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オブシディアン領で労働中
アルベルトからの電話がうざいです
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アルベルトからのヘルプコールのウザさに、うんざりしているリリアンです。
あまりにも気になるコール音なので、思い切って変えました。
昔ハマっていたゲームのオープニング曲をフルで設定したよ。
64和音なので音質は良くないが、あのコールよりはマシである。
「着信音が気にならなくなると、仕事が捗るわね」
もはやBGMと化したコール音を聞きながら、仕事をこなす。
ずっと鳴り続けるわけでもないため、コール音の長短はあるが仕方がない。
「リリアン様、出なくて宜しかったのですか?」
フェディーラが、心配そうに聞いてくる。
「かけてくる相手によって、コール音は変えているから問題ないわ。着信拒否の機能を盛り込めないかしら……」
今までは通話できることだけを考えてきていたので、着信拒否の機能までは頭になかった。
次の試作品には、着信拒否機能が搭載された携帯電話を作ろう。
そんなことを考えていたら、別のコール音が鳴った。
「はい、リリアンです」
「お嬢様、お忙しいなか失礼します。フリックで御座います」
王都にあるアングロサクソン邸に設置した電話からフリックがかけてきた。
珍しいこともあるものだ。
「貴方が電話をしてくるなんて、何かあったのかしら? 仕事は滞りなく済んで?」
「引き渡しは無事に終わりました。ただ、アルベルト殿下が、お嬢様と連絡がつかないと押しかけられまして何かあったのではと思い連絡を致しました」
着信を無視しただけで自宅に押し掛けるとは、何てこったい!
学校はどうしたと突っ込む前に、フリックから頭の痛い報告があった。
「学園の方は、急遽休みを取ったそうです。お嬢様と連絡がつかないからという下らない理由で」
「……お目付け役達は何をしているの?」
思わずエバンス兄妹は何をやっているんだと頭を抱えていたら、
「ピューレ家への集団訴訟の準備が整ったようで、本日は学園を休んで手続きに出掛けているとのことです」
そう言われてしまうと、怒るに怒れない。
不在時に、ふざけた理由で授業をサボるとは思わないものね。
「それで如何致しましょう?」
「用件は、バーバリー伯爵夫人の事でしょう。お母様経由で撮影日が被った日だけ補講しないようにお願いしてあるから適当にあしらって頂戴」
これ以上アルベルトに時間をかけるのも勿体ない。
溜息が漏れそうになるのを必死で堪える。
「かしこまりました。いっそうの事、電話を取り上げては如何ですか?」
フリックの魅力的な提案にグラッときたが、何とか理性を繋ぎとめる。
「最後の綱だから無理ね。それで、いつ頃こちらに戻れそう?」
「直ぐにでもと申し上げたいのですが、人材を揃えるのに時間が掛りそうです」
「事前にお父様に手配を頼んでいたのに、集まっていなかったのですか?」
ふざけんなよとは言わないが、流石にイラッときたのが言葉の端々に出てしまった。
「捕縛の後処理もありますので、直ぐに多くの人材を送ることは出来ないとのことです」
そう言われてしまうと、ぐうの音も出ない。
どうしようかと考えていたら、
「宮勤めしている者の中で、燻っている者もいるでしょう。その方々を引き抜いてはどうですか?」
とナイスな提案をしてきたので、私は二つ返事で採用した。
「人選はフリックに任せるわ。出来るだけ早く戻って来て頂戴ね」
「勿論で御座います」
フリックの背後から代われだの、電話に出ろだのアルベルトの声が聞こえてくるが無視だ。
フリックと電話を終えて一息吐いているが、アルベルトからの電話がピタリと止んだ。
何をしたかは分からないが、多分慇懃無礼な態度で高圧的にアルベルトに対し私の邪魔をするなと念押ししたのだろう。
本当に何から何まで有能過ぎる。
有能な彼でも、コレットの矯正は難易度が高そうだ。
現に、今も色んな場所で悲鳴を上げているのだから。
あまりにも気になるコール音なので、思い切って変えました。
昔ハマっていたゲームのオープニング曲をフルで設定したよ。
64和音なので音質は良くないが、あのコールよりはマシである。
「着信音が気にならなくなると、仕事が捗るわね」
もはやBGMと化したコール音を聞きながら、仕事をこなす。
ずっと鳴り続けるわけでもないため、コール音の長短はあるが仕方がない。
「リリアン様、出なくて宜しかったのですか?」
フェディーラが、心配そうに聞いてくる。
「かけてくる相手によって、コール音は変えているから問題ないわ。着信拒否の機能を盛り込めないかしら……」
今までは通話できることだけを考えてきていたので、着信拒否の機能までは頭になかった。
次の試作品には、着信拒否機能が搭載された携帯電話を作ろう。
そんなことを考えていたら、別のコール音が鳴った。
「はい、リリアンです」
「お嬢様、お忙しいなか失礼します。フリックで御座います」
王都にあるアングロサクソン邸に設置した電話からフリックがかけてきた。
珍しいこともあるものだ。
「貴方が電話をしてくるなんて、何かあったのかしら? 仕事は滞りなく済んで?」
「引き渡しは無事に終わりました。ただ、アルベルト殿下が、お嬢様と連絡がつかないと押しかけられまして何かあったのではと思い連絡を致しました」
着信を無視しただけで自宅に押し掛けるとは、何てこったい!
学校はどうしたと突っ込む前に、フリックから頭の痛い報告があった。
「学園の方は、急遽休みを取ったそうです。お嬢様と連絡がつかないからという下らない理由で」
「……お目付け役達は何をしているの?」
思わずエバンス兄妹は何をやっているんだと頭を抱えていたら、
「ピューレ家への集団訴訟の準備が整ったようで、本日は学園を休んで手続きに出掛けているとのことです」
そう言われてしまうと、怒るに怒れない。
不在時に、ふざけた理由で授業をサボるとは思わないものね。
「それで如何致しましょう?」
「用件は、バーバリー伯爵夫人の事でしょう。お母様経由で撮影日が被った日だけ補講しないようにお願いしてあるから適当にあしらって頂戴」
これ以上アルベルトに時間をかけるのも勿体ない。
溜息が漏れそうになるのを必死で堪える。
「かしこまりました。いっそうの事、電話を取り上げては如何ですか?」
フリックの魅力的な提案にグラッときたが、何とか理性を繋ぎとめる。
「最後の綱だから無理ね。それで、いつ頃こちらに戻れそう?」
「直ぐにでもと申し上げたいのですが、人材を揃えるのに時間が掛りそうです」
「事前にお父様に手配を頼んでいたのに、集まっていなかったのですか?」
ふざけんなよとは言わないが、流石にイラッときたのが言葉の端々に出てしまった。
「捕縛の後処理もありますので、直ぐに多くの人材を送ることは出来ないとのことです」
そう言われてしまうと、ぐうの音も出ない。
どうしようかと考えていたら、
「宮勤めしている者の中で、燻っている者もいるでしょう。その方々を引き抜いてはどうですか?」
とナイスな提案をしてきたので、私は二つ返事で採用した。
「人選はフリックに任せるわ。出来るだけ早く戻って来て頂戴ね」
「勿論で御座います」
フリックの背後から代われだの、電話に出ろだのアルベルトの声が聞こえてくるが無視だ。
フリックと電話を終えて一息吐いているが、アルベルトからの電話がピタリと止んだ。
何をしたかは分からないが、多分慇懃無礼な態度で高圧的にアルベルトに対し私の邪魔をするなと念押ししたのだろう。
本当に何から何まで有能過ぎる。
有能な彼でも、コレットの矯正は難易度が高そうだ。
現に、今も色んな場所で悲鳴を上げているのだから。
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