16 / 18
解決編・一
しおりを挟む
「まずカボン子爵ですがシー子爵令嬢」
「シーで結構です」
「・・・シーを養子に迎える前までは経済貴族でガンガンやるタイプの貴族と言うのは
以前にも話しましたが内容はそれなりに問題事をしています
領内の貸金業への規制を行い貸金業を全て潰すか傘下に収め
商会への貸付を行う事で資金の流れを把握し内部者取引
若しくはインフラの破壊を行い取引を潰し、 商会を借金のカタに貰う
やりたい放題でしたよ」
「思った以上にやりたい放題だな・・・と言うか貸金の規制って良く出来たな」
「やり方自体は過払い金請求に力を入れて、 中小規模の街金を潰していく手法です
当然ながら全ては内密に行われていました
カボン子爵家は他の貴族への縁を繋ぐ為に政略結婚をコツコツとして来た家系です
浅く広い関係を持っていました」
「なるほどな、 それでこのシーは如何関わって来るのだ?」
シーをちらりと見るメイズ。
「出自はお察しの通り偽装です」
「やはりな」
「シーの母親はとある商会の娘です
若い頃のカボン子爵は言葉巧みに彼女と関係を持ち商会の情報を獲得し
その情報を元にカボン子爵は商会を乗っ取る事に成功しました」
「そこから先は私が話しましょう」
シーが割って入った。
「商会が乗っ取られた後の母の境遇は悲惨の一言、 凄惨の二文字
詳しく語るには時間がかかり過ぎるので割愛させて頂きます」
「割愛って・・・」
「ハッキリ言って三日三晩はかかりますよ」
「別に構わない」
「私にもこの後の予定が有りますから
母はカボンに騙されましたがやられっぱなしではなかったのです
カボンは母に一つの手紙を送りました」
「手紙?」
「恋文ですね
普通ならば問題にはならなかったでしょうがタイミングが悪かった
カボン子爵は政略結婚で既に婚約を結んでいました
その時期に出した不貞の証拠、 大問題になるのは確実でした」
「・・・確かに問題にはなるだろうな」
メイズが白け気味に答える。
「だがしかし脅迫なんて物はそう簡単には上手く行かない」
「そうですか? 証拠が有るなら出来そうですが・・・」
「リーゼ、 それは君が貴族だからだよ、 貴族を平民が脅すなんて事はまず無理だ
権力で揉み消せるからな」
「それが一番のネックでしたがそれも問題有りませんでした
私は孤児院の出身ですから」
「・・・確かに貴女は孤児院だけど、 それが問題を解決するの?」
「いや、 違う、 教会か」
「その通りです、 孤児院と教会はセットと言っても良い
つまり向こうが勝手に教会からの手の者と勘違いしたという事です」
「なるほどな・・・それで君の目的は何だ? 復讐か?」
「・・・最初はそうだったんですけどね」
遠い眼をするシー。
「シーで結構です」
「・・・シーを養子に迎える前までは経済貴族でガンガンやるタイプの貴族と言うのは
以前にも話しましたが内容はそれなりに問題事をしています
領内の貸金業への規制を行い貸金業を全て潰すか傘下に収め
商会への貸付を行う事で資金の流れを把握し内部者取引
若しくはインフラの破壊を行い取引を潰し、 商会を借金のカタに貰う
やりたい放題でしたよ」
「思った以上にやりたい放題だな・・・と言うか貸金の規制って良く出来たな」
「やり方自体は過払い金請求に力を入れて、 中小規模の街金を潰していく手法です
当然ながら全ては内密に行われていました
カボン子爵家は他の貴族への縁を繋ぐ為に政略結婚をコツコツとして来た家系です
浅く広い関係を持っていました」
「なるほどな、 それでこのシーは如何関わって来るのだ?」
シーをちらりと見るメイズ。
「出自はお察しの通り偽装です」
「やはりな」
「シーの母親はとある商会の娘です
若い頃のカボン子爵は言葉巧みに彼女と関係を持ち商会の情報を獲得し
その情報を元にカボン子爵は商会を乗っ取る事に成功しました」
「そこから先は私が話しましょう」
シーが割って入った。
「商会が乗っ取られた後の母の境遇は悲惨の一言、 凄惨の二文字
詳しく語るには時間がかかり過ぎるので割愛させて頂きます」
「割愛って・・・」
「ハッキリ言って三日三晩はかかりますよ」
「別に構わない」
「私にもこの後の予定が有りますから
母はカボンに騙されましたがやられっぱなしではなかったのです
カボンは母に一つの手紙を送りました」
「手紙?」
「恋文ですね
普通ならば問題にはならなかったでしょうがタイミングが悪かった
カボン子爵は政略結婚で既に婚約を結んでいました
その時期に出した不貞の証拠、 大問題になるのは確実でした」
「・・・確かに問題にはなるだろうな」
メイズが白け気味に答える。
「だがしかし脅迫なんて物はそう簡単には上手く行かない」
「そうですか? 証拠が有るなら出来そうですが・・・」
「リーゼ、 それは君が貴族だからだよ、 貴族を平民が脅すなんて事はまず無理だ
権力で揉み消せるからな」
「それが一番のネックでしたがそれも問題有りませんでした
私は孤児院の出身ですから」
「・・・確かに貴女は孤児院だけど、 それが問題を解決するの?」
「いや、 違う、 教会か」
「その通りです、 孤児院と教会はセットと言っても良い
つまり向こうが勝手に教会からの手の者と勘違いしたという事です」
「なるほどな・・・それで君の目的は何だ? 復讐か?」
「・・・最初はそうだったんですけどね」
遠い眼をするシー。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる