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チャプター4:ホエア・イズ・コープ
レストラン・イン・ザ・フォー
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N5のスラム街のレストラン。
現在、 N5の他の料理屋やレストランが壊滅状態なので実質的ここが唯一のレストランと言って良い。
「・・・・・」
「デビット、 元気を出して」
アフロ虫が無いつるっぱげ状態のデビットとルーが向かい合って食事をしていた。
互いにTシャツ姿である。
着ていたマーナガルム男爵の家紋入りのスーツはバッグに入れて有る。
地震による瓦礫により汚れてしまったのだ、 だからと言ってクリーニングに出すのは憚られる。
捨てる事も出来ないので持ち歩いているのだ。
「なぁルーよ、 俺は引退しようと思う」
「確かに失敗だったよ、 でも致命的失敗じゃない
アフロ虫は残念だったけども・・・だからと言って死体にはならんよ」
「お前と違って俺には学がねぇから
イマイチ分かり難いと思うが・・・俺は神の導きじゃないかって思う」
「何?」
「あんなポイニクスに出くわした挙句、 大地震
失ったのはアフロ虫だけで五体満足だ
神の奇跡によって俺達は生還したんじゃねぇかって思う」
「死ぬか生きるかに生き残っただけだろ」
「いや、 俺は悔い改めた、 俺は僧侶になるぜ」
「ボスが腹抱えて笑うになるな」
「ボスには伝えるよ、 俺は修行僧になる」
「・・・あ、 そ、 好きにしなよ
でも金は如何するんだい?※1」
※1:修行僧になるには修道院に行く必要が有る。
しかし修道院に行って入会の為には入会金が必要である。
大規模な修道院ならば入会金が免除される所もあるが
デビットの様な後ろ暗い人間は小規模の入会金が必要な修道院に行く必要が有る。
更にマーナガルム男爵の暗部から抜けるのに金がかかる。
「貯えは有るさ」
「あ、 そう、 なるようにしかならん
好きにしなよ」
「悪いな」
「あぁ・・・」
ルーは瞑目した、 デビットとは駆け出しの頃からの付き合いだった
彼と別れる時が来るとしたら、 何方かが棺桶に入っている時だと思ったが
生き別れになるとはと感慨深い気持ちになった。
「もう駄目だ、 もうおしまいだ」
「そのセリフは聞き飽きたわ
『もうやめた』も『二度とやらねえ』も『ヤバすぎだ』も、 聞き飽きた」
「・・・・・?」
感慨にふけっていると後ろの席でカップル二人が何か言っている。
ヨランダとカボチャのカップルだ。
彼等も地震で一度は埋まったが何とか生還できたが
オークション襲撃の為に準備した物が全て無駄となり金が無くなってしまった。
「だからそう言ってんじゃねえかよ、 それに間違っちゃいねえだろ?」
「一日二日したら忘れるじゃない」
「忘れてばかりの日々はもう終わり、 思い起こすばかりの日々の始まりさ
日記帳でも買って来る」
「ねえ、 そうやってグダグダ言ってるアンタ、 どう聞こえてるかわかる?」
「イケメン且つカッコいい上に頭が冴えていて分別のある大人だろ」
「アヒルみたいだよ、 ガーガー」
「俺はアヒルだったのか・・・だとしたら何れ白鳥になるな」
「もう大人のアヒルだから白鳥にはなれない」
「大丈夫、 もうこれっきりだ、 だって二度とやらねえんだから
もうガーガー言うこともねえ、 明日から頑張る」
「明日から?」
「その通り、 俺はまだ一晩ガーガー言える猶予がある」
「何処を襲うの?」
「ここで良いだろ、 このレストランのバイトが俺を止めるか?
