かちこみっ!

もっけさん

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ミズガルズ ー貿易都市ミストハレー

第14話 商談・後

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  アンナと共に私は職員専用の風呂場に来ていた。アンナには裸になって貰い、私は合羽かっぱを着ている。
 「じゃあ、先ずはメイクを落としていきましょう。最初はクレンジングでメイクを落とします。」
 アンナにクレンジングの容器を見せ
 「2~3回プッシュして下さい。両手で顔に馴染ませて特に円を描くように指の腹でクルクルと撫でるようにメイクを落とします。特に気になる目元や鼻は集中的にした方が効果があります。色が白く濁ったら微温湯ぬるまゆで落とします。」
メイク落としを教える。
 次は100均で購入した4個セット薔薇の香りの石鹸だ。泡立てネットを使って
 「この泡立てネットを使って石鹸を泡立てます。」
泡立てネットは拘ってる。安物だと良く泡立たないからね。
 「良い匂いです。これは薔薇ですね…それにしても石鹸がこんなに泡立つなんて凄いわ。」
 こんもりした泡をアンナの手に乗せて
 「植物性の石鹸なのでサッパリしますよ。ゴシゴシせずに泡を転がすように洗います。ゴシゴシ洗うと肌が傷付くので注意して下さい。」
洗顔方法を伝えると恐る恐ると言った感じに顔を洗うアンナ。 
 「微温湯ぬるまゆで丁寧に洗い流して下さい。」
 「嘘っ、肌が突っ張らないわ。洗う前よりモチモチしている。」
 顔を洗ったアンナの感想に
 「では次は洗髪しましょう。このピンクのボトルを2~3回プッシュして下さい。髪の長い人は多めにプッシュして量を調節して使って貰います。泡立つまで繰り返し洗って下さい。」
シャンプーを髪に馴染ませて洗っていく。3回繰り返した頃、ようやく泡立った。
 「泡を流すので目を瞑って下さいね~」
 泡を流してタオルで水気を取る。
 「髪を流したらタオルで一度水気を取って下さい。次に青のボトルのリンスを髪の毛に馴染ませます。こちらも2~3プッシュぐらいで良いと思います。」
 アンナの髪にリンスを塗っていく。
 「リンスが髪に馴染んでいる間、体を洗いましょう。黄色のボトルがボディーソープになります。身体を洗う石鹸ですね。身体を洗うタオルにボディーソープを4~5回プッシュして下さい。タオルを泡立てて体を洗っていきます。」
 背中は私が洗い、前は自分で洗って貰った。
 「ふう…気持ち良いです。」
 お湯で体の泡を洗い流したので、ついでにリンスも一緒に洗い流した。
 タオルで全身を拭いて脱衣所に戻る。
 先日取得した風魔法と火魔法を使ってアンナの髪の毛を乾燥させる。
 「最後に髪の毛を美髪にする真髄とも言えるトリートメントです。水色のボトルから掌に3プッシュして髪の毛に薄く馴染ませて下さい。」
 アンナは私の言う通りにトリートメントを髪の毛に馴染ませた。
 「次は基礎化粧品の出番です。先ずは化粧水を手のひらに化粧水を適量出して、手のひらの上で軽くのばしたら、顔の内側から外側にむかってなじませます。顔全体に化粧水をつけられたら、手のひらで顔を包み込むようにして肌にじっくりなじませます。この時パッティングして化粧水を肌に叩き込むと良いでしょう。」
 アンナは私の指示通りに化粧水を顔全体に馴染ませた。
 「次は美容液です。金貨1枚ぐらいの大きさ出して顔全体を包み込むように軽くおさえて美容液を浸透させるイメージで、優しくハンドプレスします。」
 美容液を塗ったアンナは心地良さげだが最後の仕上がりとして
 「最後に乳液を付けます。手で乳液を温めます。銅貨1枚ぐらいの大きさを手に取ります。顔の中心から外側に向かって付けます。手の平全体を使って優しく顔の中心から外側に向かって伸ばして下さい。乾燥しやすい部分は重ね付けします。付け過ぎるとニキビの原因になるので付け過ぎないように注意して下さい。」
乳液の説明をした。
 「とっても素晴らしいです。良い匂いだし、肌のトーンが明るくなりました。髪の毛も艶々でサラサラしていますし文句無しで売れます!」
 ふんすとやる気を出すアンナに
 「でも実績が無いので無料モニターとして商業ギルドの受付嬢の方に1ヶ月使用して貰うことは可能ですか?行く行くゆくゆくは基礎化粧品・洗髪薬・育毛剤は商業ギルドに卸す予定です。」
話を振ってみると
 「分かりました。職員の厳選は私がしても宜しいでしょうか?」
乗り気のようだ。依頼料出さなくてラッキー。
 「ええ、お願いします。お店の軌道が乗ったら化粧品も扱っていく予定です。」
 「育毛剤はどのように使うのですか?」
 「育毛剤には専用の洗髪剤を使った後、髪を乾かして頭皮に育毛剤を塗布するだけです。効果は人によって差がありますので1ヶ月半みていただければ効果が出てくると思います。育毛剤のモニターは3ヶ月にしましょう。使い方は紙に記載していますので、そちらもモニターを探して頂けると幸いです。」
 「分かりました。育毛剤に関しては商業ギルド以外の人に打診しても良いでしょうか?」
 アンナの提案に私は眉を顰める。商業ギルドが広告塔になれば良いけど、一般人や冒険者は広告塔にならない。そんな私の考えを見透かしたのか
 「貴族の方で何名か頭髪に悩んでいる方がいるので、その方にモニターをして頂くのは如何でしょうか?」
素敵な提案をしてくれた。貴族なら社交界で噂になるだろう。ナイス判断だ!
 「それならアンナさんにお任せしますね。いくらぐらい用意したら良いでしょう?」
 「そうですね。女性職員が13名と有力貴族が3名ですので、ご用意して頂ければと思います。」
 「分かりました。私は行くところがあるのでお邪魔させて貰っても良いですか?報告はアンナさんからウォーレンさんにして下さい。」
 「畏まりました。」
 化粧をしてウォーレンさん所へ戻るアンナを置いて、私は商業ギルドを後にした。
 その後、冒険者ギルドにてギルド職員に基礎化粧品と洗髪薬のモニターを依頼して一二三ひふみと合流したのだった。
 合流した一二三ひふみに遅いと罵られるのであった。
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