《完結》愛されたいわたしは幸せになりたい

綾月百花   

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13  帝国へ 途中の宿場町で

「せっかく遊園地が来ているのに、帝国に行かなくちゃいけないなんて不幸だわ。それに、目障りな物が目の前にあるんですもの」

 ジュリアン様はわたしを睨んで、口をとがらす。

 今日もお洒落なドレスを身につけて、美しい宝石で飾っている。

 頭からつま先まで、綺麗に飾られて、綺麗にお化粧もされている。


「置物だと思っておればいい」


 ペリオドス様も大概だ。

 置物とは酷い言われようだ。

 わたしも同じ馬車に乗せられて、とても不満なのだ。

 けれど、警備上、この方が無駄がないのも事実だ。

 ドゥオーモ王国から帝国まで約二日。

 夜に宿場町で一泊して朝発てば、もう昼には帝国に到着する。

 休まず馬で駆ければ、一日で到着してしまうほど、ドゥオーモ王国は帝国の近くの国なのだ。

 一歩間違えれば、ドゥオーモ王国は帝国の一部になりそうで、国王陛下はそれを恐れている。

 母様は幼い頃から帝国に留学されていたという。

 そこで医学を学んだと教わった。

 どうして、母様は帝国の人と結婚をしなかったのだろう?

 どうして、小国に戻って、父と結婚したのだろう?

 父には愛人がいたのに。

 不思議なことばかりだ。

 目の前で手を繋ぎ、顔を寄せ合って、話をしている二人から目を逸らし、窓の外を見る。

 コメが育った田園が広がっている。

 長閑な景色だ。

 この地を戦場に替えてはならないと思う。

 遠くに堤防も見える。

 洪水から、田畑を護り、民の家が流されることがないようにと長い時間を掛けて作った堤防とダムだ。

 この田園も民家も護ってくれるだろう。

 収穫の時期、豊作であるといい。

 明け方近くまで執務をしていたので、眠くなってくる。

 わたしは馬車に揺られながら、眠りに落ちていく。


「王太子妃様、宿に到着致しました」


 わたしはぼんやりと目を覚ました。

 困った顔の騎士が、わたしを見ていた。


「あ、ごめんなさい」

「お昼休憩の時も声を掛けましたが、起きられなかったので起こしませんでした。王太子殿下がそれでいいと言われましたので」

「ごめんなさい」


 馬車の中には、もうペリオドス様もジュリアン様もいなかった。

 わたしは急いで馬車から降りる。

 小さな宿場町だった。

 帝国の近くの宿場町は、宿屋が何軒かあって、他は食べ物屋や土産屋が並んでいる。

 建物は古く感じる。

 帝国に向かう者が一泊して、出掛けるための宿場町なのだろう。

 比較的大きな建物に案内された。

 階段を上っていく。


「この旅館は、貸し切りになっております」

「ええ」

「お部屋は、王太子殿下と第二夫人の隣の部屋になります」

「分かりました」

「食事は一階に食堂があるそうです。そこで召し上がってください。お風呂は大浴場しかないそうです。お風呂も一階です」

「はい」

「朝の出発は7時になります」

「はい」

「では、ごゆっくりお休みください」

「ありがとう」


 騎士は、わたしを部屋まで送ると、部屋の鍵をわたしに渡し、頭を下げて戻っていった。

 どうやら、ここからは自由行動のようだ。

 食事もお風呂も一人なのは、いつもと変わらない。けれど、今日は食堂という場所で食べるようだ。

 何が食べられるのだろうか?

