《完結》愛されたいわたしは幸せになりたい

綾月百花   

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7   晩餐会

 王宮の中ホールを使い、シェフ達が腕を振るい、豪華な食事を並べていく。

 さすがに、執務をしていたわたしの部屋にも、使用人が迎えに来た。そのお陰で、晩餐会に遅れるという失態を犯すことはなかった。

 イブニングドレスなど持っていないので、朝着ていたドレスで出席した。

 ジュリアン様は、全身が宝石になったような銀色のドレスを着て、髪留めもネックレスもダイヤモンドで飾られていた。

 本当に、どちらが本妻か分からない。

 ペリオドス王太子殿下は、ジュリアン様と揃いになるようなダイヤモンドのタイピンやカフスを身につけていた。

 クラクシオン皇太子殿下は、落ち着いた濃紺の正装を身につけていた。

 特に着飾っているようには見えないが、とても似合っていて素敵だった。

 本来持った瞳の色や髪の色だけで、栄えるので着飾る必要がないのだろう。

 国王陛下も正装をしている。王妃様は、臙脂のタイトなドレスを身につけ、宝石で綺麗に着飾っている。

 座る順も、いつもと変わらない。

 国王陛下と王妃様、ペリオドス王太子殿下の隣には、ジュリアン様。そうして、わたしが座っている。

 派手に着飾ったジュリアン様の横に座っているので、わたしの地味さが際立っていて、恥ずかしく思う。

 本来、わたしのドレスを買うための資金は、ペリオドス王太子が、全てジュリアン様の資金にしているので、ジュリアン様は二人分の予算を使ってドレスや宝石を買っている。

 わたしが今、着ているドレスは、国王陛下が第二夫人の為の予算を使って作ってくださった物だ。

 たった一着のドレスでさえ、わたしには簡単に手に入らない。

 第二夫人には王女が二人と、末に王子が一人いる。

 王女達には、許嫁が既にいて、公爵家に嫁ぐ予定になっている。

 公爵家は王家の血を引く者が、継いでいる。

 王女の子が、いずれ王家に嫁げるように、国王陛下は考えておいでのようだ。

 お茶会をして、婚約者とも仲がよろしいとか。

 恋愛を知らないわたしからしたら、人を愛するという事すら理解できない。

 わたしが学んだ事は、ペリオドス王太子殿下に危険があれば、隠し持ったナイフで戦い、万が一命を狙われた時は、ペリオドス王太子殿下が逃げられるように、楯になり、わたしが命を落とすと言うこと。

 尊いペリオドス王太子殿下こそ、最愛の者らしい。

 愛されてもいないのに、最愛って、なんだろう?とお妃教育で学びながら、思った物だ。

 けれど、そのお妃教育は、恐ろしい物だった。

 振り下ろされる剣を前に、目を閉じることさえ許されない。

 最後の最後まで、しっかり目を開け、ペリオドス王太子殿下をお守りすること。

 何度も叩かれて、体中に痣も作った。

 気を失うことも許されなかった。

 それほど、大切な人なのだろうか?

 仕事もせずに、第二夫人と遊んでばかりいるのに……。

 何の味もしない料理を食べて、空腹を紛らわす。

 今日は久しぶりに、きちんとした料理を食べたような気がします。

 果実酒は、参加者に振る舞われているが、使用人は、わたしのグラスには注がない。

 この後、仕事をさせるつもりなのだろう。

 王妃様の考えていることは、なんとなく分かるのだ。

 水を飲み干すと、わたしのグラスに水を注ぎ入れてくれる。

 今日は使用人も親切ね。

 水をくれるなんて……。

 どこか体でも悪いのかしら?

 それとも体面を考えてのことかしら?

 どうでもいいけれど。

 この国の特産の果実酒は、視察にいくが飲んだことがない。

 美味しいのだろうか?

 今度、視察に行った時に、飲ませてもらおうかしら。

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