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箱
しおりを挟む小学のクラスは×年×組。
警備員はノックする。
「・・・・・はい」
教師と思われる男性が教室の中から返事をする。
「失礼します、 校長から話を聞きたいと言う方をお連れしました」
「・・・・・」
ガチャ、 と物音がした後にガラガラと扉が開かれる。
「引き戸なのに鍵!?」
鍵付きの教室に面食らう穴口。
「えぇっと・・・何方様?」
教師が困惑する。
「山之上先生、 彼は穴口さん、 小学さんを探しています」
「はぁ・・・そうですか」
「・・・・・」
穴口は教室内の空気が可笑しい事に気が付いた。
「匂うでしょう?」
「え、 えぇ・・・」
「小学がこの間、 豚を捌き始めて・・・それでペンキとか塗装とか色々・・・
本当なら夏期講習を止めて置きたいんですけども
色々勉強が有りまして・・・」
「そうですか・・・それで小学さんの事ですが」
「分かりませんね、 あそこ迄酷い生徒は初めてです
全く何をしているのか理解出来ません」
「最後に彼を見たのは?」
「豚を捌いた後に逃げ出してそれっきりです
もう良いですか?
正直豚を捌く所を見て生徒達もショックを受けて
休学している生徒も多いんですよ」
チラリと教室を見ると確かに空席が目立つ。
塗装された教室内の匂いも合わさって
こんな場所では確かに授業受けたく無いなと思うだろう。
「・・・その花瓶は?」
空いている席の一つに花瓶が乗っている。
「先生、 そろそろ授業再開して貰って良いですか?」
生徒の1人が山之上に言う。
「うん? あぁそうだね、 じゃあこの辺ですみません・・・」
「え、 もう少し話を・・・」
「小学の取り巻きに話を聞いて下さい、 ×年〇組と▼組と◇組に居ますから」
「このクラスには居ないんですか?」
「アイツの傍に居たいなんて思えるのは最早才能です」
そう言って教室の扉が閉められた。
「・・・・・小学ってそんなに嫌われてるんですか?」
「悪魔の擬人化、 いや悪その物ですよ
おこぼれを貰う為とはいえあんなのと一緒に居るなんて私なら嫌です」
警備員が断言する。
「そうですか・・・じゃあ他のクラスに」
「取り巻き共は全員来てませんよ」
「そうなんですか?」
「えぇ、 まぁコイツ等は家に居る様ですが・・・」
「彼等の住所「教える訳無いでしょう、 ただでさえコンプライアンスの時代なんですから」
「そ、 そうですか・・・」
食い気味に言う警備員に引くが
人探し程度穴口にとって如何と言う事はない。
調べればすぐに分かるだろう。
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