 着替えの入った荷物が、部屋に運ばれていた。

 よく寝たので、頭がスッキリしている。

 部屋は比較的広い部屋で、大きな寝台が置かれている。

 ベッドと言うより、寝台と言うような寝床だった。

 一般的に平民が使う寝台だと思う。

 ペリオドス様とジュリアン様は、さぞかし不満を言うだろう。

 部屋の様子を見てから、部屋に鍵を掛けて、一階に降りる。

 まずは食事をしようと思った。

 騎士達が、まだ慌ただしく、行き来している中、わたしは食堂と書かれた部屋に入った。


「いらっしゃいませ」


 わたしと同じ年頃の女の子が頭を下げた。


「お好きな席にどうぞ」

「ありがとう」


 お礼を言うと、女の子の頬が赤くなる。

 食堂の奥にはペリオドス様とジュリアン様が座っていたので、二人から離れた席に座った。

 ジュリアン様が騒いでいる。

 どこでも、落ち着きがない。

 いつまで経っても子供のようで、見ていて辟易してしまう。


「これ何よ?草?草に虫?こんな物食べ物じゃないわ」

「草ではないだろう。虫でもない」

「じゃ、なんなの?」

「サラダと胡麻だろう?」

「この草がサラダ?黒いのが胡麻?胡麻は白いわよ」

「黒いのも白いのもあるんだよ」

「そんなの知らないわ」


 無知だけだと思うけれど、よく王太子も付き合っていると思うわ。


「これは何、焦げているわ」

「焼き魚だろう?」

「こんなの食べたことがないわ」


 暫くすると、女の子がお膳を持ってきた。


「お待たせしました」

「ありがとう」


 目の前に食事が載ったお膳が置かれた。

 なるほど。

 レタスとほうれん草のサラダに黒胡麻が掛けられているのだ。

 川魚が焼かれているのね。

 穀物の煮物と汁物。ライスには青菜が混ぜてある。

 王宮では出ない物だが、お妃教育では食べたことがある。

 銀のカトラリーを置き、庶民が使う箸を使った食事方法は、視察の時に役立つ物です。

 王家の者は箸も使えないのかと言われないように、箸の使い方は、子供の頃に既に習っています。

 これも慣れなので、慣れればフォークを使うよりも食べやすい物です。

 それに上品な食事の食べ方は、上流階級の者としての嗜みです。

 サラダを食べて、お魚を綺麗にほぐして、食べてみると塩味のする美味しい物だ。

 汁物は大豆を発酵させて作った味噌汁だろう。

 具沢山で、なかなか美味しい。

 平民食の中では、高級な食事だと思う。

 ペリオドス王太子殿下は、きちんと教育を受けられたから知っているのだろう。

「食べる物がない」と騒ぎ出したジュリアン様のお膳を、わざわざ引き寄せて、お魚をほぐしてあげている。

 ペリオドス様は面倒見がいいのだと初めて知った。

 けれど、それはジュリアン様限定なのだろう。

 ペリオドス様に促されて、ジュリアン様は食事を嫌々食べている。

 美味しいと思うけれど、どうやら彼女の口に合わなかったようだ。

「まずい」「まずい」と繰り返して、まるで駄々っ子だ。

 平民の子供でも、こんなに騒いだりしないだろう。

 王妃教育どころか淑女教育も終えていないように見える。

 王家の人間として、恥ずかしい。

 わたしは騒いでいる二人には声を掛けずに、食事終えると、席を立った。

 扉の近くに立っている女の子に声を掛けた。


「ご馳走様。美味しかったわ。ありがとう」


 女の子はまた頬を染めた。


「ありがとうございます」


 女の子は綺麗なお辞儀をした。

 平民の女の子の方が、ずっと礼儀正しい。

 ジュリアン様は、この女の子の爪の垢でも煎じて飲んでみた方がいいかもしれない。そうしたら、礼儀正しくなるかもしれないわ。

 わたしは部屋に戻ると、一人でお風呂場に向かった。

 脱衣所には、部屋着になる服が置かれていた。

 ドレスを脱いで、大浴場に入っていく。

 わたしには侍女はいないので、いつものように頭と体を洗い、顔もしっかりと洗う。

 大きな浴槽に入ると、なかなか気持ちがいい。

 熱めのお湯なので、半身浴をしていると、風呂場の扉が開いた。

 ジュリアン様が侍女を伴って、入ってきた。


「まあ、広いお風呂ね」


 お風呂を見て、声を上げたが、わたしがいることに気づいて、あからさまに不機嫌な声を出した。


「まあ、嫌だわ。あの女が入ったお湯に入るなんて、汚いわ。直ぐにお湯を入れ替えてもらって」


 わたしは溜息をつき、お風呂から上がった。

 大きなタオルを体に巻き付けて、脱衣所に出て行く。