そこまで高い給料貰って無いだろう」
「・・・・・」
ルーは後ろのカップルがここの強盗を企んでいると思った。
「如何した? 話聞いてるのか?」
「ん? あぁ、 何でもナッシング」
デビットが声をかけたのでデビットに注意を戻すルー。
「大体平均で10万ユーロは必要な訳だよ」
「何が?」
「俺の足抜けと入会金だよ」
「高いね」
「俺の貯えじゃあ少し足りねぇ」
「じゃあ如何するんだ? 強盗でもするのか?」
「!?」
今度は後ろのカボチャが吃驚する番である。
「どうしたの?」
「後ろの奴、 強盗するっぽい」
「まさかのブッキング!? 先手を取る!?」
「馬鹿言うなよwwwww」
デビットが爆笑する。
「何でこの街でそんなことしなきゃならねぇ?
この街は貧乏だ、 強盗するならもっと割の良い所に行くだろうさ
そもそも強盗はコスパが悪い」
「ふむ?」
「人間って言うモンはもっと価値の有るモンだ
神様が俺を助けたって事は俺には価値があるんだろう
俺はそんな事全く知らなかったしどの位の価値が有るか知らん
神様は少なくとも俺が更生は出来るって考えたんだろう
俺は今まで人間には意味が無い、 そういうモンだと思って来た
だがこの奇跡は俺は価値の有る、 意味の有るモンだと思った
俺は何も知らなかった、 聖書だの何だのも知らなかった
そんな物に価値が有るとは思わなかった、 けどもそうじゃないかもしれねぇ
だから俺は修行僧になって学ぼうと思う
俺は一生懸命頑張るぜ、 俺みたいな奴を導く為にもな
だから強盗なんて価値のねぇ事はしたくねぇ」
「・・・・・」
「・・・・・」
カボチャとヨランダは聞き入った。
「・・・・・まぁ神の事は私も良く分からん
だが明日からにしないか?」
「何故?」
「君の門出を祝って酒でも呑みたい」
「・・・・・あぁ、 良いぜ、 じゃあ行くか
こんな店じゃあ酒も呑めん」
「だね」
デビットとルーは店から去って行った。
「・・・・・」
「・・・・・」
カボチャとヨランダは顔を見合わせた。
「・・・・・真面目に働いてみるか」
「そうだね」
現在、 N5の他の料理屋やレストランが壊滅状態なので実質的ここが唯一のレストランと言って良い。
「・・・・・」
「デビット、 元気を出して」
アフロ虫が無いつるっぱげ状態のデビットとルーが向かい合って食事をしていた。
互いにTシャツ姿である。
着ていたマーナガルム男爵の家紋入りのスーツはバッグに入れて有る。
地震による瓦礫により汚れてしまったのだ、 だからと言ってクリーニングに出すのは憚られる。
捨てる事も出来ないので持ち歩いているのだ。
「なぁルーよ、 俺は引退しようと思う」
「確かに失敗だったよ、 でも致命的失敗じゃない
アフロ虫は残念だったけども・・・だからと言って死体にはならんよ」
「お前と違って俺には学がねぇから
イマイチ分かり難いと思うが・・・俺は神の導きじゃないかって思う」
「何?」
「あんなポイニクスに出くわした挙句、 大地震
失ったのはアフロ虫だけで五体満足だ
神の奇跡によって俺達は生還したんじゃねぇかって思う」
「死ぬか生きるかに生き残っただけだろ」
「いや、 俺は悔い改めた、 俺は僧侶になるぜ」
「ボスが腹抱えて笑うになるな」
「ボスには伝えるよ、 俺は修行僧になる」
「・・・あ、 そ、 好きにしなよ
でも金は如何するんだい?※1」
※1:修行僧になるには修道院に行く必要が有る。
しかし修道院に行って入会の為には入会金が必要である。
大規模な修道院ならば入会金が免除される所もあるが
デビットの様な後ろ暗い人間は小規模の入会金が必要な修道院に行く必要が有る。
更にマーナガルム男爵の暗部から抜けるのに金がかかる。
「貯えは有るさ」
「あ、 そう、 なるようにしかならん
好きにしなよ」
「悪いな」
「あぁ・・・」
