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34 ウエディングドレス
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わたくしの二度目のウエディングドレスは、王妃様が一緒に選んでくれました。
『もう三度目はないのだから、いい物を着なさい』と言って、清楚で美しいドレスを選んでくださいました。
『イグレッシアがエスコートするから』と、言って、裾の長いものになりました。
最初の結婚の時は、重いウエディングドレスで歩くのは大変だったことを思い出しました。
あの時は、旦那様がエスコートしてくだらなかったので、歩くのも大変でした。
結婚式の場所は、王都にある立派な教会です。
次々にいろんなことが決まっていき、なんだか夢を見ているようです。
『マリアーノ、普段着のドレスも作っておきなさい』と父が言った。
「ベルが生きていたら、質素なドレスばかり着せることはなかったと思うが、あまりに地味すぎる。王妃様、似合いそうな物を見繕ってくださいませんか?」
お父様は、王妃様にわたくしの普段着も頼んでくださった。
「そうね、マリアのドレスはいつも地味で、修道女が着るような質素な物ばかりだから、もっと派手にしてもいいのよ」
「わたくしは化粧品のモデルをしているつもりでいたのよ。ドレスより、肌を見て欲しくて」
「ドレスで人の目を引くことも、宣伝効果になると思いますよ」
「それでは、王妃様、わたくしを化粧品のモデルのようにしていただけますか?」
「勿論ですよ」
デザイナーと王妃様は、色見本から、肌映りのいい物を選んでいく。
最初の一着は、肌映りから、白を基調として、差し色を入れることで派手やかさを出して、夏用の五分丈の袖にフリルを付けた物を選んでくださった。
デザイナーはいろんなデザイン画を描いていく。
わたくしは飾り気のない地味なドレスしか着ていなかったので、似合うのかしらと心配になった。けれど、王妃様
が楽しそうに選んでくださるので、ここは流されようと思った。
イグが、わたくしの肩に手を置いた。
「気に入らなかったら、言ってもいいのだよ」
「いいえ、楽しみにしているわ」
一度目の結婚の時は、母が選んでくれた。
まだ成長期だったので、それほどたくさんドレスは作らなかった。
直ぐに身長が伸びて、体型も変わっていった。
あの時のドレスは袖も通さずに、バザーに出した物もあった。
その後作ったドレスは、自分の稼ぎで、地味な物を選んだ。
もう結婚などすることもないと思い、色白な肌が目立つことだけを思いドレスを買っていた。
お父様も兄夫婦も、わたくしのドレスについて何も言わなかった。
白い結婚詐欺事件の時、わたくしの人生は終わったと思ったのだ。
人生を諦めていたのに、今、イグと結婚できると思うと、まだ夢の中を彷徨っているような気がする。
イグの手がわたくしを包む。
背中を抱かれて、一緒にドレスを選んでいく。
幸せすぎて、怖く感じる。
ウエディングドレスのできあがりは、まだ少し先になる。
結婚式まで、あと4ヶ月くらいだ。
普段着は夏が来る前にできあがるそうだ。
陛下と王妃様は、招待状を出さなくてはと忙しそうにしているけれど、わたくしは、今は自由にさせていただいている。今は手伝える物がないようです。
招待状は王妃様が書くとおっしゃっていたので、わたくしはイグにプレゼントをするハンカチに刺繍をしています。
この国の国旗とイグをイメージして、鷹を刺繍しているの。
難しいけれど、遣り甲斐はあるのよ。
イグは精悍で、でも、心根の優しい人だ。
鷹の目は青で刺繍をするつもりなの。
『もう三度目はないのだから、いい物を着なさい』と言って、清楚で美しいドレスを選んでくださいました。
『イグレッシアがエスコートするから』と、言って、裾の長いものになりました。
最初の結婚の時は、重いウエディングドレスで歩くのは大変だったことを思い出しました。
あの時は、旦那様がエスコートしてくだらなかったので、歩くのも大変でした。
結婚式の場所は、王都にある立派な教会です。
次々にいろんなことが決まっていき、なんだか夢を見ているようです。
『マリアーノ、普段着のドレスも作っておきなさい』と父が言った。
「ベルが生きていたら、質素なドレスばかり着せることはなかったと思うが、あまりに地味すぎる。王妃様、似合いそうな物を見繕ってくださいませんか?」
お父様は、王妃様にわたくしの普段着も頼んでくださった。
「そうね、マリアのドレスはいつも地味で、修道女が着るような質素な物ばかりだから、もっと派手にしてもいいのよ」
「わたくしは化粧品のモデルをしているつもりでいたのよ。ドレスより、肌を見て欲しくて」
「ドレスで人の目を引くことも、宣伝効果になると思いますよ」
「それでは、王妃様、わたくしを化粧品のモデルのようにしていただけますか?」
「勿論ですよ」
デザイナーと王妃様は、色見本から、肌映りのいい物を選んでいく。
最初の一着は、肌映りから、白を基調として、差し色を入れることで派手やかさを出して、夏用の五分丈の袖にフリルを付けた物を選んでくださった。
デザイナーはいろんなデザイン画を描いていく。
わたくしは飾り気のない地味なドレスしか着ていなかったので、似合うのかしらと心配になった。けれど、王妃様
が楽しそうに選んでくださるので、ここは流されようと思った。
イグが、わたくしの肩に手を置いた。
「気に入らなかったら、言ってもいいのだよ」
「いいえ、楽しみにしているわ」
一度目の結婚の時は、母が選んでくれた。
まだ成長期だったので、それほどたくさんドレスは作らなかった。
直ぐに身長が伸びて、体型も変わっていった。
あの時のドレスは袖も通さずに、バザーに出した物もあった。
その後作ったドレスは、自分の稼ぎで、地味な物を選んだ。
もう結婚などすることもないと思い、色白な肌が目立つことだけを思いドレスを買っていた。
お父様も兄夫婦も、わたくしのドレスについて何も言わなかった。
白い結婚詐欺事件の時、わたくしの人生は終わったと思ったのだ。
人生を諦めていたのに、今、イグと結婚できると思うと、まだ夢の中を彷徨っているような気がする。
イグの手がわたくしを包む。
背中を抱かれて、一緒にドレスを選んでいく。
幸せすぎて、怖く感じる。
ウエディングドレスのできあがりは、まだ少し先になる。
結婚式まで、あと4ヶ月くらいだ。
普段着は夏が来る前にできあがるそうだ。
陛下と王妃様は、招待状を出さなくてはと忙しそうにしているけれど、わたくしは、今は自由にさせていただいている。今は手伝える物がないようです。
招待状は王妃様が書くとおっしゃっていたので、わたくしはイグにプレゼントをするハンカチに刺繍をしています。
この国の国旗とイグをイメージして、鷹を刺繍しているの。
難しいけれど、遣り甲斐はあるのよ。
イグは精悍で、でも、心根の優しい人だ。
鷹の目は青で刺繍をするつもりなの。
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