 付き添った侍女達が困っている。

 大浴場の湯を替えるのに、どれほどの時間と費用がかかるだろう。簡単ではないことは、考えるまでもない。

 それくらいは考えて言葉に出して欲しい。


「ジュリアン様、お体を洗いましょう。その間に湯を替えられるか聞いて参ります」

「これ何、シャワーがないわ。信じられない」


 信じられないのはジュリアン様の方だ。

 ここは、王宮ではなく、平民が利用している宿場町なのに、王宮と同じ物を求められても、あるはずもない。

 わたしの部屋には、シャワーもないけれど。

 侍女が急いで戻ってきた。


「ジュリアン様、お湯は替えられないそうです」

「何ですって。こんな汚いお風呂には入れないわ」

「でしたら、体だけでも洗いましょうか?」

「そうね。そうするわ」


 湯を掛けられ、悲鳴を上げる。


「嫌よ。このお湯で洗うの?」


 もうすっかり濡れているのに、まだ騒いでいる。


「まず髪を洗いますね」

「嫌よ。嫌よ。大浴場なんて汚いわ」

「汚れてはいませんよ」

「シャワーじゃないんですもの」

「水道から出たお湯ですから、綺麗ですわ」


 ジュリアン様のご実家だって、シャワーなどなかったはずだわ。

 王宮の暮らしに馴染みすぎて、もう実家のことも思い出すこともないのかもしれない。

 わたしは脱衣所で体を拭き、被るだけの部屋着を着て、髪を乾かす。

 ジュリアン様は決して、この部屋着は着ないだろう。

 湯上がりにドレスなんて、暑くて着られないから、どうするつもりだろう思ったが、はっきり言ってジュリアン様の事などどうでもいい。

 この部屋着は女性用の物なのか、裾が長くて、上着も付いている。

 それを羽織れば、誰かと擦れ違っても恥ずかしくない作りになっている。

 眠るときは、羽織を脱げばネグリジェになるのだろう。

 なかなか便利な物だ。

 わたしは大きな鏡の前で髪を梳かし、タオルで髪を拭いていると、浴室への扉が開いた。


「もう我慢できない。リオスに言いつけてやる」


 リオスはペリオドス様の愛称だ。

 呼んだことは、もちろんないが、ジュリアン様よりペリオドス様との付き合いが長いので、ペリオドス様の子供の頃の姿も知っているわけで、王妃様から愛称で呼ばれていた姿も目にしている。

 ジュリアン様は、ペリオドス様のことを愛称で呼んでいるのだろう。


「マリアナ、よくも一番風呂に入ったわね。一番風呂は私が入るつもりだったのよ。お風呂を汚染させて、私はお風呂にも入れやしないわ」


 怒っているので、ジュリアン様はわたしに敬称さえ付けない。

 わたしは腐っても第一夫人だわ。

 不敬だわね。

 言っていることも、めちゃくちゃだわ。

 関わりたくないけれど、一言、言いたくなった。


「ジュリアン様、わたしは、その様な事は聞いてはおりません。大浴場という場所は、皆が一度に入るお風呂です。なので、わたしとジュリアン様が一緒に入ったとしても間違いではございません。順序を付けたいのなら、そもそも第一夫人のわたしが一番風呂に入る権利があります。わたしは、それほど器が小さいわけではございません。なので、第二夫人のジュリアン様が、どうしても一番風呂に入りたいとおっしゃるなら、譲ったと思いますが、事前にその様な事は聞いておりませんので、誰もいないうちに済ませてしまおうと思っただけですわ。ここは、元々平民が使う宿でございます。貸し切りにしていただいているお陰で、ジュリアン様の我が儘な振る舞いも多めに見ていただけていますが、郷に入っては郷に従うというお言葉もございましょう。第二夫人として、王家の恥にならぬようにして戴きますようにお願いしますね」


 言ったわ。

 とうとう言ってしまった。

 ああ、スッキリした。

 ジュリアン様はお顔を真っ赤にしておりますわ。

 裸で、その様な怒った顔をなさって、素肌は晒す物ではありませんわ。

 タオルという物がありましょう。

 それで、お体を隠したら如何でしょうか?

 素っ裸で、仁王立ちになっている姿は、お世辞にも美しいとは思えませんわ。

 突然、頬を叩かれて、わたしは痛みの走った頬を押さえた。


「屈辱的ですわ。第一夫人とか言っていますけれど、マリアナ、貴方は一度も旦那様であるペリオドス様に抱かれたことすらないのに、よくその口が言いますわね。私は毎日、寵愛を受けている身ですのよ。どちらが愛されているのか、順序を付けるなら、私の方が一番ですわ。愛されてもいないのに、生意気ですわ。恥を知りなさい」