ルーは瞑目した、 デビットとは駆け出しの頃からの付き合いだった
彼と別れる時が来るとしたら、 何方かが棺桶に入っている時だと思ったが
生き別れになるとはと感慨深い気持ちになった。
「もう駄目だ、 もうおしまいだ」
「そのセリフは聞き飽きたわ
『もうやめた』も『二度とやらねえ』も『ヤバすぎだ』も、 聞き飽きた」
「・・・・・?」
感慨にふけっていると後ろの席でカップル二人が何か言っている。
ヨランダとカボチャのカップルだ。
彼等も地震で一度は埋まったが何とか生還できたが
オークション襲撃の為に準備した物が全て無駄となり金が無くなってしまった。
「だからそう言ってんじゃねえかよ、 それに間違っちゃいねえだろ?」
「一日二日したら忘れるじゃない」
「忘れてばかりの日々はもう終わり、 思い起こすばかりの日々の始まりさ
日記帳でも買って来る」
「ねえ、 そうやってグダグダ言ってるアンタ、 どう聞こえてるかわかる?」
「イケメン且つカッコいい上に頭が冴えていて分別のある大人だろ」
「アヒルみたいだよ、 ガーガー」
「俺はアヒルだったのか・・・だとしたら何れ白鳥になるな」
「もう大人のアヒルだから白鳥にはなれない」
「大丈夫、 もうこれっきりだ、 だって二度とやらねえんだから
もうガーガー言うこともねえ、 明日から頑張る」
「明日から?」
「その通り、 俺はまだ一晩ガーガー言える猶予がある」
「何処を襲うの?」
「ここで良いだろ、 このレストランのバイトが俺を止めるか?
そこまで高い給料貰って無いだろう」
「・・・・・」
ルーは後ろのカップルがここの強盗を企んでいると思った。
「如何した? 話聞いてるのか?」
「ん? あぁ、 何でもナッシング」
デビットが声をかけたのでデビットに注意を戻すルー。
「大体平均で10万ユーロは必要な訳だよ」
「何が?」
「俺の足抜けと入会金だよ」
「高いね」
「俺の貯えじゃあ少し足りねぇ」
「じゃあ如何するんだ? 強盗でもするのか?」
「!?」
今度は後ろのカボチャが吃驚する番である。
「どうしたの?」
「後ろの奴、 強盗するっぽい」
「まさかのブッキング!? 先手を取る!?」
「馬鹿言うなよwwwww」
デビットが爆笑する。
「何でこの街でそんなことしなきゃならねぇ?
この街は貧乏だ、 強盗するならもっと割の良い所に行くだろうさ
そもそも強盗はコスパが悪い」
「ふむ?」
「人間って言うモンはもっと価値の有るモンだ
神様が俺を助けたって事は俺には価値があるんだろう
俺はそんな事全く知らなかったしどの位の価値が有るか知らん
神様は少なくとも俺が更生は出来るって考えたんだろう
俺は今まで人間には意味が無い、 そういうモンだと思って来た
だがこの奇跡は俺は価値の有る、 意味の有るモンだと思った
俺は何も知らなかった、 聖書だの何だのも知らなかった
そんな物に価値が有るとは思わなかった、 けどもそうじゃないかもしれねぇ
だから俺は修行僧になって学ぼうと思う
俺は一生懸命頑張るぜ、 俺みたいな奴を導く為にもな
だから強盗なんて価値のねぇ事はしたくねぇ」
「・・・・・」
「・・・・・」
カボチャとヨランダは聞き入った。
「・・・・・まぁ神の事は私も良く分からん
だが明日からにしないか?」
「何故?」
「君の門出を祝って酒でも呑みたい」
「・・・・・あぁ、 良いぜ、 じゃあ行くか
こんな店じゃあ酒も呑めん」
「だね」
デビットとルーは店から去って行った。
「・・・・・」
「・・・・・」
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「・・・・・真面目に働いてみるか」
「そうだね」
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