転生したら聖女でした。聖女として生きてきます

綾月百花   

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1   聖女の証

3   妹の裏切り(3)

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 プリュームは王宮のイグレシア殿下の私室に、こっそり忍び込んだ。
 顔立ちは姉のアリエーテと同じだ。ストールを頭から被って髪色を隠して、アリエーテのフリをして王宮に入ってきた。
 イグレシア殿下の部屋は、アリエーテと一緒に来たときに覚えていた。

「イグ、お話がありますの」

 声だけ聞くと、アリエーテとプリュームは、そっくりな声をしている。
 愛称で呼ぶことを許しているのは、アリエーテだけだ。
 後ろから話しかけられ、イグレシアはそこにいるのがアリエーテだと思った。

「アリエーテか?今、会いに行くところだった」
「いえ、プリュームよ」

 イグレシアは振り向き、面倒な顔をした。
 アリエーテに用事はあるが、プリュームに用はない。

「僕はアリエーテのところに行きたいんだ」

 今からやっと目覚めたアリエーテに会いに行くつもりだったのに、邪魔をされてイグレシアはプリュームを置いて私室から出て行こうとした。

けれど……、

「イグレシア殿下。私にも聖女の証がありますのよ。この度の戦場で和平の祈りを捧げました」

 初めて聞く内容に、イグレシアはプリュームの顔を見た。
 聖女はアリエーテ以外にいると聞いたことはない。
 双子の妹のプリュームにも、その力があるとは聞いたことがなかった。

 プリュームは手首に巻かれた包帯をイグレシア殿下の前で解いた。
 ピンクの薔薇が綺麗に描かれている。
 輪郭だけではなく花びらの色まで鮮明に……。
 イグレシアはプリュームの手首を見て、まず美しいと思った。

「お姉様の痣は、これほど美しくはありません。僻まれるといけないので、いつも包帯を巻いています」

 イグレシアより年下の双子の姉妹のことは、よく知っているつもりだったのに、意外なことを口にした。不審に思いながらプリュームを見つめる。

「プリュームは昔から包帯を巻いていたかな?」
「イグはいつもお姉様しか見ていなかったから気付かなかったのでしょう」

 確かにそうだったかもしれない。
 プリュームには、昔から興味は湧かない。
 双子で瞳と髪の色だけ違う二人だが、イグレシアの心を掴んだのはアリエーテただ一人だった。

「僕の婚約者はアリエーテだよ」
「王家の力になれるのは、力の強い私よ。これほど美しい花を持った者は他にはいないわ」

 プリュームは手首の花を見ているイグレシアに口づけして微笑んだ。

「おい、止めろ」
「私の方が美しいわ。花も容姿も」
「アリエーテの方が美しい」
「でも、力は私の方が上よ」

 口づけを深くして、プリュームはイグレシアをソファーに押し倒した。
 自ら服を脱ぎ、戸惑っているイグレシアの服も乱していく。
 ベルトを緩め下着を下げると、男の弱点を掴んだ。
 目的は結ばれることだ。

「なんのつもりだ!」

 なんの反応もみせていない男性器を強引に扱き、逃げられないようにイグレシア殿下を跨ぎ、まだ誰も受け入れたことのない秘所にイグレシアの物をあてがうと、そのままイグレシア王子の痼ってきた楔を胎内に入れる。胎内の奥までイグレシアを迎えると、プリュームは嬉しそうに微笑んだ。

「止めてくれ!」

 困惑し戸惑った顔をしていたイグレシアだが、プリュームが腰を揺らしながら、楔を締め付けると、初めての甘い誘惑にイグレシアは本能に従って動き出した。
 プリュームは結ばれたことに喜び、イグレシアは直接受ける甘い刺激に抗うことができず、本能のままにプリュームを犯した。

 プリュームは今、そこに愛がなくても良かった。

 アリエーテの婚約者を奪いたかった。これでアリエーテより、よい待遇の結婚を迎えられる。
 プリュームは数年前から手首に包帯を巻き、侍女も付けずに生活をしていた。こっそり他国の闇市に行き、そこに薔薇のタトゥーをしてもらったのだ。聖女の力などないが、今回の戦いで倒れてみせたことで、プリュームにも力があるのではないかと、騎士達の間で囁かれていた。

「ああ、なんてことをしてしまったんだ」
「イグに愛されて、幸せでした」
「僕が愛しているのはアリエーテなのに」
「でも、私と結ばれましたわ」

 イグレシアの身体を伝いソファーを染めた処女の証を見せつけ、体が辛いと、イグレシアに甘える。

「すまない」
「誰に謝っていらっしゃるの?」
「アリエーテだよ。ずっと愛しているのに」
「いいのですよ。私と結ばれた事を一生、秘密になさって」
「プリュームを傷物にしてしまった。責任を取らなくては……」

 プリュームは、腕の中で、ニヤリと微笑む。

「嬉しいですわ。私はイグレシア殿下をずっとお慕いしていましたから」

 嘆き悲しんでいるイグレシアを見ながら、プリュームは幸せそうに頬を寄せていた。


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