 もう一度、手を振り上げた手が、わたしのもう片方の頬を叩いた。

 痺れを伴う痛みが、頬に伝わり、わたしは逃げ出すように脱衣所を後にした。

 脱衣所の中で、ジュリアン様の高笑いが聞こえる。

 彼女に手を上げられたのは、初めての事だ。

 立場上なら、わたしの方が上だが、どちらが愛されているかと比べられたら、ジュリアン様の言うとおりなので、わたしは脱衣所で余計な事を言ってしまったのだ。

 ああ、頬が痛む。

 両頬を叩くなんて、わざとに違いない。

 咄嗟に逃げ出してしまって、情けないわね。

 ようやく、言いたいことを言ったのに、まるで負けたようですわ。

 実際、負けたのでしょうけど。

 わたしは、好戦的な性格ではありません。

 ストレスが溜まりすぎて、余計な事を言ってしまったようだ。

 後悔はないけれどね。

 ああ、頬が痛い。

 冷やしておかなければ、腫れてしまうかもしれないわね。

 でも、腫れた顔をしていても、誰も何も言わないだろう。

 繕うのも、疲れた。

 両頬を叩かれたので、同じように腫れているだろう。

 せっかくの大浴場で、ゆったりすることができたのに、気分は底辺を這っている。

 その夜は、仕事もないので、早めに寝台に横になった。

 寝台は、王宮のベッドに比べると、やはり固めだ。

 これが平民の暮らしなのだと思った。

 この宿屋は、きっとこの宿場町の中で一番の宿に違いない。

 一般的な平民は、もっと堅い寝台で寝ているのだろう。

 いかに、自分が恵まれている暮らしをしているのか、自覚する。

 隣の部屋からは、甘い睦言が聞こえる。

 互いの名前を呼び、愛を囁きあい、情事の音が薄い壁を越えて、聞こえてくる。

 覗いているわけではないのに、隣で男女の睦言を無理矢理聞かされて、気分が悪くなってきた。

 黙れ、黙れ!

 ジュリアン様は、お風呂の一件を、泣きながらペリオドス王太子殿下に告げていた。

『俺が愛しているのは、ジュリアンだけだ。あの女は形だけの王太子妃だ。気にするな。真実の愛は、俺とジュリアンの元にある』

 何度もこの言葉を壁越しに聞いて、自分の立場を理解する。

 わたしは男女の営みを知らない。

 けれど、肌を打つような音まで聞こえてきて、とうてい眠りはやってこない。

 わたしは寝台から下りて、窓辺に寄った。

 夜空に星すら出ていない。

 生きている意味すら、分からなくなる。

 結局、一睡もできずに、早めに身支度をして、食堂が開く時間に食堂に出掛けた。

 早朝の食堂には、騎士達が大勢いた。

『おはようございます』と騎士達は、気持ちのいい挨拶をするが、わたしの顔を見ると、目を逸らし、『それでは、ごゆっくりどうぞ』と言って立ち去っていく。

 頬は相当腫れているようだ。

 その騎士達に混ざって、食事を戴いた。

 その後、部屋に戻ろうとした。

 隣の部屋から出てきたペリオドス王太子殿下は、わたしの顔を見た途端に、顔を怒りの色に変えた。


「貴様、自分が第一夫人だから偉いと言ったのだな?」

「そうとは申しておりません」

「貴様を愛するつもりは微塵もない。この先、永遠にな」

「そうでございますか。では離縁をしていただけますか?」

「なんだと!」

「離婚ですわ。貴方の妻になっていたくはありません。この先、執務だけのために結婚生活を続ける事が嫌なのです。なので、離婚してください」

「離縁などせぬわ。貴様は一生、俺の奴隷だ」


 ペリオドス王太子殿下は拳を大きく振り上げると、その拳はわたしの頬を叩いた。

 あまりの勢いで、わたしの体は飛ばされ壁にぶつかり頭を殴打した。そのまま廊下に倒れた。その体を蹴り、ペリオドス王太子はジュリアン様と手を繋いだ。


「いい気味」 

 ジュリアン様は、笑いながら、わたしを踏みつけて、わたしのお腹の上で何度か跳ねてから飛び降りて通り過ぎた。

 痺れるような頬の痛みに、涙が滲み出てくる。

 ぶつけた頭がクラクラする。

 蹴られ、踏みつけられたお腹が痛み、食べたばかりの食事がこみ上げてきて、わたしは嘔吐した。

 ジュリアン様の侍女が、戸惑い、わたしを避けるように通り過ぎていく。


「王太子妃、どうなされましたか?」


 通りすがりの騎士が数人慌てて、わたしの元にやって来た。

 体を抱き上げられ、部屋の寝台に横にされる。

 知らせを受けたジュリアン様の侍女の一人が、わたしの元にやってきて、顔を拭ってくれる。

 寝台の横には、グラスに水が入れられている。

 お言葉はない。


「ありがとう。もう平気よ。少し休めばよくなるわ。あなたは、もう行きなさい」


 ここにいたら、この侍女に居場所はなくなってしまう。

 それでは、この侍女が可哀想だ。

 ジュリアン様は、我が儘で無情なお方なのだ。

 わたしに少しでも親切にしたと気づかれたら、この侍女はクビになるだろう。

 名も知らないジュリアン様の侍女は、申し訳なさそうに頭を下げると、部屋を出て行った。


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