変態御曹司の秘密の実験

綾月百花   

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3   御曹司と出張

4   お風呂で熱い夜のはずが



(なんてロマンティックなんだろう)
 沈む夕日を部屋のお風呂の中で見ている。
 お風呂はジェットバスがついていて、泡風呂だ。
 亜梨子のつるんと幼く見える恥部も隠れる。
 誉の膝に座って、最後の明かりを灯すように光り輝きながら、夕日は沈んでいき、オレンジ色の空が夕闇と溶け合っていく。
「綺麗でしたね」
「亜梨子の方がずっと綺麗だけどね」
 珍しく胸に触れずに、夕日を見せてくれた。
 誉の膝から降りて、泡風呂に浸かる。
「豪華なお部屋ですね。こんなに贅沢して経費で落ちるんですか?」
「僕は社長の御曹司で、ピンク部の社長だ。誰も文句は言わない。経費で落とさなくても実費で払える」
「実費なんですか?」
「たぶん、経費で落ちるだろう」
「なんて緩い会社でしょうか?」
 背後から誉が近づいてきて、後ろから抱きつかれる。
「亜梨子、明日はウエディングドレスを試着してくれないか?」
「気が早いですよ」
「むしろ遅いくらいだ」
「はあ。遅いですか?」
 エッチな服を着せられるよりはマシだ。
「わかりました」
「亜梨子はいい子だね」
 誉の手は、また亜梨子の胸に触れている。
 乳首をキュッと摘ままれて、またお腹がキュンとした。
(また悶々してきた)
 お尻にあたる誉の性器が大きくなっている事に気付いて、亜梨子は体の向きを変えた。
(触ってみてもいいかな?)
 ドキドキしながら、誉の勃起したそこに触れた。
 漲った性器に触れた瞬間、慌てたように身を引かれて、ショックを受けた。
「嫌ですか?」
「嫌でないが、突然で驚いただけだよ」
「どうしたら気持ち良くなれますか?」
「亜梨子の胎内(なか)に入れたら気持ち良くなれるだろうな」
 言いながら、誉は亜梨子の手の上から自身を扱いて達してしまった。
「まだ抱いてくれないんですか?」
「慌てるな、亜梨子」
 もう勃起してない欲望が、亜梨子の体に触れる。
 しょんぼりした亜梨子の顔を上げさせると、欲望を駆り立てるようなキスが亜梨子の唇に触れてきて、口腔内を犯される。
(また悶々するだけだわ。私には魅力はないのかしら)
 童顔だし、美人じゃないし、背も低くてチビだし。胸が大きなところしか魅力がない。
(はぁ・・・)
 胸ばかりを触る御曹司に、苛立ちさえ感じてしまう。
「もう胸に触らないで」
 揉まれ、摘ままれ、欲求不満でこのバスルームから飛び出していきたくなる。
「嫌だったのか?」
「嫌です」
「亜梨子の胸は気持ちがいいんだがね」
 誉の手が離れていき、亜梨子は誉から距離を取った。
「のぼせてきたから、そろそろ上がるよ」
 誉が湯船から出て、シャワーを浴びて浴室から出て行った。
 亜梨子は階段状になった湯船の縁に座ると、半身浴をしながら、いつの間にか暗くなった夜空を見ていた。
(胸しか興味がないのかしら?)
 つるんとした局部は、子供っぽい。顔と同じで子供っぽい。全然魅力的じゃない。
 自分でも恥ずかしい。
 検査のために、生えてくる陰毛を毎日剃っている。
(やっぱり私は検体なのね)
 結婚や婚約を口にしながらも、抱いてもらえないのは寂しい。
 古くて小さな部屋でいいから、新しい家を探そう。
 仕事も新しく探そう。
 心が壊れてしまわないうちに。
 亜梨子はジェットバスのスイッチを切った。
 激しく流れていた水流が止まった。
 細かな泡が少しずつ弾けていく。
 フラストレーションは、少しずつ弾けさせないと、爆発してしまう。
 好きだけど、嫌いになってしまう。
 好きと嫌いは紙一重だ。
 亜梨子は湯船から出ると、シャワーを浴びて体中のソープを洗い流した。
 鏡に映る自分の姿をじっと見る。
 幼い顔つきに、陰部にも陰毛がなく、まるで子供だ。子供ではない場所は胸だけだった。
 気に入らない姿を写す鏡をシャワーで流し、亜梨子は体を拭ってバスローブを羽織った。
 背の低い亜梨子には大きすぎて、裾が濡れてしまった。
 仕方なく、亜梨子はバスローブの水気をタオルで吸わせて、長い髪を乾かすときにバスローブも一緒に乾かした。


 ベッドルームに行くと誉は眠っていた。
 まだ夕食も食べていないのに、ぐっすり眠っていた。
 寂しいな。
 一人取り残されて、両親が急に亡くなった時の気持ちが押し寄せてきた。
 寂しがる時間も与えられず、会社が倒産して、従業員に退職金を要求された。あの時、もっと知識があれば良かった。弁護士に間に入ってもらっていたら、財産のほとんどをむしり取られることはなかっただろう。
 大学を出て、初めて社会の仕組みを知って、幼かった自分に苛立ちを感じたが、もう終わったことだ。亡くなった両親も帰ってこないし、無くなった資産も返ってこない。
 亜梨子はベッドに上がらず、ソファーに横になった。小さな亜梨子はソファーでも十分眠れる。けれど、孤独を抱えたままで眠気は来なかった。
 深夜に目覚めた誉は、真っ暗な部屋で亜梨子を探していたが、聞こえないふりをして目を閉じた。
「亜梨子、どうしてソファーで寝ているんだ?」
 電気をつけて、やっと亜梨子を見つけた誉は、亜梨子を抱きかかえて、ベッドに寝かせた。
「食事を忘れて眠るなんて。今夜は特別な夜にしようと思っていたのに。すまない」
 誉なりに予定を立てていたのだろう。ため息を漏らすと、部屋の明かりを消した。
「亜梨子、愛しているよ」
 頬にキスをされて、亜梨子は寝返りうって、誉に背を向けた。
(どんな愛でしょうか?)

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