜本的な解決をしないと駄目だと思いますけど。文明が発達するのであれば、いずれは栄華を極めて破綻する。その連鎖からは逃れられないですよ」
「……」
そう突っ込むと、テトラグラマトンは口を噤んだ。
一宇宙の中の一つの惑星を亡ぼした場合の影響を考えれば、何ら影響はないかもしれないし大なり小なりの影響が出るかもしれない。
私は、うーんと低く唸った後に大きなため息を吐いた。
「平等なんて言葉は耳障りが良い自己満足でしかなく、平等を提唱する人ほど差別してますよ。人は他種族を貶め、他種族は人を嫌悪している。これは自業自得ですね。魔族は論外。何故他種族を根絶やしにしようとしたのか、この疑問を解明する必要があります。誰もが手を取り合って平和でハッピーになれば世界は救われるなんて傲慢なことを考えるのは夢物語です。せめて滅亡しない最低ラインを種族間で同一の認識をしておく必要があるんじゃないですかね」
「う、うむ……」
「時の神の幽閉も永遠ではないのですから、その対策も必要なのではないのですか? 人は魔王を悪に仕立て上げて聖女を持って打ち滅ぼすを表向き繰り返してますね。それを逆手に取って他種族と現状の関係の回復を図り、魔王と交渉をし不可侵条約を締結してみるとかでしょうか。もしくは、別の次元を作り棲み分けを図る。私的に後者を推します」
どちらを選んでも、最終的に滅ぶ運命を辿るだろう。
それが早いか遅いかの違いである。
「他種族との関係を回復する役目をお願いしても良いだろうか」
「だが、断る!!」
前世で言ってみたかった言葉第三位の台詞を言えて少しスッキリした。
言われた方は、狼狽しているが気にしない。
「やるなら両方しましょう。棲み分けが出来るように次元を構築して下さいな。それまでの間、出来るだけ私も働きかけます。他種族との関係修復は難しい課題ですが、まあやれるだけやってみます」
「恩に着る。ワシの加護は、大きすぎるから小さい加護を与えた。病気や呪いの影響はない身体になっている。頼んだぞ」
段々、テトラグラマトンの声が遠ざかっていく。
私を留めて置ける時間が過ぎてしまったのだろうか。
「…ま…さま……リリアン様」
ハッと辺りを見渡すと焦った顔で私に呼びかける神官の顔があった。
「ごめんなさい。少しボーッとしてしまったわ」
咄嗟に取り繕った笑みを浮かべると、神官はホッと息を溜息を吐いた。
「魔法具に触れられた瞬間、凄い光と共に微動だにされなくなったので心配しました」
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